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みかんを食べ過ぎるとどうなる?1日に何個までセーフなのか[薬剤師監修]

  • 2024.6.14
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ビタミンCや食物繊維など、栄養が豊富なみかん。老若男女に愛されるおいしい果物ですが、一方で「みかんの食べすぎは体に悪い」という声もよく聞きます。

もちろん、どんな食べ物も食べ過ぎると健康に悪いのはそうですが、具体的にはどんなデメリットがあるのでしょうか。

本記事では、みかんの食べすぎによる影響をメインに、みかんに期待できる効果、食べ方のコツまで解説します。

みかんに含まれている栄養素とは

みかんには、豊富な栄養素が含まれています。おもな成分は上記のとおりです。それでは、詳しく見ていきましょう。

ビタミンC

みかんに含まれる代表的なビタミンで、疲労回復や美肌効果が期待できます。

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β-クリプトキサンチン

カロテノイドの一種成分で、みかんの黄色い色素のもとになっています。骨粗しょう症の予防効果や美肌効果が期待できます。

GABA(ギャバ)

γ-アミノ酪酸と呼ばれるアミノ酸の仲間で、ストレスを緩和する効果が見込めます。

ヘスペリジン

みかんの袋部分や白い筋に含まれていて、みかんの果実を紫外線から守る役割があります。抗酸化作用や血流改善の効果が期待できる成分です。

ペクチン

ヘスペリジン同様に袋部分に多く含まれ、コレステロール値の上昇を防ぎます。

クエン酸

みかんの酸味のもとになっている成分で、糖を分解しエネルギーに変換します。

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リモネン

みかんの香りのもとになる成分です。リラックス効果や、血行を促進する効果が期待できます。

みかんの食べ過ぎによる4つのデメリット

栄養が豊富なみかんですが、食べすぎることによる思わぬデメリットも。おもに4つありますので、それぞれを見ていきましょう。

柑皮症(かんぴしょう)になることがある

柑皮症とは

柑皮症は、みかんなどの柑橘類を過剰摂取した際に、皮膚が黄色くなる症状です。柑橘類に含まれるカロテンの色素が体内の脂肪に溶け、蓄積することで症状が起こります。みかんに含まれるβ-クリプトキサンチンは、カロテンの一種のため、食べ過ぎると柑皮症になってしまうのです。

手のひらだけでなく、足の裏や、全身の皮膚の色が黄色っぽくなる場合もあります。とくに健康に害はなく、柑橘類を控えることで改善します。

カロリーが高くなり、太る可能性がある

みかんに含まれるカロリーは1個あたり45kcalほどで低カロリーです。しかし、1個あたりのカロリーは低くても、簡単にむいて食べられる手軽さから、ついつい食べすぎてしまうことが考えられます。

食べる量が増えれば、その分摂取カロリーも高くなります。食べ過ぎた結果太ってしまうこともあるため、1日の摂取量を意識しながら食べましょう。

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食物繊維の摂りすぎで、腹痛や下痢になる恐れがある

みかんに含まれるペクチンという食物繊維には、便通を良くする効果がありますが、摂取しすぎることでおなかが緩くなり、腹痛や下痢を起こす場合があります。健康な方が1日に2~3個食べる程度なら、問題ありません。

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血糖値が上がる可能性がある

みかんに含まれるβ-クリプトキサンチンは、血糖値を下げるインスリンの効果を、高めるはたらきがあります。しかし、果物には多くの果糖も含まれているため、過剰に摂取すると、かえって血糖値の上昇を招いてしまう場合があります。

みかんは1日に何個まで?

大人は2個まで

厚生労働省と農林水産省による「食事バランスガイド」では、「果物の1日あたりの目安摂取量は200g」と提唱されています。みかんでいうと、1日あたり2個が適切な摂取量です(※1)。

1~2歳の子どもは1個まで

1~2歳の子どもの場合は、その半分の1個がいいでしょう。3歳以降はとくに大人と変わりなく、1日あたり2個が目安摂取量です(※2)(※3)。

また、みかんは糖質制限中に食べても問題ありません。ただし、その場合は糖分の摂り過ぎにならないよう、1日1個までにしておきましょう。

みかんを食べると、どんな効果がある?

