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【ネタバレレビュー】3話はどうなる?衝撃の展開に謎が深まる「スター・ウォーズ:アコライト」初回&2話を徹底考察!

  • 2024.6.11
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ついに始まった「スター・ウォーズ」の新シリーズ、「スター・ウォーズ:アコライト」(ディズニープラスで独占配信中)。6月5日に世界配信がスタートし、初日だけで480万回の視聴回数を記録。2024年にディズニープラスで配信されたコンテンツの中で最高のオープニング成績という偉業を成しとげ、話題を呼んでいる。本作が配信前から注目を浴びていたのは、これまでの「スター・ウォーズ」実写作品では描かれたことのない期間、『スター・ウォーズ/ファントム・メナス(エピソード1)』(99)から遡ること約100年前の“ハイ・リパブリック”という時代を舞台にしているからだ。

【写真を見る】実写版初登場の「スター・ウォーズ」キャラクター、ヴァーネストラ・ロウの姿も!

ハイ・リパブリックとは、ジェダイが黄金期を迎え、人々も平和を享受していた銀河共和国時代のこと。そういうなかでフォーカスされるのはなんとダークサイドの視点。本シリーズのクリエイターでありショーランナーも務めるレスリー・ヘッドランドの言葉を借りるなら「悪役には必ず“闇”が生まれた理由がある」というわけだ。そんなシリーズにとっても重要作になりうる「アコライト」。冒頭から怒涛の展開でファンを驚愕させた第1話&2話レビューをネタバレありでお届け。3話配信前に抑えておきたいポイントをぜひチェックしてほしい。

※本記事は、ネタバレ(ストーリーの核心に触れる記述)を含みます。未見の方はご注意ください。

冒頭から息を呑むアクションと衝撃の展開!謎が謎を呼ぶ第1話レビュー

第1話の冒頭から激しいアクションが展開。そして衝撃の事実が発覚する!マスクとマント、鎖帷子と甲冑に身を包んだ女性がジェダイを探してカンティーナ(酒場)に入り突如、マスター・インダーラ(キャリー=アン・モス)に「我々の間の決着をつけに来た」と宣戦布告して大暴れ。予告編でも話題にあがっていたバトルシーンが早々にお目見えする。

第1話冒頭から展開するインダーラとメイの死闘はまばたき禁止! [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
第1話冒頭から展開するインダーラとメイの死闘はまばたき禁止! [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
強いフォースを持ち、インダーラをねらう謎の女性…彼女の正体は? [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
強いフォースを持ち、インダーラをねらう謎の女性…彼女の正体は? [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

いままでの「スター・ウォーズ」シリーズでは見たことのない、そのアクションは「マトリックス」を彷彿させる、マーシャルアーツを取り入れたもの。フォースも駆使する謎の女性刺客の武器がニンジャのクナイ手裏剣っぽく、この使い方にスピード感があってとてもかっこいい。「スター・ウォーズ」シリーズの特徴のひとつ、和のテイストも巧みに織り込んでいる。最初は相手を認識できなかったインダーラだったが、マスクを取った素顔を見て「なぜここにいる?」。つまり、彼女が言った「我々の間の決着をつけに来た」理由にピンときたようだ。

そして、驚くことにこのバトルの決着、勝利したのは謎の女性のほう。インダーラは彼女の巧みな作戦によって命を落としてしまう。そう、冒頭まだ5分しか経っていないのに、本作のメインキャストの一人とされていたキャリー=アン・モスがもう退場してしまうのだ!

