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「舘さんが「タカ」であるなら僕は全力で「ユージ」であり続けたい」 タカ&ユージが、初夏に待望の復活! 【柴田恭兵さん × 舘ひろしさん× 土屋太鳳さん】

  • 2024.6.13

愛すべき人々との時間を丁寧に積み重ねた先に、伝説が生まれる―。
日本のエンタメ史に残る名コンビ、『あぶない刑事』のタカ&ユージが、初夏に待望の復活!
レジェンド俳優と若い才能の世代を超えたタッグで、名作に新たな生命を吹き込んだ日々。
それは、物語以上に刺激的な時間だったようです。

ものを作る心をつなぐ

舘ひろしさん(以下、舘)新作映画を、と聞いたときは、驚きましたよ。8年前の『さらば あぶない刑事』で終わったと思っていたので。でも、もう1回〝恭サマ〟(舘さんがつけた柴田恭兵さんの愛称)とやれるのは、うれしいなと思って。

柴田恭兵さん(以下、柴田)僕も、もういいんじゃない?と思っていたけど、「今回は娘が登場しますよ」と聞いて……しかも、こんな素敵な娘だったのでね。

土屋太鳳さん(以下、土屋)ありがとうございます。何としても!と熱望して参加させていただいたんですが、レジェンドすぎるおふたりを前に、撮影前はビクビク、ドキドキで。でも、入ってみたら想像以上に……(うっとりと)もう、最高でした!

—かつての自分のためにも「若さ」は全力でリスペクトしたい

柴田 太鳳さん演じる彩夏がまた、素晴らしいんですよ。ハーレーに乗っていると本当にタカ(鷹山敏樹)の娘のように見えるし、キレのいい動きをする場面では、ユージ(大下勇次)の娘かもしれないなと思えるし。

土屋 ユージと一緒に走るシーンでは、柴田さんがどのくらいのスピードで走られるのか、様子を窺っていたんです。でも、テストで走り始めたらものすごく速い!終わった後、恭兵さんが「遅いと思ったでしょ」って笑っていたのがまた、格好良くて。

僕たちのこと、舐めてたでしょ(笑)。

土屋 そんな!(焦)私はおふたりより40くらい年下ですが、自分が40年後、こんなに動けるだろうか?って。そして、おふたりがいかにスタッフの皆さんに愛されているかを、日々、実感していました。

柴田 長年続けてきたシリーズだけど、今回のスタッフは全員が初めての若い人たち。だから、まずは自分たちのことを素直に見てもらおうと思ったんです。舘さんと僕、タカとユージはこんなお芝居をします、渋いですよ、ちょっとセクシーでとってもダンディーですよ、と……。それを若いスタッフが汲み取って、さらに格好良く見せようとしてくれたのが、うれしかったですね。

僕と恭サマの場面は、ほとんどアドリブのようなものなんだよね。恭サマが「舘さん、こう言ってください。そうしたら僕がこう言いますから」という感じで。

柴田 台本で、ここをちょっと膨らませると面白いかなと思ったところを、舘さんに付き合ってもらって……。何しろ、タカは舘さんそのものだから、何をしても全然OK。そして僕も、とにかくユージであり続けることが大事だと思っていました。

土屋 おふたりを拝見していて、俳優がアイデアを出すことはとても大切なんだなと、あらためて学ばせていただきました。何より、スタッフの方々と、お互いに尊重し合いながら形にしていく姿が、本当に素晴らしくて。もの作り以前に、おふたりは「心作り」がお上手。関わるすべての人の心を育ててくださっていたから、私も含めて全員が全力で頑張れたんだと思います。

若いって、素晴らしいことだよね。僕は昔、年上の人たちから「今の若いヤツは」と言われるのが嫌だったから、基本的には若者をリスペクトするようにしています。

—僕自身も不安定。だから、ありのままでいいんです

土屋 そういえば、撮影中、あるお店で大きな花瓶とヤジロベエを見つけた舘さんから「どっちが目立つ?」って訊かれたことがあったんです。私が「大きいから、花瓶ですかね」と言ったら、舘さんがヤジロベエを揺らして、「揺れているものは目に入るでしょ。だから、俳優は不安定でいいんだよ」と。仕事をしていると、これからどうやって生きていこうかと、ふと迷いを感じるときもあるんですが、舘さんの言葉を聞いて、そうか、不安定でもいいんだって思えて。

僕、そんなこと言ったっけ?

土屋 おっしゃいましたよ!(笑)

アハハ。きっと僕自身が不安定だからだろうね。いいんですよ、ありのままで。

柴田 ね、こういうところがダンディーでしょ?(笑)
太鳳さんは素直で、会う人から素敵なものを受け取る才能を持っていると思うから、大丈夫ですよ。自信を持って。

土屋 ああ、今の音声、いただけませんか?ずっと残しておきたいです!

〔 映画 〕 『帰ってきた あぶない刑事』

令和の横浜でT&Y探偵事務所を開業するタカ&ユージ。依頼人にふたりの娘かもしれない女性・彩夏が現れ……。TVシリーズ開始から38年、「ハーレーは自転車みたいなもの」(舘さん)「70 代なりのアクションがあると思う」(柴田さん)と言うおふたりは、乗る、撃つ、走る、どれをとっても華麗のひと言。薫(浅野温子)、透(仲村トオル)ほかおなじみの面々も健在。

監督:原廣利
脚本:大川俊道 岡芳郎
製作プロダクション:セントラル・アーツ
出演:舘ひろし 柴田恭兵 浅野温子 仲村トオル 土屋太鳳
配給:東映
全国公開中

©2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会

俳優・舘ひろし
1950 年生まれ。ドラマ『西部警察』以降、第一線で活躍。映画『終わった人』で第42回モントリオール世界映画祭最優秀男優賞を受賞。最近の出演作に『ゴールデンカムイ』など。

俳優・柴田恭兵
1951 年生まれ。劇団「東京キッドブラザーズ」を経て活躍の場を広げ、映画『集団左遷』『半落ち』などで高い評価を獲得。最近の出演作にドラマ『舟を編む 〜私、辞書つくります〜』がある。

俳優・土屋太鳳
1995 年生まれ。2011 年のドラマ『鈴木先生』で注目を集め、15 年、NHK連続テレビ小説『まれ』のヒロインを務める。2月公開の映画『マッチング』に加え、10月に『八犬伝』が公開予定。

撮影/ Emiko Tennich スタイリング/Yuri Nakamura( 舘さん),Kensuke Furudate( 柴田さん),Miku Ogawa( 土屋さん) ヘアメイク/Kayo Iwabuchi( 舘さん),Kumiko Sawada( 柴田さん),Izumi Omagari( 土屋さん) 文/Michiko Otani

大人のおしゃれ手帖2024年6月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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