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「死ぬってどういうこと?」わが子に聞かれたらどう答えるべきか…子育てアドバイザーが示す“望ましい伝え方”

  • 2024.6.12
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子どもに「死」について聞かれたら…
子どもに「死」について聞かれたら…

あなたは、子どもに「死ぬってどういうこと?」「死んじゃったらどうなるの?」と質問されたことはありますか。家族や親戚、ペットが亡くなったときなどにそう問われ、「正直、どう答えればいいのか困った」「うまく答えてあげられなかった」という経験のある親は少なくないのではないでしょうか。

ネット上でも、「難しい」「娘に『おばあちゃんはどこに行ったの?』と何度も聞かれたなぁ…」「はぐらかして答えるのもどうなんだろう」など、「死」について関心を持ったわが子に対し、どう答えたらよいのかと悩む親の声が見受けられます。

「死ぬってどういうこと?」「死んだらどうなるの?」…わが子に問われたとき、親はどう伝え、向き合うべきなのでしょうか。子育てアドバイザー・佐藤めぐみさんの見解です。

“袋小路状態”をつくる言い方は避けて

「死」に対する子どもの関心や理解は、4歳を過ぎたあたりから深まるとされています。

ある研究で、4~7歳の子どもたちを対象に、生命を維持させる身体機能についてどれくらい理解しているかを調査したところ、「4~5歳」の半分以上、「6~7歳」のほとんどが内臓の機能を理解しつつ、生命がどうやって維持されるのかを説明することができたそうです。この結果からも、4歳過ぎから「死」のことを少しずつ理解しはじめ、6~7歳くらいで理解できていることが多いことがうかがえます。

子どもに「死ぬってどういうこと?」「◯◯はどこに行ったの?」と問われたとき、「お星さまになって、お空から見ていてくれるよ」「△△ちゃんの心の中に、いつもいてくれるんだよ」などと答える家庭は、おそらく多いのではないでしょうか。私も、このような形が望ましい伝え方ではないかと思います。

身近な人の死を受け止めるとき、大人であっても、多かれ少なかれ同じような形で死を捉えようとしていると思います。仏壇や墓といった“会える場”があることで、癒やされる部分は非常に多いものです。

一方で、死に関して私たちが最も恐れているのは、「二度と会えない」ということだと思うので、子どもにも「もう会えないんだよ」といった袋小路状態をつくる言い方はすべきではないと考えます。

中には、「まだ理解できないから」「本当のことを伝えるとかわいそうだから」といった理由で、子どもに「死」について隠したり、身内の葬儀に参列させなかったりする親もいるようです。

「死」というのは難しいテーマなので、これが正解というものはないといえます。ただ、先述のように、4歳過ぎの子どもは徐々に「死」のことを理解しています。そのため、もしお子さん側から質問してきたときは、親が話をそらしたり、はぐらかしたりしても、疑問が残ったままになってしまいます。そのようなときは、分かりやすく説明してあげるのが望ましいでしょう。

葬儀への参列については、日本は火葬をするのが一般的なので、お骨を見ることで大きなショックを受けるケースも多いようです。葬儀に参列はさせつつも、全て見せるのかどうかは、その子の年齢や性格も踏まえて決めるのが賢明でしょう。

なお、ペットのように、毎日一緒に過ごしてきた“家族”とは、「きちんと最後のお別れを」と考える親御さんも多いと思います。その際は、家族みんなでペットをなでて「ありがとう」を言う場をつくりましょう。その後、火葬する場合は、お骨が納められた状態になってから子どもに見せると、子どもに受け入れやすくなるのではないでしょうか。

「生」を伝える場、機会として捉える

家族やペットが亡くなったことをきっかけに、「生と死」に関する会話をする親子は多いように思います。そうした中でよく聞かれるのが、「明確なきっかけがなくても、親から子へ、死について教えた方がよいのか」という悩みです。

結論から言うと、親の方からわざわざ、「死」を話題にする必要性はないと思われます。しかし今の時代、「命の大切さ」というテーマはとても大事です。「生きているということは素晴らしいことなんだよ」という切り口での会話は、子どもたちの情操教育につながると思うので、「死」から入るのではなく、「生きる」ということをテーマに話していくのがよいでしょう。

先述の研究結果を踏まえると、時期については小学校低学年あたりが適切かと思います。ただ実際は、命の大切さを知ってほしいのは、むしろそれ以降の年齢なので、小学校高学年、中学、高校でこそ大事なトピックになってくると考えています。

一方で、やはり「死」という現実は、実際に子どもたちが理解するには重い内容です。そのため、心に負担がかかります。ペットの死などを機に、死に関して神経質になっていたり、怖がっていたりする場合は、「また、こんなことが起こったらどうしよう」と不安になっていることが多いです。

そのようなときは、「みんな元気にしているから大丈夫だよ」といったように、そうめったに起こることではないことを伝え、気持ちの高ぶりを緩和してあげて、いつも以上にスキンシップや会話を心掛けるのが望ましいでしょう。

生と死について、子どもに教えることの難しさを感じている親は少なくないと思います。特に今の時代、ゲームのバーチャルな世界に慣れ親しんでいる子どもたちも多いものです。そうした世界の中では、「高いところから落下しても無傷」「倒れてもまた復活する」など、まるで命が2つも3つもあるような錯覚を感じさせることがあります。

子どもたちの自死も問題になっている昨今だからこそ、命の大切さは伝えていきたいものです。大切なペットが身をもって教えてくれたメッセージを、子どもたちの生きる力に変えられたら、まさに“心の中に生き続ける存在”になってくれます。

「死」は誰にとっても重いテーマで、進んで話したいものではありませんが、その対極にある「生」を伝える場や機会として捉えると、向き合いやすくなるのではないでしょうか。

オトナンサー編集部

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