「マトリックス」シリーズでキャリー=アン・モスがマスター・インダーラを熱演! [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
「マトリックス」シリーズでキャリー=アン・モスがマスター・インダーラを熱演! [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

タイトルが入るのはこのあと。アバンタイトルだけで7分を超えているのも特徴的だ。次に登場するのは宇宙船で眠る、先ほどの謎のフォース使いと同じルックスの女性。さっき戦っていた女性とは明らかに違う雰囲気だが…。彼女の名前はオーシャ・アニセヤ(アマンドラ・ステンバーグ)。修理を得意とするメクネック(この名称が登場するのは初めてだと思う)として船に乗り込んでいた。

元パダワンで現在メクネックとして宇宙船の修理をするオーシャ [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
元パダワンで現在メクネックとして宇宙船の修理をするオーシャ [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

ちなみに、彼女が乗ったこの船は『ファントム・メナス』にも登場していた通商連合のもので、乗っている種族も同作で存在感を放ったニモーディアン。傲慢な物言いもまさに通商連合っぽい。しかもこの船に乗り込んでくるのが2人のジェダイなのだから、一瞬、旧シリーズとリンクしてしまうではないか!

1人はヨード・ファンダー(チャーリー・バーネット)、もう1人はタジ・ロワという2人組のジェダイはオーシャを捜していた。実はオーシャは元パダワンで、ヨードと共にフォースを学んだ同窓生であり、故郷ブレンドクで家族と死別した過去を抱えていた。元パダワンの女性、といえばアソーカ・タノを想像するが、ジェダイともシスともかけ離れた、まったく違う道を歩むキャラクターというのも新しい。

インダーラ殺害事件の犯人を捜す、ヨード・ファンダーとパダワンのタジ・ロウ [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
インダーラ殺害事件の犯人を捜す、ヨード・ファンダーとパダワンのタジ・ロウ [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

なにやら厳しい面持ちのヨードたちの目的は、インダーラ殺害事件の犯人捜し。謎の女性がオーシャにそっくりだったことから、彼女はコルサントに連行されることに。コルサントでその驚くべき報告を受けるのが、マスター・ソル(イ・ジョンジェ)だ。自分の友人でもあったインダーラを殺したのが、かつてのパダワンだったオーシャと告げられ動揺しまくってしまう。「なにかの間違いだ」と言い切るソルから、彼とオーシャが強い絆で結ばれていることが伝わってくる。元パダワンによるジェダイ・マスターの殺人という前代未聞の事件にジェダイ聖堂は震え上がるが、ファンは『スター・ウォーズ/新たなる希望(エピソード4)』でダース・ベイダーがかつての師オビ=ワン・ケノービを倒したことを思い出してしまうかもしれない。なぜインダーラは狙われたのか?その理由が気になるところ。

かつてのパダワン、オーシャをいまでも信頼するソル [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
かつてのパダワン、オーシャをいまでも信頼するソル [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

そのころ、コルサントに向かうドロイドだけの船の中でオーシャは犯罪者たちの脱獄作戦に巻き込まれ、惑星カーラックに墜落。気を失った彼女が見た夢は、故郷で死んだはずの双子の姉と子どものころの自分たち。そう、オーシャは双子だったのだ!

ブレンドクに住んでいたオーシャが抱える、悲劇的な過去 [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
ブレンドクに住んでいたオーシャが抱える、悲劇的な過去 [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

「メイ」と名乗る双子の姉は自分がインダーラを殺したと言う。夢なのだが、そのあまりの生々しさにオーシャは確信する。双子の姉は生きている…。配信前はメイという少女が主人公という情報が飛び交っていただけに、この事実には驚いた。混乱するオーシャは、ヨードとジェキ・ロン(ダフネ・キーン)を連れたマスター・ソルと再会するのだった。

一方、メイが尋ねたのは謎の男。赤いライトセーバーを操るこの男はこう言ってみせる。「ジェダイは武器では死なない。アコライト(侍者)なら武器をもたずにジェダイを殺せる。彼らの夢を殺せる」。果たしてこの男の正体は?彼がメイにフォースを教えた者なのか?

インダーラを殺害したメイの目的とは? [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
インダーラを殺害したメイの目的とは? [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
メイの背後にいるこの人物は何者なのか… [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
メイの背後にいるこの人物は何者なのか… [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

ここでちょっとチェックしておきたいのが“アコライト”の意味。簡単に言ってしまえばキリスト教の司祭の補佐役のことなのだが、どうもここではシスの弟子的存在のような印象。シスの弟子といえば、これまでは「アプレンティス」と呼ばれていたが、「アコライト」になると弟子というよりもその上の存在?また「アコライトなら武器をもたずにジェダイを殺せる」という意味は?メイがインダーラを殺したのはナイフだったから、まだアコライトと呼べるまで成長していないということ?うーん、気になりまくりだ!

