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岡田将生さん、自分の気持ちを見失いがちだった20代を経て「もっと言葉を知りたい」

  • 2024.6.15
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Prime Videoで配信中のドラマ『1122 いいふうふ』で、高畑充希さんとのダブル主演を務める岡田将生さん。映画やドラマと話題作への出演が続き、活躍の幅をさらに広げています。30代半ばにさしかかった心境、これからへの思いを伺いました。

苦手な人付き合いも「チームのために」

――8月で35歳になられます。30代に入ってから何か心境に変化はありましたか?

岡田将生さん(以下、岡田): 新人とは言えない年齢になって、作品に対する責任感は増しています。最大のパフォーマンスが発揮できるようにと、以前に比べて準備を入念に行うようになりました。

20代はとにかく突っ走ることができる年齢。今思えば、当時は自分のことばかり考えていましたね。ひとりでは作品をつくれないということは、頭ではわかっていたつもりだったけど……。周りの人との良い人間関係づくりが、チーム力を生んで、良い作品につながっていくんだと、30代に入ってようやく理解したというか。「チームのために自分はどうするか」という視点がないといけないなと、最近よく考えます。

朝日新聞telling,(テリング)

――人とのコミュニケーションや関係づくりにも力を注ぐようになったと。

岡田: そうですね。年下の方たちと仕事をする機会も増えたので、僕が先輩方にしてもらっていたように、一緒にご飯を食べにいくとか、仕事の話を聞くとか。できる範囲で、ですけどね。

本心を言うと、人付き合いにはめちゃくちゃ苦手意識があります。大人数の集まりも得意じゃない。できれば初対面の人と話すのは避けたいくらい(笑)。それでもこの年齢や立場になって「人見知りです」とばかり言ってはいられないな、と。

ゆとりをつくって語学に挑戦したいけれど……

――30代後半に向けて、やってみたいことはありますか?

岡田: 海外の作品に参加したいと思っています。ただ役を演じるにも言葉の壁があるので、いつか越えたいと思いつつ……日々の仕事に追われていると、なかなかそれだけに専念するのは難しくて。

――「次はこれに挑戦したい」と思っても、今ある仕事やプライベートの忙しさに追われてしまって、なかなか手が回らないことはよくありますよね。

岡田: 目の前のことで、つい頭がいっぱいになってしまうんですよね。でも、だからといって自分のキャパを超えてまで、無理をして新しいことに手を出すのは良くないな、とも思う。今やるべきことを、一つずつこなしていくのも大事なこと。自分を追い詰めるのではなく、自分にゆとりをつくってから、次への一歩を踏み出さないとなと思っています。

朝日新聞telling,(テリング)

自分の気持ちに迷ったら、大切な人に会いにいく

――仕事にプライベートにと、変化が激しく悩みも多い年代ですが、同世代に向けて何かエールをいただけないでしょうか。

岡田: 何があっても自分を見失わないように。まず自分自身の心と会話しましょう……って、僕自身に言っていることでもあるんですが。同世代の人は、役職についたりして、仕事も責任も増えるタイミング。結婚や出産などプライベートで変化がある人もいるかもしれないし、すごく大変な時期だと思います。だからこそ、自分がどうしたいかを見失わないことが大事ですよね。

なんて偉そうに言っていますけど、僕はしょっちゅう自分を見失います(笑)。特に20代のときはプレッシャーも大きかったし、ひとりの時間が少ないことで、どんどん自分がどうしたいかがわからなくなっていった。その結果、人に失礼な態度を取ったこともありました。自分を大事にしていないと、人のことも大事にできなくなっていくんですよね。そのとき辛かったからこそ、今は自分の気持ちを丁寧に見つめていたいと思う。自分を大事にして、人も大事にしたい。

――自分の気持ちがわからなくなったとき、何かしていることはありますか?

岡田: 僕は、自分にとって大切な人たちに会いにいくようにしています。だいたい友達や家族ですね。そして、その人たちに向かって、自分の気持ちを話してみるんです。

捉えどころがないような気持ちでも、言葉にしないと自分もわからないし、誰にも伝わらない。「僕はこう思っている」「こういうことがあったから、今、僕は悲しいんだ」。そうやって気持ちを言語化するのは難しいけれど、頑張って言葉にしてみる。躊躇(ちゅうちょ)なく気持ちを伝えられる相手に話してみることで、自分の気持ちが明確になっていくんです。

朝日新聞telling,(テリング)

自分を知るのは難しいですよね。だから、これからもっと小説を読もうと思っているんですよ。僕には、もっと「言葉」が必要だと思うので。

――「自分の気持ちをストレートに伝えても大丈夫だ」と思えるような人は、自分を見失わないためにも大切な存在ですね。

岡田: 本当にそうです。だから……僕は今から悩みを打ち明けるんですけど(笑)、この年齢になると家庭を持っている友達も多くて、なかなか独身時代のようには自由に会えなくなってきていて。それが……寂しくて(笑)。これも30代半ばの“あるある”かな。

■塚田智恵美のプロフィール
ライター・編集者。1988年、神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業後ベネッセコーポレーションに入社し、編集者として勤務。2016年フリーランスに。雑誌やWEB、書籍で取材・執筆を手がける他に、子ども向けの教育コンテンツ企画・編集も行う。文京区在住。お酒と料理が好き。

■慎 芝賢のプロフィール
2007年来日。芸術学部写真学科卒業後、出版社カメラマンとして勤務。2014年からフリーランス。

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