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戦後ドイツの巨匠が表現する、ガラスケースと水彩画

  • 2024.6.11
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Anselm Kiefer

戦後ドイツの巨匠が表現する、ガラスケースと水彩画

Anselm Kiefer
Top Photo:展示風景写真 Installation viewExhibition view of アンゼルム・キーファー個展「OPUS MAGNUM」展覧会風景. 2024年4月 Fergus McCaffrey Tokyo. ©Anselm Kiefer. Courtesy of Fergus McCaffrey.

戦後ドイツを代表する芸術家 Anselm Kieferの展示「Opus Magnum」が、ファーガス・マカフリー東京にて7月13日(土)まで開催中。

Anselm Kiefer Bermuda-Dreieck / バミューダ・トライアングル / Bermuda Triangle, 2017, Steel, glass, lead, clay, oil, acrylic, linen canvas, wood, and ink, 59 7/8 × 70 7/8 × 66 7/8 inches (152 × 180 × 170 cm) Photos: Georges Poncet
Anselm Kiefer Mohn und Gedächtnis–für Paul Celan / 粟と記憶―パウル・ツェランのために / Poppies and Memory–for Paul Celan, 2014, Steel, glass, lead, resin, shellac, zinc, and charcoal, 60 × 707/8 × 271/2 inches (152.5 × 180 × 70 cm) Photos: Georges Poncet
Anselm Kiefer Thor–Mjölnir / トール―ミョルニル, 2016, Steel, glass, lead, wood, fabric, plaster, hemp, dried flower, and ink, 751/4 × 311/2 × 271/2 inches (191 × 80 × 70 cm) Photos: Georges Poncet

1945年ドイツ・ドナウエッシンゲンに生まれたAnselm Kieferは、絵画や彫刻、写真、版画、本、インスタレーションなど多様なメディアを用いて創作する、現代で最も重要なアーティストの1人。

Anselm Kiefer Aller Abende Tag, aller Tage Abend / すべての夕刻の日、すべての日々の夕刻 / Day of All Evenings, Evening of All Days, 2012, Watercolor on paper, 191/4 × 141/8 inches (49 × 36 cm) Photos: Georges Poncet

フライブルク大学で法律を学び始めて間もなく美術家を志した彼は、カールスルーエ芸術アカデミーに入学する。やがてJoseph Beuysに師事し、彼のアクション「Save the Woods」にも参加した。

初期の作品は第三帝国の歴史と対峙するもので、ナチス式敬礼をパロディにしたり、国民社会主義時代の建築やゲルマンの英雄伝説を視覚的に引用して解体したりすることで、自身のアイデンティティーと文化を探求している。

その後、フランスに移住するまでの1971年から1992年にかけて、Richard Wagnerの「Ring Cycle(ニーベルングの指環)」、Paul CelanやIngeborg Bachmannの詩、聖書の含意、ユダヤ神秘主義などのテーマと共に、鉛、藁、植物、織物、木版画など、今では彼を象徴するようになった素材や技法を作品に取り入れるようになった。

Anselm Kiefer Die Palette des Malers / 画家のパレット / The Painter’s Palette, 2014–19, Steel, glass, lead, oil, charcoal, wood, paintbrush, and watercolor on paper, 551/8 × 353/8 × 235/8 inches (140 × 90 × 60 cm) Photos: Georges Poncet

また、90s半ばにはインド、アジア、アメリカ、北アフリカを広範囲に旅行したことで、東洋と西洋の思想交流への関心が高まり、古代メソポタミア建築に似た建造物などが作品に登場するように。
文学や詩の引用を重ねた作品の他、サイトスペシフィックなインスタレーションも特徴としており、79歳となった現在はパリ郊外で活動している。

日本では1998年以来の個展となる本展では、ガラスケースの作品と水彩画の計20点を公開。
また、12名の著名な作家によるエッセイや各作品についてのテキストを収めた160ページの展覧会カタログも出版される。

展示風景写真 Installation viewExhibition view of アンゼルム・キーファー個展「OPUS MAGNUM」展覧会風景. 2024年4月 Fergus McCaffrey Tokyo. ©Anselm Kiefer. Courtesy of Fergus McCaffrey.

透明な箱に収められた、重厚な歴史と物語。
示唆的な作品群に表れる、芸術家の核心を感じて。



FERGUS MCCAFFREY TOKYO
03-6447-2660



【Anselm Kiefer “Opus Magnum”】
DATE:7月13日(土)まで開催中
※日曜、月曜、祝日休館
TIME:11:00am~7:00pm
PLACE:ファーガス・マカフリー東京
ADDRESS:東京都港区北青山3-5-9
ADMISSION FREE
WEBSITE:fergusmccaffrey.com/exhibition/anselm-kiefer-opus-magnum/
※一度の入場者数は最大5名まで

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