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甘くておいしいドイツ旅。季節や地域によって異なるスイーツを堪能しよう♪

  • 2024.6.14
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こんにちは、トラベルライターのYuです。

突然ですが、みなさんは「ドイツのケーキ」といったら、どんなケーキを思い浮かべますか?隣国のフランス菓子に比べたら、まだまだ知名度のあるケーキは少ないのではないかなとは思います。

しかし、ドイツには"超"がつくほどケーキ大国という一面が。

今回は“ケーキ文化を通して旅するドイツ”にテーマをしぼって、地域や季節ごとに愛されているケーキや文化を紹介していきます。旅先でカフェに行ったり、スイーツを食べたりすることが大好き!という方、必見ですよ。

コーヒーとケーキ(Kaffee und Kuchen)はドイツの伝統

photo by Yu Villegas

日本では「3時のおやつ」、イギリスでは「アフタヌーンティー」……と、各国ごとに午後にお菓子を食べる習慣がありますよね。ドイツではその文化を「コーヒーとケーキ(Kaffee und Kuchen)」と呼びます。

日曜日の午後、多くのドイツ人は家族や友人たちと集まって、手作りケーキとコーヒーを自宅でのんびりと楽しむ習慣があります。この時間を「コーヒーとケーキ(Kaffee und Kuchen)」と呼んでいるのですが、もはやこれは習慣というより“伝統”だというほど、長い間ドイツでは親しまれてきたのだそう。

日曜日だけでなく毎日この習慣を持っているドイツ人も本当に多く、午後はどこのカフェも満員御礼。

毎日ケーキを焼くというドイツ人家庭も驚くほど多いです。(うらやましい!)

photo by Yu Villegas

この伝統が生まれたのは、17世紀。ドイツにコーヒーが初めて伝来した頃にまでさかのぼります。

当時は貴族階級だけの習慣でしたが、19世紀にもなると一般庶民の間にもこの習慣が根付き、そのまま現代にまでいたっているのだそう。

ドイツ人は「甘いものとおしゃべり」が大好き♪

photo by Shutterstock

ドイツでは「甘いものは女性が好きなもの」といったイメージが全くなく、女性だけでなく若い男性からおじいちゃんまで、みんなケーキが大好き。

週末には自宅で自家製ケーキを焼くというドイツ人男性もとても多く、それぞれに自慢のレシピがあるほど。

娘のお友達家族と自宅で集まるときには、今のところ100%の確率でパパさんたちがケーキを焼いてきてくれ、ママ達は「ケーキ作りは夫の担当」と言って、のんびりとケーキに舌鼓を打っています。

photo by Yu Villegas

そんな「コーヒーとケーキ」タイムのお供が、コーヒーゴシップ(Kaffeeklatsch)。

これは19世紀の女性たちが、コーヒー片手に集いゴシップ(噂話)に花を咲かせるさまを表した造語なのですが、今でも現役でつかわれている言葉なんです。

現在ではゴシップというより「コーヒーを飲みながら、楽しくおしゃべりする」という意味合いでつかわれることが多いそう。

今も昔も、コーヒーとケーキとおしゃべりは切っても切れない関係なんだと思うと、面白いですね。

美味しいケーキは、街のコンディトライで

photo by Yu Villegas

ドイツで美味しいケーキを食べるには、街のコンディトライ(Konditorei)へ行きましょう♪

コンディトライとは、ドイツ語でケーキ屋さんのこと。たいていの場合パン屋さん(Bäckerei)と統合されていることが多く、ショーケースには甘いパン菓子から様々な種類のケーキが色とりどりに並んでいます。

カフェやレストランでもケーキは食べられますが、数種類しかないことも。せっかくならたくさんの種類があり、できたてが食べられるコンディトライがおすすめです。

photo by Yu Villegas

注文の仕方も地域差があります。大きな都市ではまずショーケースでケーキを注文。すると番号が書かれたチケットが渡されるので、チケットを持って席へ。その後ドリンクの注文を取りに来た店の方にチケットを渡すという流れが一般的です。

一方、小さな街では席で直接ケーキとドリンクを注文することがほとんど。ドイツ旅行へ行く際には以上を頭の片隅に入れておくと、注文時に戸惑うことがなくていいかもしれません。

バウムクーヘンはドイツの定番ケーキではない!?

photo by Shutterstock

さて「ドイツのケーキ」と聞いて多くの方が思い浮かべるのは、バウムクーヘンなのではないでしょうか?

