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汗専門家医が教える、ベタベタ汗とおさらばできる「汗トレ習慣」とは?【本格的な暑さの前に】

  • 2024.6.15
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暑くなってきましたね。みなさん、汗はどれくらいかいていますか?
汗疾患のスペシャリスト、藤本智子先生によると、「不快だからと汗をかかないと体に熱がこもり、熱中症を引き起こす原因になる」とのこと。そう、汗は悪者にあらず! よい汗をきちんとかくことが大事なんです。

ベタベタ汗をかかないためには「汗トレ」!

「汗をかくのは体温が上昇したとき。蒸発する際の気化熱で、体温を下げる機能があります」と藤本智子先生。

「不快だからと汗をかかないと体に熱がこもり、熱中症を引き起こす原因に。通常、汗の成分はほぼ水なのでサラサラしていますが、発汗機能がうまく作用せず急激に大量の汗をかくと、塩分や糖分を含んだ〈ベタベタ汗〉となることも。体に必要なミネラルが流れ出るため、だるさや吐きけ、けいれんといった脱水症状や夏バテの原因にもなってしまいます」

「まずは、日ごろからきちんと汗をかくこと。発汗機能の衰えを防止するためにも〈汗トレ〉習慣が大切です」。
そこで、今日からでもできる「汗トレ」を教えてもらいました!

今日から気軽にできる!5つの「汗トレ習慣」とは?

一日の中で少しでも汗をかこうという意識を持つ

「外は暑いし、汗をかくのもイヤ!」と室内にこもり、移動はもっぱら車。そんな生活をしていませんか? まずは、〈汗をかくこと〉=〈体に必要な機能〉と認識すべし。一日の中で、しっかり汗をかく時間をとって、発汗能力を落とさないように心がけましょう。
「汗をかくのを嫌い、極度に避けるのがいちばん問題。発汗機能の衰えに直結します。汗をかく目安は、下着が汗で湿るくらい。頑張って激しい運動をする必要はないので、少しでも汗をかこうと意識して」(藤本先生)。


できれば毎日、湯ぶねにつかる


暑いからといって、入浴をシャワーですませるのもNG。
「湯ぶねにつかれば受動的に発汗が促され、それだけで汗トレになります」(藤本先生)。
おすすめは、40℃くらいのお湯で全身浴すること。10 分ほどでうっすら汗ばみ、無理なく発汗できます。さらに自律神経のうち、心身を〈お休みモード〉に切り替える〈副交感神経〉が優位に。興奮や緊張がやわらいでリラックスした状態が、正常な発汗機能のサポートにつながります。入浴後はコップ1~2 杯の水を飲み、汗で失われた水分を補給して。


おうちヨガやスクワットをする

家の中でできる初心者向けのヨガや器具のいらないスクワットなど、気軽な〈おうちエクササイズ〉は、継続することが大切な汗トレに最適です。
「最近人気のヨガやストレッチ動画を見ながら、楽しく取り組めるのもポイント。発汗機能の向上とともに筋肉もつきますし、年齢を重ねた女性こそ、その効果は一石三鳥並み。運動後は着替えて、体を冷やさないよう気をつけて」(藤本先生)。


冷たいものはとりすぎない

冷やし中華にかき氷、キンキンに冷えたビール……夏場にまばゆい魅力を放つ、冷たい料理や飲み物。しかし、つねに冷たいものをとっていると内臓が冷え、逆に体内に熱をため込もうと、体が発汗を抑える傾向に。汗をかきづらくなり、本来持っている発汗機能、つまり体温調節機能が衰えてしまいます。冷たいものは熱中症の予防にもなりますが、合言葉は〈ほどほどに〉!
「同様に、ずっとエアコンのきいた涼しい部屋で過ごすことも避けましょう」(藤本先生)。


発汗作用のある食べ物&飲み物をとる


「しょうがや香辛料などの食材を積極的にとるのも、発汗を促す方法といえます」(藤本先生)。
体を温めるといわれる食材は、しょうがのほかに、にんにくや玄米、根菜類、みそや納豆などの発酵食品が。また、こしょうやチリペッパーなどの香辛料は、味覚神経を刺激することで発汗に作用する働きも。まだ体温が低い朝の時間帯にとれば、日中の活動時の発汗を効果的に引き出してくれます。
「しょうが紅茶やカレーなど、温かい状態でとるとよりいいでしょう」(藤本先生)


これらをコツコツ続ければ、「ベタベタ汗」が気になっていた人も「サラサラ汗」に変わるはず。本格的な暑い夏を迎える前に、ぜひ汗トレしてよい汗をかきましょう!


教えてくれたのは……

藤本智子先生

大学病院や都立病院で発汗診療の中心的な役割を担い、2017年「池袋西口ふくろう皮膚科クリニック」を開院。長年、汗のための専門外来に力を入れている汗疾患のスペシャリスト。〈日本発汗学会〉理事。


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