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木村拓哉と天海祐希の“攻めの芝居”に大興奮…事故の“真犯人”は誰か? 『Believe 君にかける橋』第8話考察レビュー

  • 2024.6.15
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『Believe -君にかける橋-』【番組公式Instagramより】
『Believe -君にかける橋-』【番組公式Instagramより】

龍神大橋建設現場の崩落事故を計画し、その責任を狩山陸(木村拓哉)に負わせたのが、帝和建設の上層部であることが明らかになり、さらに狩山が信頼する部下の南雲大樹(一ノ瀬颯)がその片棒を担がされていたことが、南雲自身の口から婚約者の本宮(山本舞香)へと明かされた。

自分を陥れたのが長年信頼してきた社長の磯田(小日向文世)、そしてそのバックで強大な権力が動いていることを知った狩山は、これまで陰ながら狩山を支えてきた妻・玲子(天海祐希)に離婚届を出すよう電話で伝える。

ガンを患う玲子に、これ以上の精神的負担を課すことを避けるための、ギリギリの判断だ。狩山は涙ながらに「俺、約束守れなかった」と言い残す。

玲子のそばにいた黒木(竹内涼真)は、狩山を止めようと動き出す。

一方、帝和建設では、常務の桑原(岩谷健司)が「狩山はもう止められない。この手を汚したのに…」と磯田に詰め寄る。対し磯田は、「誰が手を汚したんですか?」とトボけ、2人の間にすきま風が吹き始める。

狩山は磯田に電話を入れ、「事故はあなたの指示ですよね?」と追及するが、磯田は白を切り続ける。そんな磯田に痺れを切らせた狩山は「12時間以内に事故の真相を明らかにし、謝罪すること」という条件を与える。

その条件に反した場合、何をするかは告げないままに…。磯田は単なるブラフだろうとタカをくくっていたが、結局は弁護士の秋澤(斎藤工)に解決を依頼する。解任されたとはいえ狩山の弁護士だった秋澤は即答できずにいた。

天海祐希
天海祐希【Getty Images】

玲子は狩山に「家が一番安全だから、帰ってきて」と伝えるが、家には既に多数の捜査員が待機していた。国立署の梶田(片山友希)は「ご主人を騙すことになりますが、大丈夫ですか?」と気遣うが、玲子は覚悟の上で警察に協力していた。

一方、謹慎が解けた黒木は、「捜査一課での仕事はこれで最後になる」と、上司に覚悟を伝え、再び狩山を追う。

玲子は狩山が帰宅した場合、1時間だけ2人の時間が欲しいと警察に頼み込む。そして、捜査員が突入態勢を整え、マンションを取り囲む中、狩山は帰宅。夫婦2人だけの束の間の時間が訪れる。

互いに体を気遣う言葉を掛け合う2人。狩山は久しぶりの我が家を見渡し、何一つ変わっていないことに心が少し安らぐ。

狩山の捕獲作戦が進む中、梶田は玲子が望むように、穏便な形で逮捕するよう願うが、陣頭指揮を執る白石(前川泰之)は、狩山を逃がせた汚名を挽回するため、大捕物を演出しようと考えていた。

狩山は玲子に龍神大橋は磯田によって破壊されたことと、その裏で強大な権力が動いていることを激白。玲子は「磯田と刺し違えなさいよ!」などと夫を焚きつけるような発言を連発する。

2人の会話は隠しマイクによって捜査員の耳にも届いており、一部始終を聞いていた。

狩山は引き出しにしまってあった離婚届をすぐ出すよう玲子に懇願するが。離婚届が書かれたのは平成30年で折れたところが破れていた。玲子はなぜ離婚届を書くことになったのか思い出すように言う。

その答えは、当時、マイホームの設計について玲子に質問された狩山が「小さい家の設計には興味ない」と話し、両者は険悪な雰囲気に。その勢いで玲子は離婚届を書いたのだった。