ジェダイ殺人事件、第二の事件が発生!その裏に隠された真実とは?第2話レビュー

多くの謎を散りばめたまま終わった第1話。続く第2話のオープニングは、メイがオレガ星のジェダイ聖堂に入るところから始まる。彼女の次なるターゲットは、この10年間、ひと言も話していないというマスター・トービン(ディーン=チャールズ・チャップマン)。なぜ彼が狙われているのだろうか?

毒を持ってトービンの元に現れたメイ [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
毒を持ってトービンの元に現れたメイ [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

メイは、目を閉じたまま座禅を組んだ姿で宙に浮かんでいる彼に、第1話のインダーラに対して発した言葉「決着をつけに来た」をぶつけるがなんの反応もないどころか近づけもしない。この沈黙の行は“バラシュの誓い”と呼ばれるジェダイにとってはかなりの苦行で、なんらかの後悔がある時に行うもの。これが実写で取り上げられるのも初めてだ。

メイに協力するカイミール [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
メイに協力するカイミール [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

トービンに手も足も出ないメイが手に入れようとする武器が毒薬。協力者カイミール(マニー・ジャシント)に毒を提供することをためらわれたメイは「どちらかを丸腰で殺せばマスターは満足する」と発言。これは1話のラストでシスらしい謎の男が言っていた「アコライト(侍者)なら武器を持たずに相手を殺せる」に関係しているように思える。

メイを待ち伏せすることにしたジェダイ一行 [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
メイを待ち伏せすることにしたジェダイ一行 [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
双子の姉メイは死んだと思っていたオーシャは動揺を隠せない… [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
双子の姉メイは死んだと思っていたオーシャは動揺を隠せない… [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

この毒は大きな役割を果たし、トービンは絶命するが、最期の言葉は「許してくれ。正義だと思っていた」。そういうトービンの左の額から目、頬にかけて深い切り傷が。この傷はどういう状況でついたのだろうか?毒の調達先を突き止めたマスター・ソロたちは、メイを待ち伏せすることに。この時、シリーズのお約束のセリフ「いやな予感がする」をヨードが口にするのを聞き逃しなく!

このエピソードの流れの中で判明するのが、メイの標的。オーシャ曰く、「16年前のあの時、ブレンドクにいた4人のジェダイ。インダーラとトービン、ケルナッカとソル」というわけだ。

第2話でもメイとソルによる迫力のアクションシーンが! [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
第2話でもメイとソルによる迫力のアクションシーンが! [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

かくして始まったのは、ソルvsメイの一騎打ち。ここでもフォースを駆使したアクロバティックなバトルに息を呑むことは間違いない!ソル役のイ・ジョンジェもキレのあるアクションを披露している。ソルはメイに「ジェダイの技を誤解している」「マスターのせいだ。誰から訓練を受けた?」と問い詰める。そんななか、「妹は死んだ!」と絶叫したメイの前に、銃を構えたオーシャが現れる。ということは、2人共お互いが死んだと思い込んでいたよう?2人が生き別れになった故郷ブレンドクで、一体なにが起きていたのだろうか?

次なる標的となるのは、ウーキー族のジェダイ、ケルナッカ [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
次なる標的となるのは、ウーキー族のジェダイ、ケルナッカ [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

ジェダイの目を潜り抜けたメイとカイミールが向かうのは深い緑に覆われた惑星コーファ。ここに次の標的、ケルナッカ(ヨーナス・スオタモ)がいるからだが、その姿はなんとウーキー。実のところ、実写シリーズでウーキーのジェダイ・マスターが登場するのも今回が初めてなのだ。ということはつまり、様々な“初”が散りばめられているのが「スター・ウォーズ:アコライト」。チャレンジングなシリーズということになりそうな予感しまくりだ!

実写版では初登場となった「スター・ウォーズ」キャラクターも!