ここからは、みかんに期待できる4つの効果について見ていきましょう。

健康的な肌作りをサポートする

みかんに多く含まれているビタミンCは、紫外線によって発生するメラニンを抑制する働きのほかに、肌のコラーゲン生成に関わっています。

そのため、抗酸化作用によりシミ・くすみの予防など、さまざまな美肌効果が期待できます。

また、β-クリプトキサンチンは、ヒアルロン酸を合成する酵素のはたらきを活性化させる成分です。

肌の保湿や、保水に関わるヒアルロン酸の量を増やすことも期待でき、肌のハリの維持や、シワの防止なども期待できます。

免疫機能をサポートする

みかんに含まれるβ-クリプトキサンチンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。ビタミンAは、のどや鼻の粘膜の免疫を強くするため、免疫機能の向上が期待できます。

また、β-クリプトキサンチンやビタミンCは、活性酸素のはたらきを抑えたり、除去したりする抗酸化作用も期待できる成分です。

体内の活性酸素が増えると、免疫機能の低下や細胞の老化の原因になります。

抗酸化作用によって活性酸素を除去することで、皮膚や粘膜の免疫機能を正常に保ち、免疫機能のアップにつながります。

生活習慣病の予防につながる

みかんに含まれるβ-クリプトキサンチンには、2型糖尿病や脂質異常症などの、生活習慣病の予防効果が期待できる(※4)とともに、動脈硬化リスクを下げ、動脈硬化予防に有効である可能性も指摘されています。

また、みかんの袋部分などに多く含まれるヘスペリジンも、血管の柔軟性をアップさせ、動脈硬化予防が期待できる成分です。血管の健康を維持するには、コラーゲンが欠かせません。

ヘスペリジンは、コラーゲン生成に関わるビタミンCのはたらきを補強するため、摂取するとコラーゲンの生成促進につながります。

ダイエット効果が見込める

みかんに含まれる果糖は、穀類などに含まれるブドウ糖と比べて血糖値を上げにくく、腸での吸収が遅いという特徴があります。

エネルギー変換もされやすいので、お菓子やスイーツなどを我慢する代わりに、みかんを食べるダイエットもおすすめです。

ただし、先述した通り食べ過ると、肥満や血糖値の上昇の原因となるため注意が必要です。

みかんの効果をもっと引き出す食べ方がある!

みかんの効果を高める食べ方を、3つご紹介します。

薄皮や白い筋を取らずに食べる

みかんの果肉が入っている薄皮や周囲の白い筋には、食物繊維のペクチンや、ポリフェノールの一種であるヘスペリジンが豊富に含まれています。

ペクチンは水溶性の食物繊維で、糖分の吸収を抑える働きを持つ成分です。血糖値の上昇やコレステロール値を下げる効果もあり、糖尿病や高血圧の予防にもつながります。

腸内環境を整え、便秘や下痢を解消する効果も期待できます。

食感が気になる方も多いかもしれませんが、みかんの栄養をより多く摂取したい場合は、できるだけ薄皮や白い筋はとらずに、そのまま一緒に食しましょう。

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食前に食べる

みかんには食物繊維が多く含まれていますが、食物繊維には、保水性という水分を吸収し膨張する特徴があります。

食事の前にみかんを食べることで、満腹感を得られ、食べすぎを予防できます。

また、血糖値の急上昇も抑えてくれるので、食前のみかんは血糖値が気になる方にもおすすめです。

加工品ではなく生のものを食べる

ゼリーや缶詰などの加工品は、みかん以外にもシロップなど、多くの糖分などが添加されています。そのため、同じ量のみかんを食べたとしても、生のものよりも摂取カロリーが高くなってしまいます。

ダイエットや糖質制限中であれば、糖分の摂り過ぎになる可能性があるため注意が必要です。

また、薄皮がとられた果肉のみを使用していることが多いので、栄養価も生のみかんに比べると落ちています。

みかんの栄養価をそのまま得たいなら、加工品ではなく、生のみかんを選びましょう。

みかんは適量を食べれば、メリットがたくさん!

食べやすく、栄養価も高いみかん。食べすぎには注意する必要がありますが、適切な摂取量であれば美肌効果、免疫機能アップ、生活習慣病予防など、むしろメリットのほうが多いといえます。

おいしくみかんを食べて、毎日を元気に過ごしましょう。

監修・執筆者プロフィール

あんしん漢方薬剤師 山形 ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。

「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-Youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

<参考>
※1 農林水産省「果物と健康 六訂版」
※2 鳴門市「子どもの目安量(果物)」
※3 公益財団法人母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ|インターネット相談室 Q&A」
※4 保健指導リソースガイド「温州ミカンが生活習慣病を改善 果物のカロテノイドが老化を防ぐ」

<Edit:編集部>

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