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今も昔も子育ては大変! 余計な行動の最たる例「寝た子を起こす」/ことわざびっくり事典③

  • 2024.6.15
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『わらえる!? つかえる!! ことわざびっくり事典』(こざきゆう:文、伊藤ハムスター:絵、金田一秀穂:監修/ポプラ社)第3回【全5回】 勇気をくれることわざ、笑えることわざ、ちょっぴりこわいことわざ…人生の知恵や教訓がつまったことわざを、イラストともにわかりやすく学べる一冊です。私たちが日常でよく使うことわざのいわれや使い方などの解説はもちろん、世界のことわざを紹介するコラムも楽しい『わらえる!? つかえる!! ことわざびっくり事典』。その一部をお届けします!

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『わらえる!? つかえる!! ことわざびっくり事典』(こざきゆう:文、伊藤ハムスター:絵、金田一秀穂:監修/ポプラ社)

「泣きっ面」は「泣き顔」のこと。人が泣いているのは、悲しかったり痛かったりつらかったり……だいたいよくないときだ(感動して涙を流すこともあるけど)。

そこに、あの昆虫の「はち」だ。シチュエーション的にも悪い予感しかしないね。刺すでしょ、これ。

というわけで、悪いことが起きているところに、さらにべつの悪いことが起こることをいう。

ようするに不幸のダブルパンチ、トリプルの食らいまくりってことだね。

使うときは「虫歯が痛いわ、頭も痛いわ、そのうえ足を骨折! まさに泣きっ面にはち」のように。

似たことわざもしょうかいしよう。

「転べばくその上」……状況を想像すると、これはたまらないね。転んだら、そこにうんこがあったわけで。「くそっ」と言いたくなるね。

「こぶの上のはれ物」……「こぶ」は、「たんこぶ」だ。「はれ物」は「できもの」のこと。たんこぶができたうえに、さらにはれるわけ。

ほかにも「こけたうえにふまれる」とか「ふんだりけったり」「傷口に塩をぬる」など、昔の人は、不幸に不幸が重なるできごとに、いろいろうまいことを言ってきたのがわかる。

「船頭」は「船長」のこと。

一艘の船に何人も船長がいたら、進行方向もまとまらず、本来、川や海を進むのが当たり前の船が山へ上っちゃう、というようす。

そのことわざの意味は、船長がたくさんいると、怪奇現象が起きますよねってこと……ではなくて、指示する人が多いと、意見がひとつにまとまらなかったり、ものごとがとんでもない方へ進んだりしてしまうということだよ。

たとえば、「学芸会の出し物を決めるのに、みんなが意見を主張するから決まらない。船頭多くして船山に上るだ」とか、「ぼくの班は、船頭多くして船山に上ることがないよう、班長をひとりに決めました」などのように使うよ。

このような、意見を言う人が多くてバラバラでまとまらないことを表すことばには、こんなものもある。

「家を道ばたに作れば三年ならず」は、家を建てるとき、たくさんの人が行き交うようなところだと、その人たちに口出しされまくって三年は家が建たないという意味。

「下手の大連れ」は、人数が多すぎて、そのせいでものごとがうまくいかないこと。もしくは、無能な人が集まっても役に立たないことだ。

「赤ちゃんがなかなか寝ついてくれなくてもう大変」なんてことはよくある話。

そして、苦労のすえ、やっと寝かしつけたと思ったら、わざわざ起こす人がいたりして。赤ちゃんギャン泣き、こっちも泣きたいわ~!

そのように、せっかく落ち着いたものごとに、よけいなことをして、再びやっかいな問題を引き起こすことを表したことわざだよ。

また、いやなことをわざわざ思い出させたりすることにも使うね。

例としては、「オンラインゲームをがまんしてやめたのに、さそわないでよ。寝た子を起こすように、またやりたくなっちゃう」とか、「寝た子を起こす事実を伝えたら、また夫婦げんかが始まっちゃうだろうな」のように使うよ。

そんな、よけいなことをする人は、昔から後をたたなかったのだろう、似たようなことばはいっぱい!

「知恵ない神に知恵つける」は、人によけいな入れ知恵をして、ものごとをめんどうにすること。

また、「やぶをつついて蛇を出す」は、やぶ(草むら)でおとなしくしていた蛇にちょっかいを出してかまれることから、よけいなことをして、災難がふりかかることだ。

きみは犬や猫をペットとして飼っているとしよう。めちゃめちゃかわいがっている。

ところが! 突然、きみの手にかみついたり、ひっかいたりされたら、ショックじゃない? それまさに、このことわざのこと。

ふだんから世話したり信用している人に、裏切られたり、ひどい目に合わされたりするという意味なんだ。

あまり使いたいことばじゃないけど、「ママにないしょで買ったおやつ。弟にも分けてあげたのに、ママにつげ口するなんて。飼い犬に手をかまれるとはこのことだ」のように使う。

注意としては、このことばは、自分より年下とか、立場が下の人にしか使えない。だから、親や先生、先ぱいなどのことは、「飼い犬」にたとえちゃダメなんだ。

同じような意味をもつことばには、「獅子身中の虫」なんてものがある。「獅子」はライオン、「身中の虫」は「体の中で悪さする寄生虫」のこと。

つまり、身内なのに災いをもたらす者、裏切り者のことをいう。

また、「後足で砂をかける」というものも。馬や犬は走り去るとき後足で砂をけちらす。そこから、恩人のもとを立ち去るとき、めいわくをかける人のことをいう。

「鳴かずば」は「鳴かなければ」、「撃たれまい」は「撃たれないだろう」ということ。

鳥のきじは、とても甲高い声で鳴くんだ。そのひと鳴きさえなければ、猟師に居場所が見つかり、銃で撃たれることもないのに……。

そんなわけで、言わなくてよいことを言ってしまったために、自ら災いをまねいてしまうとか、不用意なひとことを言ったがために、悪い結果になってしまう、という意味で使われることわざ。

「友だちがゲームをしすぎるから親がゲーム機をかくしたって話を母にしたら、私の家でもゲーム機をかくされちゃった。きじも鳴かずば撃たれまいだったよ~」と使おう。

よけいなひとことで「あちゃ~」みたいなことわざをほかにも見よう。

「口は禍の門」……「門」は「禍(災難)」の入り口ということで、よけいなことをしゃべると、災難が起こりやすいよって意味。

「かえるは口からのまれる」……かえるはだまっていればいいのに、鳴くものだから、天敵のへびに見つかって食われる。つまらないひとことで身を滅ぼすって意味。へびがかえるを口から飲みこむってことではないよ。

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