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【女子旅 台湾】 台北郊外「大渓」で過ごすおいしい街歩き&お土産探し:エッセイスト柳沢小実さんの台湾旅行記 第3話

  • 2024.6.10
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リンネルの創刊から誌面を一緒に盛り上げてくれている、エッセイストの柳沢小実さん。旅行がライフワークで、旅に関する著書も多い小実さんが、久しぶりに台湾へ行ってきました。今回は、台北から少し足を延ばして行ける郊外の旅について綴っていただきました。

柳沢小実さん

エッセイスト。リンネルの創刊当時より、インテリア、丁寧な暮らし方、旅について、多数取材。暮らしや旅についての著書は30冊以上。最新刊『わたしのごほうび時間 大人のゆったり旅』(大和書房)が発売中。

案内してくれた人は……

許芝瑞さん

38歳、大渓出身。nafl|₁₀nE a fabric laboratoryで織物開発を担当。
友達に紹介してもらって、もうすぐ10年。お互いが台湾や東京に行くときに遊んだりごはんを食べたりしいる仲です。

「ファッションは、動きやすくてスポーティなメンズの古着が好き。顔が女性っぽくて性格はボーイッシュだから、ボーイッシュな無地の服を選んでいるのだとか。スタイリングはソックス→シューズ→服という順番で考えることが多くて、今日はソックスの黒と合わせて黒い服をチョイス」

トップ:チャンピオン古着
ボトム:リーバイス古着
シューズ:VANS
ソックス:nafl(宵月3/4ソックス/iij-0011)

レトロな街並みが美しい大渓老街へ

台北を拠点に活動する、アートな靴下が人気の「nafl|₁₀nE a fabric laboratory」の許芝瑞さんに案内してもらって、台北市の南西に位置する桃園市・大渓へ日帰りショートトリップ。朝、台北から車で向かい、牛肉麺のお店でお昼を食べたその後のできごと。

桃園市大渓とは?

かつての繁栄がうかがえる大渓老街、和平路。老街(ラオジエ)とは、日本統治時代やその前につくられた古い街並みのこと。建物上部には細かなレリーフがほどこされ、そこには屋号などが刻まれています。1920年前後につくられた大渓老街は、石炭や木材、樟脳、茶で栄えた商家の富の象徴で、街屋と呼ばれるこれらの建物は、道に面した表側が店舗で奥が住居になっています。私はひんやりとした質感の古い建物が好みなので、もしも老街の一角に住めたら……と、夢想しながら歩いていました。

「頼媽媽伝統豆花 体育館本店」

老街を散策して、お腹がこなれたところでおやつを食べにいきましょう。友達が体育館一階の一角にある豆花店「頼媽媽伝統豆花 体育館本店」へ連れていってくれました。この豆花店は、彼女が子どもの頃からずっと同じ場所に店を構える地元の名店で、大渓エリアに数店舗あるそうです。

大渓の名物のひとつは豆製品。豆花は大豆を水に6時間以上浸して柔らかくし、それをすりつぶして豆乳などに加工して固める、という製造工程です。豆花のみならず、豆製品にとって水が何より重要だからこそ、水が綺麗な大渓の特産品になりえたのでしょう。

この豆花、雑味がなくてさらりと軽く、水のようにするすると口に吸いこまれていきます。豆の香りが濃いものの、スモーキーさはない清らかな豆花。これを目当てに大渓を訪れる人が多いのも納得です。豆花が好きな方はぜひとも、足を運んでみてほしい。豆花観が変わります。

友達は普段は二号砂糖のシロップのみで食べているそうですが、この日はハトムギとQQ(モチモチ、という意味)餅をトッピングしていました。これをお昼をご一緒したご夫妻の家へお礼がてら持っていって、みんなでお茶を飲みながらいただきました。

ご夫妻の自宅は、老街のメインストリートに面した一軒。建物に入ってすぐが来客を迎える応接スペースで、その向こうにキッチンが見えます。応接スペースにはお父さんが座る定位置があって、その傍らに大きな甕が置かれています。甕には半月分ずつ山に汲みにいっている水が入っていて(!)、それでお茶を淹れてくださいました。

大渓で外せないお土産は

しばし歓談した後に、ショートトリップのもうひとつの楽しみであるお土産選びに出かけましょう。

台湾基督長老教会(大渓教会)。

ゴシック様式の尖塔と赤レンガ壁が特徴のキリスト教の教会で、大渓のランドマークです。

右が大渓名産の黄金泡菜。

ここ大渓は黄金泡菜も有名です。泡菜(パオツァイ)とは漬物のことで、黄金泡菜は豆腐を発酵させた豆腐乳で発酵させたものだそう。ここ大渓で初めて食べましたが、ニンニクもガツンときいていて、箸が止まらなくなりました。

そして、豆干もお忘れなく。豆干は固めの豆腐を圧縮して脱水して味つけし、かまぼこのような弾力があります。肉や野菜と合わせて炒めたり和えたりと幅広く使われて、もちろん切って醤油などをつけるだけでも美味しくいただけます。

ちなみに、このときは時間がなくて買えませんでしたが、“貧乏人の月餅”と呼ばれる伝統菓子「月光餅」も、有名なご当地おやつです。日本統治時代に生まれたお菓子で、皮と餡の比率は1:8。中にさつまいも餡が入っていて、子どもはもちろん、農作業が忙しいときのおやつとしても食べられているそう。次回はぜひともこのお菓子を買いに訪れたいです。

高台から、川を眺める

夕暮れの頃、「桃園大渓木芸生態博物館」の高台から川を眺めました。夕焼けに照らされた風光明媚な風景に、台湾を愛おしく感じる理由が詰まっている気がします。私ももっとシンプルに、しなやかに生きたいものです。

さて、次回は台北郊外のもうひとつの街へショートトリップ。引き続き、のんびりした街歩きにおつき合いくださいね。

text : Konomi Yanagisawa
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