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妻がいなくなって、今までの育児はイージーモードだったと気がついた。パパの育休コミックエッセイ

  • 2024.6.12
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現代の日本では、どうしても女性が育児の中心になりやすい傾向がある。育休の制度が整備されているとはいえ、まだまだ取得しにくいと感じている男性は少なくないだろう。だからこそ、育休を取得して子育てに向き合った男性視点の物語には、さまざまな発見がある。

X(旧:Twitter)でも話題となったパパ頭さんの作品『パパが育休とってみたら妻子への愛が深まった話』(KADOKAWA)では、男性視点の育児のリアルが描かれている。

作者のパパ頭さんは、2人の男児と専業主婦の妻の4人で暮らす学校教師。子どもが生まれたことを心から喜んでいる一方で、子育ての大変さを実感することになる。子どものペースに合わせた生活は、親が自由にできる時間が限られてしまう。やるべきことに追われ、時間ばかりが過ぎていく現実に打ちひしがれていた。しかし、夫婦で育児をすれば、片方が疲れたときに交代できる。そうして妻と支え合いながら、未来に向かって背中を任せてきた。

パパ頭さんが素敵なのは、育児は「分担」と「共有」だという考え方をしていることだ。育児の負担を夫婦で分担することで余裕が生まれ、余裕があるからこそ子どもの成長やかわいい寝顔などの毎日の喜びを共有できるという。パパ頭さんの考え方や行動が広がれば、ひとりで抱え込むことが少なくなり、育児しやすい環境になるだろう。

パパ頭さんは次男の育児のために2度目の育休を取得したことにより、いかにこれまでの育児がイージーモードだったか自覚したという。妻が下の子の世話をしている間、上の子の面倒を見ることになったパパ頭さん。料理や子どものお風呂、歯磨きもこなせると自信を持っていたのに、実際にひとりで育児をすると想像を超えるほど大変だったのだ。

このときのパパ頭さんのように、育児の大変さを低く見積もってしまっているお父さんは少なくないだろう。しかし、そうした育児は「妻のサポートありき」で成立していることもあるので、見落とさないようでいないといけないし、気付くことができれば妻への感謝の気持ちもより深まるだろう。こうした経験により、パパ頭さんは父としてもっと成長しようと思えるようになり、より妻と協力して生きることを決意する。

本作の最大の魅力は、パパ頭さんの息子たちのかわいさにある。そのかわいさに思わず心が浄化され、芯の奥まで癒やされるはずだ。パパ頭さんの長男「にに」は、とても優しく想像力が豊かな男の子。さまざまな物を擬人化して、何でもない日を特別な日にしてくれる。冬至の夜にパパ頭さんと一緒にゆず風呂に入っていたにには、ゆずに話しかけはじめる。ゆずを「ゆずちゃん」と呼んで小さな声で会話するというかわいすぎる姿を見ると、思わず胸がキュンとするだろう。

一方で、即ゆずを食べようとする次男の「とと」もとてもかわいらしい。こうした子どもたちの純粋な姿を楽しめるのも、育児マンガの醍醐味といえる。

2度の育休を取ったパパ頭さんが妻子への愛を深めた理由は、育児や家事を通して妻の仕事の解像度が上がったことにあるのだろう。自分も育児に参加することにより、毎日がんばってくれる妻へもっと感謝できるようになったのだ。だからこそ、育休が終わっても育児や家事を分担し共有できるのだろう。

パパ頭さんのように育休を取るのが当たり前になれば、きっと妻子への愛が深まる人も増えるのではないだろうか。日本中の人が子育ての負担を分担しながら、毎日の喜びを共有できるようになってほしいと思う。

文=ネゴト/ 押入れの人

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