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損得勘定と保身でウソにまみれていたあの頃、自信を失い病んでいた

  • 2024.6.14
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高校生の時、小さいウソをたくさんついていた。

例えば、

「今日の授業、意味分かった?」と聞かれて、
「え、全然分からなかったー」

本当は結構分かってたのに。

「今回のテスト、解けた?」と聞かれれば、
「無理だったー絶対平均より下だわ」

平均より上どころか満点の自信さえあったのに。

なぜこんなことをしていたかというと、勉強を教えてと頼まれて、都合良く使われたくなかったから。あるいは出来た、分かったと言うことが相手にとって自慢に聞こえると思っていたから。せっかく一緒にいる友達を失いたくなかったから。

◎ ◎

損得を考えたような言動をしている自分は嫌いだった。性格悪いなあ、といつも思っていた。でも、そうでもしないと自分が壊れてしまいそうだった。

高校時代の私は、他人のために費やす時間も、友人関係に悩む暇もないほどにぎりぎりで生きていたから。これ以上自分を苦しめないように、小さいウソを積み重ねて自分を必死で守っていた。

加えて、こんなウソをついているのは私だけではないことは明白だった。

しっかり勉強したという事実が見え見えのノートを閉じながら、全然勉強してないと言う子。私と同じかそれ以上の学力を持っていながら、すごいね!と私をべた褒めする子。

あの頃は誰も信じられなかったし、誰も私を信じてくれていなかったと思う。ウソにまみれて、私達は会話していた。

そうして分からない、出来ないと言い続けていると、本当に自分が分かっていない、出来ていないと思うようになっていた。自分に自信が無くなり、受験が迫ってくると余計に不安が募った。○○ちゃんは大丈夫でしょ!と言う友達や教師の言葉にいらつくこともあり、かなりの頻度で病んでいた。

いつの間にか、自分の心にまでウソをつくようになってしまっていたのだ。

◎ ◎

何とか志望校に合格し、大学生になって、新しいクラスメートと話した私は衝撃を受けた。誰もウソをついていなかったからだ。

授業の感想を聞くと、意外と分かりやすかったね!面白かった!と笑顔で言う。昨日何をしたのか聞くと、課題してた!という返答が当たり前に返ってくる。教授のもとを訪ねて分からなかったところを質問したと言う子もいて、さらにその内容まで教えてくれる。私はといえば、高校時代の癖で危うく事実と反対のことを言うところだったのに。

自分が苦労して得た情報を、こんなにもあっさり共有する子がいるなんてと、ただただ驚いた。

正直で優しくて面白いこの子達は、こんな私とこれから仲良くしてくれるんだろうか。そんな不安がしばらく消えなかった。もうウソなんてつかなくてもいい。そう分かっていても、なかなか難しい。
最近になって、少しずつ本心を言えるようになってきた。少し親切なことをできるようになってきた。そうしたら、毎日がとても楽しくなった。本音で言い合えるって最高。
もう、自分のことを過小評価することもないだろうし、無駄に自信を無くすこともないだろう。もし不安になっても、友達に助けを求められる。もう、自分の心にウソはつかない。

■ルーセントのプロフィール
理系の大学生。幼い頃から生き物と本が大好き。中高で味わえなかった青春を大学で取り戻そうと奮闘中。

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