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アンジュルム為永幸音&後藤花が語る女性ファンを集める強さ、佐々木利佳子への思い「言葉と行動にする大切さを教えてくれた」

  • 2024.6.16
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アンジュルムの為永幸音(左)、後藤花(右) 撮影=鈴木康道
アンジュルムの為永幸音(左)、後藤花(右) 撮影=鈴木康道

【写真】シン・おはガール(2023年度)としても活躍! キュートな最年少、後藤花

ハロー!プロジェクトのアンジュルムが6月12日にトリプルA面シングル「美々たる一撃/うわさのナルシー/ THANK YOU, HELLO GOOD BYE」をリリース。アンジュルムはハロー!プロジェクトの中でも特に女性ファンを集めるグループとして知られ、本作もアンジュルムを象徴するような強い楽曲、女性に送る楽曲となっている。また、グループの支柱的存在である佐々木莉佳子が参加するラストシングルでもある。女性ファンを集める今のアンジュルム、6月19日(水)に控える佐々木卒業について、メンバーの為永幸音、後藤花に思いを聞いた。

強さ、格好良さ、面白さのアンジュルム

――アンジュルムは今、ハロー!プロジェクトの中で女性ファンが特に多いグループ、勢いのあるグループだと言われています。他のグループにはないアンジュルムならではの強みとして、2人はどんなことが思い浮かびますか?

為永:今回のリード曲「美々たる一撃」もその1つですが、格好良さ、強さという部分は大きいんじゃないのかなと思います。今の春ツアーも激しいセットリストで、他のグループの激しさとはまた違ったハードなライブです。そのハードなライブを難なくこなす格好良さって、私自身は意識している部分でもあります。

後藤:私は中学1年(現在、高校1年生)の始めのころからアンジュルムを見ていて、やっぱりそのときから個性の強いグループというイメージがあります。それ以前のMVもたくさん見ていましたけど、パワーをすごく感じていたし、加入してからはそのパワーをじかに感じています。強みって、やっぱりそういう面なのかなと思います。あとはメンバー1人1人が面白いこと(笑)。共通点はありつつもみんな好きなことや性格がバラバラで、でもそれがすごくいい面白さになっていると思います。

――面白さの部分では、ファンからは動物園に例えられることもありますね。

為永:そうですね(笑)。ぼけぼけの子もいれば、ツッコミの強い子もいて、バラエティー感はすごいです。私の加入以前はプライベートでもとにかく無茶ぶりが多かったみたいですね。今はそこまで無茶ぶりメンバーはいないのでちょっと安心しているというか(笑)、皆さんに見える面白さはまた変わってきているんじゃないのかと思います。

後藤:無茶ぶりもですけど、自分たちで何か面白いことをやろうとしているわけではなくて、楽しんでやっていることがアンジュルムの愉快なところにつながっているんだと思います。

――話によると、後藤さんもかなり自由人だと?

為永:(後藤)花ちゃんはそうだね(笑)。

後藤:ありがたいことに、そうなんです(笑)。楽屋ではひたすらしゃべっていて、それに誰かが反応しなくても私は全然いいんです。とりあえず今の気持ちをずっとしゃべっているのが好きで、たまに誰かが突っ込んでくれたり、向こうの方で笑ってくれたりしていますね。

為永「アンジュルムの面白さを磨ける人になりたい」

――楽曲カラーでは、アンジュルムらしさを感じるのはどういう部分ですか?

為永:それこそ強い女性を表す楽曲は、ハロー!プロジェクトの中でもアンジュルムが一番だと思っています。ファンの皆さんからも、アンジュルムは強い曲が似合うと言っていただけます。カラーというとまずそうした強さだと思いますけど、人間味がある歌詞、愛を歌った曲が多いのも特徴だと思います。

――強さ、格好良さの面で大きい存在だったのが卒業する佐々木さんです。佐々木さんとはどんな話をされましたか?

為永:2人きりでお話する機会がありましたけど、やっぱり寂しくなってしまいました。不安になって、「卒業してほしくないです。佐々木さんのあとはどう埋めればいいんですか」とか、そういう言葉を出してしまって…。でも佐々木さんは「大丈夫だよ!」って。「幸音ちゃんなりのやりたいことをやればいいんだよ」って。だから寂しいのは置いておいて、とにかく頑張ってみようと思います。

――為永さんは加入4年目になって、グループの中ではちょうど中間あたり。佐々木さんが卒業することもあり、これからどういう役目を持っていきたいかの考えはありますか?