木の年輪に似たユニークなフォルムと、やさしい味わいが日本でも昔から人気を集めていますよね。

しかし、じつはドイツではバウムクーヘンは定番ケーキではなく、なかなかお目にかかることがない希少品なんです。

photo by Shutterstock

というのも、ドイツ式のバウムクーヘンを焼くためには専用のオーブンをはじめ、高度な職人技が必要。

さらにドイツ菓子協会によって定義された原材料・製法をクリアする必要もあるため、なかなか一般的なケーキ屋さんでは取り扱いが難しいという実情があるのです。

そのため「本場」と思われているわりに、エリアによっては全く見かけることがなく、バウムクーヘンを食べたことがないというドイツ人も多くいるほどなんですよ。

photo by Shutterstock

といってもバウムクーヘンの起源は15世紀で歴史は長く「ケーキの王様」とも称されるほどの存在。とくに旧東ドイツの街・ザルツヴェーデル(Salzwedel)は、バウムクーヘン発祥地ともいわれ、あちこちのお店でバウムクーヘンが売られているそう。

私もまだ行ったことはないのですが、昔ながらの直火焼の絶品バウムクーヘンをいつか食べてみたいなぁと夢みています。

地域ごとの名物ケーキも必見!

ドイツには地域ごとの名物ケーキが存在し、そこでしか食べられない味もたくさん。ドイツ旅行の際には、その土地ならではのケーキを探してみるのも楽しそうですね♪

それでは、地域色が強い代表的なケーキ2種をご紹介します。

黒い森のさくらんぼケーキ(Schwarzwälder Kirschtorte)

photo by Yu Villegas

こちらは、ドイツ南西部の黒い森地方が発祥とされる「黒い森のさくらんぼケーキ(Schwarzwälder Kirschtorte)」。

濃厚でしっとりとしたチョコレートスポンジに、この地方名産のさくらんぼ酒、さくらんぼ、生クリームを重ねた、ドイツで有名なケーキのひとつです。

ドイツ全土で見かけるケーキですが、やはり本場の味は別格。ぜひこの地方を訪れた際には試してみてほしい逸品です。

ベルリーナー(Berliner Pfannkuchen)

photo by Yu Villegas

ベルリン発祥の、「ベルリーナー・プファンクーヘン(Berliner Pfannkuchen)」は、ジャムの詰まった揚げ菓子。略して「ベルリーナー」と呼ばれることが多いです。

年間を通じてみかけますが、とくに2月のカーニバルシーズンによく食べられているお菓子。この時期になると、カラフルなトッピングや中身がチョコやバニラクリームの変化球バージョンが出てくるので、食べ比べるのも楽しいですよ。

バラエティー豊かな地域ごとのケーキも♪

photo by Yu Villegas

日本と同様、四季のあるドイツ。季節ごとの旬の食材が多く、もちろんケーキにも"旬の味"があります。ケーキ屋さんのショーケースを眺めるだけで季節の移り変わりを感じられるほどなんですよ。

以下は代表的な季節感あふれるドイツのケーキです。このほかにも、旬のフルーツを使ったケーキや季節イベントごとのケーキなどたくさん。旅行の道中ではケーキの味から季節を楽しんでみるのも良いですね。

ルバーブのケーキ(Rhabarberkuchen)

photo by Yu Villegas

日本ではあまり馴染みのない野菜「ルバーブ」を使った春の風物詩的なケーキ。

4~6月が旬で、この期間ケーキ屋さんではルバーブを使ったケーキがずらり!春の訪れを感じさせてくれる存在です。

ルバーブは、生のままだと酸味が強すぎるのでジャムやお菓子作りに使われることがほとんど。火を通すことでまろやかな食感になり、砂糖の甘味と酸味とのバランスが絶妙になります。

シュトーレン

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ドイツの代表的なクリスマスのお菓子「シュトーレン」。日本でも人気があり、新たなクリスマスの定番お菓子になりつつあると聞きます。

中世からの長い歴史があり、たっぷりのドライフルーツやナッツ、スパイスが使われていて、日にちがたつにつれて味がなじんでいく日持ちのするお菓子です。

クリスマスまでの4週間の間、薄くスライスして少しずつ食べるのが本場の伝統的な食べ方。

また、シュトーレン発祥地と言われるドレスデンでは、毎年12月に「シュトーレン祭り」も開催されます。4トンもの巨大シュトーレンが街を練り歩くさまは、一見の価値ありですよ!

ケーキを通して、ドイツを知ろう!

見た目も味も、素朴なドイツのケーキですが、はるか昔からドイツ人の生活に欠かせない大切な存在。

そんな日常生活の一部であるドイツのケーキから、季節感や伝統、文化や習慣などを感じてみるのはいかがでしょうか。

ドイツに訪れた際には、地域の個性あふれるケーキにもぜひトライしてみてくださいね♪

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