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【インタビュー】タイ代表石井正忠監督、常勝軍団で求められる仕事、白い巨人との死闘を独白

  • 2024.6.12
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【インタビュー】タイ代表石井正忠監督、常勝軍団で求められる仕事、白い巨人との死闘を独白
【インタビュー】タイ代表石井正忠監督、常勝軍団で求められる仕事、白い巨人との死闘を独白

Text by 高橋アオ

Jリーグ史上最強のチーム鹿島アントラーズを率いた石井正忠監督は、昨年11月23日にタイ代表指揮官に就任した。

1999年にアカデミーのコーチから指導者キャリアを始め、2017年5月まで常勝軍団鹿島を約19年支え続けた。

Jリーグ、天皇杯、ルヴァン杯を制覇し、2016年に開催されたクラブワールドカップではJリーグクラブ史上最高成績となる準優勝へ導いた。

2021年からタイ1部ブリーラム・ユナイテッドの指揮を執り、2年連続で国内三冠(リーグ、協会オープンカップ、リーグカップ)を達成して前人未到の金字塔を打ち立てた。8月13日にタイ代表のテクニカルディレクター(TD)へと就任するも、9月18日に退任した。

紆余曲折を経てタイ代表に指揮官に就任した石井監督をQolyがインタビューを実施。

第2弾は鹿島監督時代のマネジメント、クラブワールドカップの戦いなどを振り返る。

※諸事情により1年前に取材した内容を掲載いたします。

(取材日2023年6月15日)

常勝軍団鹿島で求められるタスク

――2012年から15年7月までコーチとして指導されて、2015年7月から17年5月までトップチームで監督をされました。鹿島といえば「常勝軍団」というイメージが定着しています。「常勝・鹿島」でのコーチング、マネジメントの難しさや、プレッシャーはありましたか。

常に勝利を求められるクラブなので、当時は(勝利を)常に意識していました。それが当たり前なので、(練習でも)常に意識しながら指導していましたし、コーチの立場としても監督を支えるところでも(勝利を)意識してやっていましたね。

タイトル奪取は名選手たちの一致団結で

――監督としてのマネジメントで1番大変だったエピソードはありますか。

どこのチームもそうだと思うんですけど、鹿島に限らずプロになった選手は個性が強く、自己主張も強い選手が日本人に限らず外国人も多くいます。そういう選手たちを1つの方向に向けるところですね。僕はトレーニングも、試合も選手が気持ち良くプレーしてもらうことを重視していましたので、そこのコントロールが難しかったですね。

――監督としてJ1年間ステージ優勝、ルヴァンカップ優勝、天皇杯優勝と国内タイトルを総なめされました。タイトル奪取の要因を教えてください。

まず選手の中で優勝経験のある選手が多かった点は大きな要因です。あとはもう1点、選手の中で各ポジションのリーダーになる、核となる選手、ある程度経験を積んだ選手が各ポジションにいたことが非常に大きかったと思いますね。

【インタビュー】タイ代表石井正忠監督、常勝軍団で求められる仕事、白い巨人との死闘を独白
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――例えば、鹿島を長く支え続けた小笠原満男さん(現鹿島アカデミーのテクニカル・アドバイザー)でしょうか。

そうですね。後ろからいうと、曽ヶ端準(ユースチームのゴールキーパーコーチ)。センターバックには若いけど、先輩たちにもしっかり自分の意見を伝えることができて軸になる昌子源。そして小笠原満男。プレーで見せてくれる柴崎岳。フォワードは金崎夢生(現J3のFC琉球)。チームのために働いてくれる選手がいたことは1番大きかった。そういう時代だと思いますね。

銀河系軍団との死闘

――石井監督のキャリアで、クラブワールドカップ準優勝は輝かしい実績だと思います。銀河系軍団レアル・マドリーと対戦したときはどういう感情が湧いてきましたか。

あそこまで行くことが非常に大変でしたね。最後は決勝まで行ったら、自分たちのいままでの戦い方をぶつけるだけでした。僕らや鹿島アントラーズにとっては、マイナスは絶対ないじゃないですか。なので、思い切ってできたと思っています。

でも、ほとんどの方が「レアル・マドリードがアントラーズに対して何点取るのか」という雰囲気は多分あったと思うんですよね。見ている人のほとんどがね。それがゲームの中で、岳が2点目を入れたときにスタジアムの雰囲気がガラッと変わった。

あのときの雰囲気は、すごく独特だったと思いますね。

【インタビュー】タイ代表石井正忠監督、常勝軍団で求められる仕事、白い巨人との死闘を独白
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――クラブワールドカップは勝ち抜くことが非常に難しい大会と聞きます。選手を休ませる時間もほぼありませんし、コンディションが苦しい中で勝ち抜かれたと思います。大会期間中に気を付けていたマネジメントはどういった部分なのでしょうか。

1つは中2日で何試合もやらなきゃいけない。そしてどの相手が勝ち上がってくるかも分からないじゃないですか。だからそういう意味ではすごく時間がなくて、相手も分析しなきゃいけなかったことがすごく大変だった。

僕が選手に対してかける言葉で意識していたのは、「疲れ」、「疲労」というワードを使わない配慮はありましたね。それらを言葉にすることによって、なんとなくそれらを意識してしまうような気がして。

当然、選手からもそういう言葉は出なかった。だから自分からネガティブになりそうな言葉は出さないようにしていました。

クラブワールドカップは達成感より悔しさがあった

――分析についてはトーナメントならではの難しさですよね。

基本的には分析担当が多くの試合を見て分析します。当然僕自身も見ます。いまセレッソ大阪にいる小杉光正が(当時の)分析担当でしたね。ただ分析担当の当時の話を聞くと、中2日で2チーム分析しないといけないので、本当に大変で寝られなかったと言っていましたよ。

――アジア勢初のクラブワールドカップ制覇は届きませんでした。準優勝したときは選手も監督も達成感より悔しさが強かったですか。

そうですね。選手も言っていました。僕も本当に…。特に90分を終わる寸前にビッグチャンスがあって、それが決められなくて延長に入ったので。そこをね、決まっていたらもしかしたら優勝していた可能性もありました。

延長に入ってからもセルヒオ・ラモスが退場になりそうなタイミングもありました。そういうのも含めてみんな悔しい思いはあったと思いますね。

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次回は金崎夢生との握手拒否の真相、現在の鹿島への期待やジーコスピリットについて語った。

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