為永:私はアンジュルムの面白さを磨ける人になりたいです。

――そっち方面ですか?(笑)

為永:アンジュルムって面白いの塊ですけど、一番面白いのは佐々木さんなんですよ。ワードセンスが飛び抜けていて、佐々木さんがしゃべっているだけで場が面白いんです。佐々木さんの卒業でアンジュルムからそうした部分が薄まってしまったら寂しいので、私がアンジュルムの面白さを磨いていけるように頑張りたいです。もちろんパフォーマンスも(笑)。

【写真】シン・おはガール(2023年度)としても活躍! キュートな最年少、後藤花 撮影=鈴木康道
【写真】シン・おはガール(2023年度)としても活躍! キュートな最年少、後藤花 撮影=鈴木康道

後藤「佐々木さんは言葉にして伝える大切さを教えてくれた」

――後藤さんは加入してからの1年。佐々木さんとの思い出深い出来事はありますか?

後藤:佐々木さんって、とても温かくて、愛をストレートに伝えてくださる人なんです。うれしいことも、楽しいことも、相手に対してちゃんと言葉にして、行動にして伝えることの大切さを教えてもらえました。佐々木さんと話すたびに卒業されることを実感しますけど、話していると佐々木さん自身はもうこれからの方に向いているんだというのをすごく感じます。

私たちへのことも、自分のことも、しみじみとした感じではなくて、とても明るい言葉。一つ一つからそういう前向きな気持ちが伝わってきます。佐々木さんが卒業したあとのアンジュルムがどうなるのか。私たちだって不安はありますけど、だからこそ頑張るという気持ちの方が強いです。

――後藤さんは加入前のハロプロ研修生時代から「おはスタ」のシン・おはガール(2023年度)を務めていました。大変だったこと、楽しかったこと。振り返ってみてこの1年はどうでしたか?

後藤:大変なことはありすぎて、自分の中で理解できないくらいいろいろなことが日々重なっていくような体験でした。1日が終わるのが早すぎて、もう自分が間に合わない!みたいな。それでも楽しすぎることがたくさんあって、頑張らないといけないこととを両立させていくことが逆に楽しかったです。

「おはスタ」のときは朝が早くて、そのあとに学校に行って、終わったらレッスンやリハーサルというサイクルでした。正直もう何があったか記憶にないほど目まぐるしくて大変でしたけど、今頑張ればあとが楽になると思えば頑張れるし、佐々木さんをはじめ、先輩メンバーが支えてくれていたおかげで毎日とても楽しく過ごせていました。

1年間、私的にはすごく短く感じて、でも、そう感じるということは、1日1日を頑張って過ごしたからだと思うし、充実した1年だったなと思います。だからこそ、次の1年が今よりもっと短い1年なのか、それともゆっくり過ぎる1年のか。またその次の1年がどういう風になるのかがとても楽しみです。

佐々木利佳子を感じる“愛”の曲「THANK YOU, HELLO GOOD BYE」

――トリプルA面シングルの1曲「THANK YOU, HELLO GOOD BYE」は、佐々木さんの卒業曲と言えるフィーチャリングソングです。聴いたときはどんな気持ちになりましたか?

後藤:歌詞が本当に良すぎて、私は為永さんと仮歌を聴いたんですけど、もう最初から泣いてしまいました。為永さんはレコーディングでも泣いて。

為永:いろんな感情があふれてきて涙が止まらなかったです。

――作詞作曲は中島卓偉さん。アンジュルムには「大器晩成」など幾つも楽曲提供をされていて、縁の深い方です。

為永:卓偉さんが作ってくださるというのは知っていたんですが、「友よ」(作曲・中島卓偉。田村芽実の卒業シングル)もあるので、どういう曲になるのか、みんなで想像しあっていましたね。佐々木さんと言えばロックなので、ものすごいロックな曲になるのか。普段の佐々木さんらしい、明るく楽しい、振り切った感じになるのか。それともしんみりした卒業曲になるのか。どっちだろうね?って。

後藤:“愛”という、とても大きな曲ですよね。佐々木さんを感じさせる曲だし、佐々木さんへ「ありがとう」という感謝の気持ちをたくさん伝えられる曲をいただきました。

20歳になり、ぐっと大人っぽくなった為永幸音 撮影=鈴木康道
20歳になり、ぐっと大人っぽくなった為永幸音 撮影=鈴木康道

アンジュルムの強さを出した「美々たる一撃」

――「美々たる一撃」はリズムサウンド、「うわさのナルシー」は穏やかな曲という雰囲気が全く違う楽曲です。歌っていて走る感情はどのようなものですか?

後藤:「美々たる一撃」は格好良い音とスピード感のある曲調、歌詞が耳に残る曲で、歌っていてとても気持ちがいいです。初めにお話ししたアンジュルムの強さを感じていただける曲ですね。

為永:私はラップパートを担当していますけど、レコーディングのときから苦戦していて大変です。めちゃくちゃ早口で1つの音にたくさんの言葉が詰まっている感じなので、口が回らなくて何度も録り直しました。ライブでもまだちょっと噛んでしまいます(笑)。

後藤:全然気付かなかったです。

為永:曲が速いからね。気付かれにくいかも(笑)。

――リズムも速いですが、なおかつ今風の転調が多い曲ですね。

為永:そうなんですよ。2番のAメロ、伊勢鈴蘭さんのソロパートはラップで音がなくなってからの転調なので、特に難しいと思います。レコーディングのときはメンバーみんな、音が全然取れなくて苦戦したと言っていました。

