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出演作は軒並み「傑作」…野呂佳代の“ドラマ打率”が高い納得の理由とは? 今、求められているワケ。稀有な魅力を解説&考察

  • 2024.6.11
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野呂佳代【本人の公式Instagramより】

元AKB48のメンバーであり、タレントの野呂佳代。バラエティだけでなく、歌手、女優としても活躍の場を広げている彼女だが、巷では“野呂佳代が出演するドラマの打率が高すぎる”と話題になっている。なぜ、野呂佳代は質の高いドラマに出演し続けているのか? 今回は、彼女の俳優としての魅力を徹底考察する。(文・あまのさき)
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【著者プロフィール:あまのさき】
アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

野呂佳代【本人のInstagramより】
野呂佳代【本人のInstagramより】

アイドルを卒業し、俳優としてのキャリアを築いていく人たちがいる。アイドル時代の知名度を武器に主演など目立つ役どころを任され、SNSを中心に人々の話題にのぼる。

AKB48出身の前田敦子はもうすっかり映像作品に欠かせない俳優だし、同じく元AKB48の川栄李奈、元欅坂46の平手友梨奈や元乃木坂46の伊藤万理華など枚挙に暇がない。

アイドル出身の俳優の中でも、一線を画す存在となっているのが、現在放送中のドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(2024、カンテレ・フジテレビ系)に出演中の野呂佳代ではないだろうか。

彼女もまた、元AKB48のメンバーでSDN48にも所属していたことのあるアイドル出身の俳優だ。出演作品をさかのぼってみると、ゲストなども含めて2014年頃からコンスタントにドラマへの出演を果たしている。

だが、野呂はほんの少し前まで、その飾らない人柄と笑いに貪欲な姿勢からバラエティタレントとして確固たる地位を築いていた。もちろん現在もそれは継続しているのだが、ここ数年、そこに俳優というさらなるピースが加わった。

野呂佳代【本人のInstagramより】
野呂佳代【本人のInstagramより】

風向きが変わり始めたのは、おそらく2021年。野呂はフジテレビの看板枠“月9”で波瑠や田中圭、岸優太ら豪華キャストが顔を揃えた『ナイト・ドクター』(フジテレビ系)に出演した。

この作品では、主要キャストとして毎話必ず出番があったわけではなく、彼女がメインとなる放送回があったわけでもない。それでもこの頃から俳優・野呂佳代の立ち位置が徐々に変わりはじめたように思う。

『ナイト・ドクター』で野呂が演じたのは、救命救急センターの看護師。個性豊かなナイトドクターたちを、時に不安げな様子を見せながら適度な距離感で見守るキャラクターである。

俳優としての野呂の魅力が最大限に発揮されるのは、“見守る人”を演じた時ではないだろうか。

昨年、一部で大いに話題となった『SHUT UP』(2023、テレビ東京系)では、性被害を受けた女性たちのグループミーティングを仕切る女性・高梨塔子役を演じている。また、放送中の『アンメット』でも、野呂は交通事故をきっかけに記憶障害となった主人公・川内ミヤビ(杉咲花)を応援する敏腕麻酔科医・成増貴子を好演している。

野呂佳代【本人のInstagramより】
野呂佳代【本人のInstagramより】

野呂が演じる、自分より少し年下の若者たちを“見守る”女性には、何とも言えない包容力がある。それは特段温かい言葉をかけたりせずとも、じんわりと伝わってくる類のものだ。包容力に由来する安心感こそ、近年、野呂が映像作品に引っ張りだこになった所以ではないだろうか。

バラエティ番組での印象が俳優として悪く作用してしまうパターンもあるが、野呂の場合はそうはならなかった。人を傷つけることなく自らの言動で笑いを取りに行く姿は多くの視聴者に“いい人”のイメージを定着させ、役を纏ったとしても野呂が笑顔になることでその場の緊張が和らぐ。

そして、野呂の出演作に『ブラッシュアップライフ』(2023、日本テレビ系)など良作が多いのは、緊張と緩和の匙加減が計算された作品において、“緩和”の役割を担って登場するからだろう。そして、見事に野呂はその役割を果たしている。

次クールも松本若菜主演ドラマ『西園寺さんは家事をしない』(2024、TBS系)に、松本の親友役としての出演が決まっている野呂。この快進撃はどこまで続くのか。個人的には、野呂が主演を務める作品もいつか観てみたい気がする。

(文・あまのさき)

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