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【どちらが売れる?】6カット VS 8カット→結果に「面白いなー!」「あたしも」

  • 2024.7.4
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出典:パティスリーミムラ(@pat_mimura)さん

なめかで甘いクリームとフレッシュなイチゴの酸味、そしてふわふわのスポンジのハーモニーがたまらないショートケーキ。ちょっといいことがあったときや、お祝いのときにウキウキしながら買って帰るという方も多いのではないでしょうか。

ケーキ店のパティスリーミムラ(@pat_mimura)さんで、「6カット470円のケーキと、8カット380円のケーキならどちらがお客さんから人気があるのか」という実験をしたところ、驚きの結果になったのだそう。

その様子をX(旧Twitter)に投稿すると、4.5万いいねが集まり(2024/07/03時点)、「おもしろい実験…!」と話題になっています。

果たして、少し大きめの6カット470円のケーキと、少し小さめの8カット380円のケーキ、どちらが人気だったのでしょうか?

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出典:パティスリーミムラ(@pat_mimura)さん

ご時世がら、小さめにして価格も抑えめの8カットのほうが売れると考えていたミムラさんの予想に反して、結果は、大きめの6カットが圧勝だったそう

それだけではなく、ショートケーキの売れゆきが2倍以上に伸びたそうなのです。さらに、8カットが完売するとその日は6カットが売れなくなったのだとか。

「どちらが人気か実験中!」として、お客さんの思考を「買おうか買うまいか」から「どちらを買うか」に自然と誘導できていたのかもしれませんね。

ミムラさんは、投稿への反応をご覧になって「まだまだお菓子屋さんも頑張る余地あるなって思いました。業界全体が厳しい時期といわれてますがこんなにお菓子好きな人がいるって嬉しい」とコメント。

暑い時期はケーキの売れゆきが芳しくなくなってしまうといいますが、アプローチの方法はたくさんありそうですね。

「正直驚きしかありません」

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出典:パティスリーミムラ(@pat_mimura)さん

こちらの実験について、パティスリーミムラの三村彰さんに詳しくお伺いしました。

---「8カットにしたほうが喜ばれるのでは?」という発想からスタートしたこちらの実験ですが、6カットが圧勝という結果を受けて、どのような感想を持たれましたか?

「物価高のニュースを見かけるようになって、当店でも470円のケーキより比較的安価な180円のプリンやシュークリームのご注文が多くなりました。

いつもケーキをお買い上げいただくお客様から直接『今はケーキ買えなくてごめんね。今日はシュークリームにしとくわ』というお声をいただいたこともありました。そういったことから『お客様も、もう少し安価でお菓子を食べたいのではないか?』と思うようになりました。

そこでテストとして5月の定休日を1日利用して、300以下で買えるようなおやつ菓子(エクレア、オムレットやシフォンなどシンプルで比較的安価なお菓子)だけを販売する日を作り、SNSで告知し実行したところ、たくさんのご来店とお喜びのお声をいただきました。

なので今回も、安価な8カットはきっと喜ばれてたくさん売れると思っておりましたので、6カットのほうが多く、さらには今までよりたくさん売れることには正直驚きしかありません」

---それはどういった理由だと思われますか?

「やはり8カットと並べると大きく見えるから購買意欲につながるのかと思いました」

---お客様からの声や、X(旧Twitter)での反応で、印象的なものなどありましたら、教えてください。

『ケーキは特別な日のものだから高くても良い』とのお声をたくさんいただきました。僕のなかで『特別な日はデコレーション』『カットケーキは日常』というイメージがあったので、考え方の違いに気づくいいきっかけになりました」

---それこそ物価高などの影響で、ハレの日もホールケーキではなくカットケーキでお祝いするという方も増えているのかもしれませんね。

「また、『ホール換算したら値段が違う』などのお声を引用リポストでたくさんいただきました。売り手としては体積だけでなく飾りのイチゴ、フィルム、銀紙などのコスト、1つ仕上げる際の時間、販売する人件費などが乗ってくるので、380円が『売りたい値段』だと思い値段設定させていただきました。ご理解いただければ幸いです」

---単純に考えて、プラス2カット分の上に乗せるイチゴやケーキを巻くフィルム、銀紙等々のコストが上乗せされるので、当然ですよね。単純な割り算で比較できるものではありませんね。

「せっかくなら大きいほうを!」「おもしろい実験」

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出典:パティスリーミムラ(@pat_mimura)さん

こちらの投稿にはさまざまなコメントが寄せられていました。

やっぱりみんなたっぷりなケーキで満足したいんだよ
ケーキは毎日食べないので…せっかく食べるなら大きい方にしちゃお!
と、あたしも6カット買っちゃうと思います笑

おもしろい実験!

おもしろいなー!
たしかにこの2サイズなら見た目のインパクトや買って帰ったときにどっちが喜ばれるか考えたら、大きい方買うなぁ。
あと複数個買おうってときに、数十円の値段の違いを気にすることがないからなー。
8カットを選ぶのは、1人で2個食べたいときかお腹いっぱいのときかな。
比較ができると6カットのほうを選びたくなるかな。
片方のサイズだけだとサイズ関係なくて食べたいかどうかだけで選ぶけど、サイズ違いがあるなら用途(来客や土産等で出す)や値段で大きい方選ぶ。見栄?
個人的によく行くケーキ屋さんの自分用なら、8カットを2つ買う。苺とくまさん増えるからね。
面白い。
『お得に感じるから』はもちろんなんだけど
たぶん『選択肢が存在する事』や『大きい方を選ぶ高揚感』が効いてる
実は”選べる事”は人間の購買意欲に大きく関わってる
2択のうち1択が売り切れると「お得なヤツはもうないのか……」って購買意欲がなくなっちゃうのかな
最後の1個だけを補充し続けたらめっちゃ売れそう。

私もこういう施策したことあります

この実験おもしろい!!!
わたしも対面販売でアロマキャンドルの香りを9種類から3種類に減らしたら、それだけで売上が爆上がりしたことがあります
お客様に迷わせすぎない、買うか買わないかの次のステップに導く、というのが大切ですね!
あー、コレは広報資料作成でよくやったなぁ
買うか・買わないかの選択をさせると財布の紐が硬くなり
AかBか(僕は酒屋だったから1.8Lか720mlか)の選択を誌面内でさせると注文が増える
コレが他の品とのAtoB比較だとダメな上、やたらと選択肢を増やし過ぎると更にその店自体で買わなくなる

こちらの実験は、多くの方の興味をひいたようです。また、同じような方法で売上を伸ばしたという声も。また、自分で食べるなら小さいほうを2つ買うかもという方もいました。

それにしても、とてもおいしそうなケーキですね。興味深いとともに、つい今すぐケーキ店に走っていきたくなる実験でした。



取材協力:パティスリーミムラ(@pat_mimura)さん