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障子破り、おしっこストライキ… 猫との生活は大変だけどそれ以上に幸せいっぱい! もふもふ癒しの猫ライフ

  • 2024.6.9
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動物との生活は、お世話が大変だが、それ以上に心が満たされる時間がある。病院で子猫が3時間も泣き続けているところを見つけ、保護し、育てることを決めた著者。思いのほかやんちゃな猫で、家のあちこちを壊されつつも、家族全員が猫との生活を楽しむ様子が描かれている。

『茶トラのやっちゃん』(類/KADOKAWA )はXに投稿していたマンガが人気となり書籍化されたものである。

マンガの魅力は、ほのぼのとしたイラストと温かいエピソード。やっちゃん(八千代からやち)と名付けられた猫の愛らしい姿や、家族との触れ合い、そして日常の些細な出来事から生まれる笑いや感動が、読者を心温まる世界に引き込んでくれる。あらゆる角度からの猫のイラストや写真も満載で、ほっこり幸せな気持ちになれることも魅力のひとつだ。

猫と生活している人にしかわからない「へえ」も多い。子猫はおでこから甘い匂いがすること(個体差あり)、完璧なフォルムのおしり、手を見ると表はクリームパン、裏は猛禽類のよう、お腹がたるんでいるのは太っているのではない、など実際の猫で確認したくなる情報も興味深い。

育ててみると意外にも活発でやんちゃなやっちゃん。障子破り、外に脱走、あらゆる物を破壊するが、憎めない愛らしさ。トイレ事情もあり、不満があるときは「おしっこストライキ」(あちこちに粗相をする)、ウンチの後に全力疾走する「トイレハイ」もまいったな…とは思うも、怒りにならないのは、やっちゃんにハートが満たされているからだろう。

すでに家にいたラブラドールのウッちゃんやクサガメに対して常に強気なやっちゃんの態度が「猫あるある」でくすっと笑える。

面白い点は、やっちゃんの行動のあれこれを他のマンガのシーンに例えているところである。全力疾走で走る様子を車のマンガのワンシーンに、他の猫に対して素っ気ない態度をとるマンガのワンシーンに。そのマンガのイラストも「ああ、あれ」と、マンガ好きなら思い出せるものが多く、別の楽しみもある。

初めての猫との生活に戸惑っていた家族にも少しずつ変化が現れ、家族の絆や温かさを感じることができる。主人公の類さんは仕事の疲れでパニック障害を発症した。休養から少し回復してきたところでやっちゃんと出会い、完治。やっちゃんを保護して助けたはずが自分が助けられ元気になる。短気だった父はまるくなり、母も猫好きに。認知症が進み、自宅で過ごす時間が多い祖母はよく笑うようになった。

猫との生活は「とほほ」や「痛い!」もあるが、それ以上に心温まるものがある。猫好きな人や猫に癒やされたい人、猫を飼ってみたいなと考えている人に特におすすめしたい。また、日常の中にちょっとした幸せや笑いを見つけたい人にもおすすめである。

本作は3巻まで続き、筆者はひとり暮らしになり、やっちゃんにプラスちーちゃん、ももちゃんと3匹の猫と生活することになる。個性あふれる猫たちの愛らしい姿と触れ合いから、感動や発見が味わえるエピソードが満載である。心温まるストーリーに触れてみてほしい。

文=ネゴト/ 松永つむじ

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