ショーランナーを務めるレスリー・ヘッドランドとイ・ジョンジェ [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
ショーランナーを務めるレスリー・ヘッドランドとイ・ジョンジェ [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

ここで、クリエイターとキャスティングに触れよう。本シリーズを牽引しているレスリー・ヘッドランドはNetflixのドラマシリーズ「ロシアン・ドール:謎のタイムループ」で注目されたフィルムメーカー。本作では脚本、監督、原案、エグゼクティブ・プロデューサーとまさに八面六臂の大活躍。さらに彼女、レズビアンであることを公表していて、「スター・ウォーズ」シリーズでLGBTQの女性が重要なポストに就いたのは初めてだという。これも、このシリーズで“初”というチャレンジが多いひとつの理由なのかもしれない。

注目すべきキャスト陣も紹介。オーシャ/メイの運命の双子を演じるのは『ハンガー・ゲーム』(12)や『ディア・エヴァン・ハンセン』(21)のアマンドラ・ステンバーグ。オーシャを支えるマスター・ソル役に抜擢されたのは韓国のスター俳優イ・ジョンジェ。「イカゲーム」でエミー賞の主演男優賞をアジア人として初めて受賞しハリウッド進出を果たしたことになる。アジア人であることも手伝ってか、ジェダイのコスチュームがお似合いだ。そして、インダーラには「マトリックス」シリーズ(99~22)でお馴染みのキャリー=アン・モス。華麗なアクションを見せてくれる。

メイとオーシャ、一人二役を演じるアマンドラ・ステンバーグ [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
メイとオーシャ、一人二役を演じるアマンドラ・ステンバーグ [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
「マトリックス」シリーズで知られるキャリー=アン・モス [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
「マトリックス」シリーズで知られるキャリー=アン・モス [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

キャラクターでは、「ロシアン・ドール:謎のタイムループ」のレベッカ・ヘンダーソン演じるジェダイ・マスター、ヴァーネストラ・ロウ。彼女も本やコミックには登場していたが実写版では初めてであり、本やコミックと重なるキャラクターは、少なくともこの第1シーズンでは彼女だけだという。ムチ状に変化する紫色のライトセーバーを使うことで人気の高いキャラクターだ。ちなみにヘンダーソンはショーランナーのヘッドランドのパートナーでもある。

【写真を見る】実写版初登場の「スター・ウォーズ」キャラクター、ヴァーネストラ・ロウの姿も! [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
【写真を見る】実写版初登場の「スター・ウォーズ」キャラクター、ヴァーネストラ・ロウの姿も! [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

もう一人、『LOGAN/ローガン』(17)で強烈な印象を残したダフネ・キーンが演じるジェダイ・パダワンのジェキも要チェックの存在。彼女は6つの角が特徴的なエイリアン、シーリンと人間のハーフで、実はヘッドランドのキモ入りキャラクター。この種族は『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還(エピソード6) 特別篇』(97)のジャバの宮殿のマックス・レボ・バンドの1人として登場したのが実写版で初だが、主要キャラクターとしての登場は今回が最初。活躍が期待できるキャラクターと見た!

『LOGAN/ローガン』で知られるダフネ・キーン演じる、若きパダワンのジェキ [c] 2024 Lucasfilm Ltd.
『LOGAN/ローガン』で知られるダフネ・キーン演じる、若きパダワンのジェキ [c] 2024 Lucasfilm Ltd.

怒涛の展開を見せた2話までで明らかになったのは、オーシャとメイ、共に強いフォースを持つ双子の女性がジェダイ殺人事件のカギを握っていること。2人の過去と、マスター・ソルを筆頭とする“光”のジェダイがどうかかわっているのか?さらに、メイの標的とされる4人のジェダイが揃ったものの、すでに2人は亡き者に。彼らは抱えていた秘密は?もう登場しないのか?

そして、本作の大きなテーマとなっている、ダークサイドの“闇”の誕生とはメイを指しているのだろうか?それとも…?まもなく配信される3話が気になって仕方がない!

文/渡辺麻紀

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