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日焼け止めの第三の指標「耐水性表示」って知ってる?新たについた「★」マークを確認してみて!

  • 2024.6.13

日焼け止めを買うときには、さまざまな表示を確認しますよね。
SPFやPA、それから紫外線吸収剤が苦手な方は、「紫外線吸収剤不使用」と表記のある、いわゆるノンケミカルのものを探したりもするでしょう。
実は最近、日焼け止めに新しい表示が増えたのですが、ご存じでしょうか。
日焼け止めを買おうとしたときに、星型のマークを見かけたという方もいるかもしれません。
今回は、日焼け止めに追加された星形のマーク、耐水性表示についてお話ししたいと思います。

星がひとつ、もしくはふたつ。耐水性表示とは?

店頭などで日焼け止めを買おうとしたときに
「UV耐水性★」や「UV耐水性★★」といった見慣れない表記を見かけたという人はいませんか?
星型がひとつであれば「ワンスター」、ふたつであれば「ツースター」と呼びます。
※★マークがあれば、色や白抜きであっても効果の違いはありません
これは、2022年12月から表記が可能となった、日焼け止めの耐水性を表す新しい表示です。
2023年の夏ごろから、市場でも目にする機会が増えたのではないでしょうか。
ワンスターとツースターでは、ツースターの方が高い耐水性を示しています。
耐水性というと、『汗に強いのかな…?』と思われるかもしれませんが、水にぬれたり、浸かったりした際の外部からの水分に対する耐性を表しているものとなります。
耐汗性に対する評価ではないので気を付けましょう。

UV耐水性★(ワンスター)とUV耐水性★★(ツースター)の違いは?

まず、耐水性の試験方法から簡単にご説明したいと思います。
UV耐水性に★を用いた表示は、日本独自のものとなります。
そのため、一部を英語で表現したりせず「UV耐水性」と表記することが原則です。
表示は日本独自でも、評価方法はISO(国際標準化機構)の国際規格であるISO18861 Cosmetics Sun protection test methods Percentage of water resistance 化粧品-日焼け防止効果の試験法―耐水性(SPFの保持率)」による測定をおこなってのものとなります。
耐水性を測るための水浴条件によって、表記が変わります。

水浴の条件
UV耐性★(ワンスター)・・・合計40分(20分×2回)の水浴条件で耐水性効果を確認できたとき
UV耐性★★(ツースター)・・・合計80分(20分×4回)の水浴条件で耐水性効果を確認できたとき

※水浴は、水流を発生させた30℃のお湯でおこないます
水浴の前後でSPFを測定し、保持率が50%以上であれば耐水性効果があると判断します(厳密にいうとSPF保持率平均値の90%信頼区間の下限値が50%以上となります)。
また、SPFの測定はヒトを対象として試験を実施します

UV耐水性試験はSPF測定しておこなうため、耐水性を表記する際にはSPF値の記載も併記する必要があります。
このとき製品に表記されるSPF値は、水浴前のSPF値となります(PAに関しては併記の必要はありません)。
ですので、 『SPF50+ PA++++ UV耐水性★★』と表記されたり、『SPF15 UV耐水性★』などと表記されたりすることとなります。
※SPFやPA、UV耐水性は表記されていればよく、順序に決まりはありません

これまであった、“ウォータープルーフ”とは何が違うの?

今までも市場ではウォータープルーフやウォーターレジスタンスといった言葉が、耐水性や耐汗性を表す言葉として使用されてきました。
ですが、明確な基準や定義がなかったため、メーカー独自の解釈や基準で表記がおこなわれていました。
SPFはISO2444、PAはISO24442といった国際規格に基づき測定し算出されています。
今回は、特に定義されていなかった耐水性についても、国際基準に合わせておこない、あいまいだった耐水性の基準が統一されたということになります。
日焼け止めは海やプールなど、水辺で使うことも多いので、消費者が製品を選ぶ時の基準が増え、使用シーンに合わせた日焼け止めを選びやすくなったといえますね。

今後「ウォータープルーフ」と記載されている製品はどうなるの?

UV耐水性に関しては移行期間が設けられており、2024年の11月30日の出荷分まではこれまでどおりの表示も可能となっています。
化粧品は通常製造から3年の品質が保証されているので、2027年の12月1日以降は、「ウォータープルーフタイプ」などの表記のある製品は目にすることが無くなっていくでしょう。
ただ、今回の規定はSPFに対するものなので、ファンデーションやマスカラなどの製品に表記されることの多い、メイクの耐水性を表す際の「ウォータープルーフ」などの表記に関してはこれまでどおり各社の責任のもと表示することができます。
どの効果に対する耐水性なのか混同しないように、今回は「UV耐水性」としてSPFとの併記がルールとなっています。

新しい表記である「UV耐水性」。
夏のレジャーに持っていく日焼け止めには、うれしい表示ですよね。
ただ、日焼け止めはこすれるなどの物理的な刺激や汗などで、時間の経過によりどうしても効果は弱まってしまいます。
また、「UV耐水性」は、一定のルール下で測定した時の効果であって、「水にぬれても〇〇分は大丈夫!」というような、効果が有効な時間を示しているわけではありません。
日焼け止めの効果をしっかり得るためには、やはり2~3時間ごとのこまめな塗り直しが重要となります。
日差しがますます強くなりますので、日焼け止めはもちろん、帽子や長袖といったアイテムも活用しながら、レジャーなどを楽しみましょう。

[執筆者]


船木 彩夏
化粧品メーカー研究員

[出演情報]
2023.12.2 TBSラジオ:井上貴博 土曜日の「あ」

<資格>
・サプリメントアドバイザー
・健康管理士一般指導員
・健康管理能力検定1級

[監修]キレイ研究室編集部

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