上海を舞台にしたスパイアクション、淡く切ないラブストーリーに、大人気のラブコメまで。
今、最も見たいアジアの俳優の作品を紹介。
『無名』
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新旧のスターが共演した美しくもやるせないスパイ映画
第二次世界大戦下の上海。中国共産党、国民党、日本軍の間で、名もなきスパイたちが諜報活動を繰り広げていた。やがてそれぞれの愛と裏切りによって、運命が交錯していく。
クラシカルなトーンの映像と時制をシャッフルした編集で、美しくもやるせないスパイの世界へと観客を手招きするノワール映画。
年齢を重ねてなお色気が漂うトニー・レオンと共演を果たしたのは、『ボーン・トゥ・フライ』の日本公開も控える大ブレイク中の若き華流スター、ワン・イーボー。クールなたたずまいのなかに激情をにじませて、唯一無二の魅力を開花させている。
カーテンなどいくつものアイテムを次々と使い、ふたりがノースタントで挑んだ痛みに満ちたアクションは圧巻。
スター俳優が作り出す世界観から、抜け出せなくなる。
監督:チェン・アル
出演:トニー・レオン、ワン・イーボー、ホアン・レイ、
森博之、チャン・ジンイー、ジョウ・シュン
ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開中
『青春18×2 君へと続く道』
©2024「青春 18 × 2」Film Partners
時を経てつながっていくかけがえのない初恋の思い出
18年前の台湾。カラオケ店でアルバイトをしている高校生のジミーは年上の日本人バックパッカー、アミと出会って想いを寄せるようになる。けれどもある日、彼女は突然帰国してしまう。
そして現在。自分が立ち上げた会社を失ったジミーは、彼女が生まれ育った日本でアミの足跡をたどる旅をする—。
『新聞記者』の藤井道人監督が、時を経てつながっていく初恋の記憶を描いた日台合作映画。
主演を務めたのは、台湾の人気俳優、シュー・グァンハン。
無邪気な笑顔を弾けさせる若き日のジミーと、居場所を失った今のジミーを演じている。
まるで台湾映画のワンシーンのようにバイクを走らせた夏、ふたりで出かけたランタン祭、そして日本の雪。
新しい一歩を踏み出す彼と一緒に、旅をするような気持ちで観たいロードームービー。
監督:藤井道人
出演:シュー・グァンハン、清原果耶、
ジョセフ・チャン、道枝駿佑、黒木華、松重豊、黒木瞳
TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開中
〈Netflix〉 『涙の女王』
キム・スヒョンの魅力全開大ヒット中のラブコメディ
田舎出身の弁護士、ヒョヌは財閥3世でデパートの女王であるヘインと結婚。わがままな妻に嫌気が差し、結婚3年目を迎える頃には離婚を考えるようになる。
その頃、難病により妻が余命3ケ月であることが発覚。ヒョヌが遺産相続を目論んでヘインに優しく接したことで、夫婦の関係が変わり始める。
キム・スヒョンが3年ぶりにドラマ主演を務めたラブコメディが大ヒット中。
『愛の不時着』で知られ、『星から来たあなた』などでスヒョンの魅力を引き出したパク・ジウンが脚本を手がけた。
涙の演技に定評のあるスヒョンは、このドラマでもコミカルに号泣。母性本能をくすぐるかわいい表情を見せたかと思えば、愛情深くて優しく、実は頼りがいのある姿で心をつかむ。
キム・ジウォンとのケミストリーも完璧!
監督:チャン・ヨンウ、キム・ヒウォン
出演:キム・スヒョン、キム・ジウォン
Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中
選・文/細谷美香
大人のおしゃれ手帖2024年6月号より抜粋
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