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最近よく聞く子宮がん・・検診を受けるのは何歳が正解?子宮がんに対する疑問について佐賀先生にお伺いしました。

  • 2024.6.12
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子宮がんについてよく耳にするけれど、どのくらいから検診を受けた方がいいの?検査の方法は?そんな疑問について、二子玉川女性のクリニック院長 佐賀絵美先生にお話しいただきました。

皆さんはがん検診を受けていますか。

今や日本国民の2人に1人ががんになり、4人に1人ががんで亡くなるといわれています。
胃がん、子宮頸がん、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診が推奨されていますが、この中で、子宮頸がんはなんと20歳からの検診が勧められています。子宮頸がんは若い人もかかるがんなのです。20歳を過ぎたら子宮がん検診を受けましょう。

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子宮のがん

子宮のがんには子宮頸がんと子宮体がんがあります。
子宮下部の管状の部分を子宮頸部、子宮上部の袋状の部分を子宮体部と呼び、それぞれの部位に生じるがんを子宮頸がん、子宮体がんといいます。子宮頸がんは子宮がんのうち約7割程度を占めます。以前は発症のピークが40~50歳代でしたが、最近は20~30歳代の若い女性に増えてきており、30歳代後半がピークとなっています。
日本では、毎年約1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約3,000人が死亡しており、また2000年以後、患者数も死亡率も増加しています。

子宮頸がん検診はどうやって受けるの?

市区町村で行っているがん検診を受ける場合と、働いている人ならば職場の健康診断で併せて行う場合があります。また、妊婦健診の中で受けた方も多いでしょう。
お住まいの市区町村で行っている検診を受ける場合は、受診票を持って検診機関に行き検査を受けます。2年に1度受診票が送られてきます。しかし自治体によっては、受診券を自分で取り寄せたり、受診券が無いパターンもありますので、まずはお住まいの自治体へ確認しましょう。
働いている人の場合は1年に1回の健康診断で一緒に行うことが多いですが、職場によってはがん検診を行っていないこともあります。その場合は自治体の検診を受けることになります。

子宮がん検査はどのような検査?

下着を脱いで内診台に座った状態で、腟にクスコという器具を入れます。クスコは腟内や子宮頸部を確認するための機械です。そして子宮頸部をブラシ(妊婦さんの場合は綿棒)で擦り、細胞を取ります。これら細胞に癌細胞がいないか確認するのが子宮頸がん検査です。
子宮頸がん検査では擦る際に多少痛みを感じたり、擦った部分から出血が起こることがあります。(痛みや出血はすぐにおさまることがほとんどです。)
また、この時に一緒に経腟超音波検査を行うことをお勧めします。腟から細い超音波の機械を入れて行う検査です。一般的には子宮頸がん検査の中には超音波検査は含まれず、希望の方はオプションで付けることが多いです。超音波で子宮の奥の状態や卵巣・卵管の状態をより詳しく確認することで、子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣腫瘍などがないか調べられます。
また、子宮のもう一つのがんである子宮体がんに対しても検査方法があります。
不正出血(生理以外の性器出血)がある場合や、経腟超音波で子宮内膜(子宮の奥)が分厚くなっているなどの所見がある場合は検査をお勧めします。この場合は、細い綿棒のようなブラシを使って子宮の内膜(子宮の奥)から細胞をとります。子宮頚部よりも奥の方から細胞をとるため、子宮頸がん検査より痛みが強くなります。

ただし、これら検査は腟からの操作となるため、性交渉経験のない方は痛みを強く感じることが多いです。性交渉がない場合や痛みが強い場合は、無理せずに医師に相談してください。

検診結果は医療機関で説明を受けたり、結果が郵送されてきたりしますので必ず確認しましょう。

子宮がん検査の精密検査

結果が正常とは限りません。要精密検査という結果となることもしばしばあるでしょう。子宮頸がんの精密検査は、HPVの感染有無を調べたり、コルポスコピー検査を行います。コルポスコピーは子宮頸部を薬剤で染め、顕微鏡で見る検査です。同時に異常な部分が見られた場合は、生検といって細胞を少しだけとる検査も行います。擦って細胞をとる子宮頸がん検診よりも大きめの組織を取るため痛みや出血のリスクがあります(痛みや出血は数日程度でなくなります)。

がん検診の1番の目的は早期発見・早期治療です。特に子宮頚がんは初期の自覚症状が少ないため検診が重要です。そして、子宮頸がん・子宮体がんは早期治療ができれば治る病気です。
20歳になったら、子宮がん検診を受けましょう!

出典:
厚生労働省 がん検診
日本医師会 知っておきたいがん検診
日本産科婦人科学会 子宮頸がんとは

[執筆者]

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佐賀 絵美 先生
二子玉川女性のクリニック院長

[プロフィール]
杏林大学医学部医学科卒業
横浜市立市民病院、函館中央病院、板橋中央総合病院、東京品川病院等の総合病院に勤務したのち2023年7月に二子玉川女性のクリニック開業。
日本産科婦人科学会専門医
母体保護法指定医師
日本産科婦人科遺伝診療学会認定医(周産期)
日本医師会認定産業医
日本医師会認定健康スポーツ医
日本抗加齢医学会専門医
コーヒーと格闘技が好きな2児の母です。

二子玉川女性のクリニック
https://www.futakotamagawa-josei.com

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