「今なら家の建築も奥が深いと思えるのに」とつぶやく狩山を、玲子は半ば強引に机に座らせ、設計図を書くように誘導させる。

その間、カメラの存在に気付く狩山。捜査員は一気に緊迫する。白石は、玲子が狩山に監禁されていると勝手に解釈し、突入準備を始める。

俳優の斎藤工
監督を務めた斎藤工【Getty Images】

その頃、南雲は秋澤と会話をしていた。そこで、磯田が狩山から脅されていることが明らかになる。南雲は事故の件について「桑原常務に頼まれ、若松に金を渡した」と認めた。秋澤は「これで狩山さんを救うことができるかもしれない」と、含み笑いとともに言い残す。

本宮は玲子に電話をかけるが、当然ながら電話に出られない。本宮は留守電に伝言を残した。

磯田は東京都知事の榛名(賀来千香子)に電話し、工事再開を帝和建設に任せるよう懇願する。帝和建設に任せることで、工事自体の安全性を担保できると説き伏せようとする磯田に対し、榛名は「私を脅すつもりですか!」と気色ばむが、磯田は狩山の人選ミスを認める。これに対し榛名は「狩山は最高の人材でした」と返す。

これはどういう意味なのだろうか。狩山は榛名に利用されていたのだろうか…。

捜査員は、玲子の合図を待つことなく、狩山家に突入する。しかし狩山も包囲されていることに気付いていた。それでも帰ってきたのは、「玲子に謝りたかったから」。最後には「結婚してくれてありがとう」と感謝の言葉を残す。

そして狩山は三たび、捕まることになる。「監禁罪」の現行犯という罪状を述べられ、玲子は「話が違う!」と白石ら警察に激怒するが、時すでに遅しだ。

次回の最終回では、舞台を法廷に移し、いよいよ狩山の潔白の証明と、事故の“真犯人”があぶり出されることになる。

木村拓哉
木村拓哉【Getty Images】

予告映像では、これまで崩落事故、そして狩山に関わってきた人物たちの表情を捉えた画面が映し出され、「やはり俺は、間違っていなかった」という狩山の言葉で締めくくられている。

やはり焦点は、誰が何のために龍神大橋を崩落させたのかという点だ。

まず筆頭に挙がるのは、終始、怪しい動きを見せているのは榛名都知事だが、これは“ミスリード”なのではないのかという疑念が残る。自らマニフェストに掲げたビッグプロジェクトを破壊に導く動機が薄いからだ。仮に動機があったとしても、あまりにもデメリットが大き過ぎる。

そうなれば次に疑いの目が向くのは、帝和建設内部の人物ということになるが、そもそも200万円もの小切手をポンと用意できるのは、社長の磯田か常務の桑原くらいだろう。

さらに、弁護士の秋澤も事故の秘密を知り過ぎているという意味では怪しい。その風見鶏のような行動によって、狩山はおろか、南雲からも信頼を失った彼だが、法廷の場でどちら側に付くかによって、彼の本性が明かされていくだろう。

加えて、しばらく姿を“消した”刑務官の林(上川隆也)が、事件にどう関わっているのかも興味深いところだ。単なる定年間近の刑務官でありながら、都知事の榛名とも繋がりがあるという点に、違和感を禁じ得ない。妻を失い、隣の住民にも犠牲者を出した放火事件との関連も、未だ解明されていないままだ。

そして、本作の“準主役”といえる活躍を見せた黒木が、なぜこの事故に執着したのかも解明されるだろう。

事件の真相に迫るという意味では、大きな進展のない第8話だったが、木村拓哉と天海祐希に2人芝居を存分に楽しませられ、非常に見応えのある回だった。

2人とも、テレビドラマや映画で十分に実績のある俳優であることには異論を挟みようもないが、共に押し出しの強い“攻めの演技”をするタイプとあって、2人の感情の発露が、見事に噛み合っていた印象だ。

次回はいよいよ最終回。これまで狩山が追い続けた真実が暴かれ、その先に待つ結末を見届けるのが、今から楽しみで仕方がない。

(文・寺島武志)

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