――ハロプロのやり方として、レコーディングは全員1曲、頭から最後まで録って、それから歌割が決まるんですよね。今の話を聞くと、ラップパートが自分に来るとは思っていなかった感じですね。

為永:欲しいとは思いましたし、いただけたらしっかりできるように頑張りましたけど、正直こんなにたくさん任されるとは思っていなかったです。だって、レコーディングは本当に何度も何度も録り直しましたから。

後藤:実は私もラップパートに入っているんですよ。私、地声が高いからラップというより、ひたすら子どもが何かをしゃべっているみたいになって、ディレクターさんにたくさん指導していただきました。だから絶対ラップは来ないと思っていたのに、まさか歌割を見たら入っていて。うれしかったですけど、完成音源を聴いたらうっすらしか自分の声が聴こえないんですよ(苦笑)。だからライブではもっと頑張って歌おうと思います。

6月12日に34枚目のシングルをリリース、6月19日には佐々木莉佳子の卒業コンサートを開催するアンジュルム ※提供写真
6月12日に34枚目のシングルをリリース、6月19日には佐々木莉佳子の卒業コンサートを開催するアンジュルム ※提供写真

「うわさのナルシー」は良いナルシスト

――もう1曲の「うわさのナルシー」はどうですか?

後藤:「うわさのナルシー」は聴くとシティポップの要素が入っていて、アンジュルムにはあまりなかったタイプの曲だと思いました。とってもオシャレな曲で、歌詞も良いナルシスト。

――良いナルシストですか(笑)。

後藤:だって、普通ナルシストって言われるとマイナスな感じがしませんか? でもこの曲は「自分に自信を持っていいんだよ」というのを伝えてくれる曲なんです。(歌詞の)主人公の女の子も自分に自信があるというより、自分の理想の女性像に近づくために頑張って、努力して自分を磨いている女の子。私だったらメークをするときや、自己肯定感を上げたいときに聴きたい曲ですね。

為永:仮歌をいただいたときは、この女の子はどういう子なのか、「共感できる人いる?」みたいなことを話し合いました。私は最初は共感してあげられなかったんですけど、みんなのいろいろな意見を聞いてだいぶ印象が変わりました。歌詞に「今日もあなたは最高なGirl」という一節があって、自己的なナルシーではなくて、他の誰かに対しても自分を肯定する良さを教えてあげるような感じの曲。あのときの会話は曲を理解する上でとても重要な時間でした。

後藤:私も最初は全然理解できなくて、本音を言うと「だって、こんなこと考えたことないもん!」って感じでした。けれど歌い込んでいくうちに、“私は私ですてき。あなたはあなたですてき”みたいなマインドがすごく格好良いと思えるようになって、私もこういう考え方で生きていきたいなと思いました。

為永:あと、ダンスですね。私は得意で言ったら「美々たる一撃」の激しいダンスですが、「うわさのナルシー」の洗練された動きは気持ちがぐっと入り込みます。大胆な動きではありますけど、その中にみんなで揃える繊細なニュアンスがあって、音もオシャレだし、ダンスもとてもオシャレ。アンジュルムは揃えるダンスも頑張っているので、MVとライブではそこも見ていただきたいです。

――ハロプロにはモーニング娘。から研修生の新ユニットまでいろいろなグループがあります。今後ハロプロの中でアンジュルムは“こうなりたい”という目標はありますか?

為永:アジュルムだけでなくて、私たちって、ハロー!プロジェクトという大きなグループ名でまとめられることも多いじゃないですか。それはそれでうれしいですけど、私は「ハロー!プロジェクトのアンジュルム」ではなくて、「アンジュルム」として見ていただけるグループにしていきたいです。フェスに出たあとのイベントやSNSで、「アンジュルムを好きになりました」とメッセージをいただけるのは本当にうれしいです。“フェスに強い”というのは私たちのカラーだと思いますし、もっと大きな会場、いろいろなフェスにも出演して名前を高めていきたいです。

――6月19日の横浜アリーナ公演が佐々木さんと立つ最後のステージになります。そこに向けた気持ちをお願いします。

為永:アンジュルムとして横浜アリーナに立つのは2回目です。初めてのときはお祭り感のような雰囲気もあって楽しかったのですが、2回目はハードルが上がって、佐々木さんのためにも前回を超える公演をお見せしないといけないと思っています。チーム力も上げていかないといけないし、新メンバーの花ちゃんと下井谷幸穂ちゃんにとっては初めての横浜アリーナです。きっとめちゃめちゃ頑張ると思うので、ぜひ2人にも注目してください。

後藤:めっちゃ緊張します(笑)。横浜アリーナで公演ができるというのはとてもありがたいことだと思いますし、その感謝を佐々木さん、ファンの皆さんに返せるように頑張ります!

◆取材・文=鈴木康道

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