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「イカゲーム」主人公役で世界を席巻イ・ジョンジェとは?「スター・ウォーズ」最新作では“ジェダイ・マスター”好演

  • 2024.6.9
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「スター・ウォーズ:アコライト」第2話より ディズニープラスにて独占配信中 (C)2024 Lucasfilm Ltd.
「スター・ウォーズ:アコライト」第2話より ディズニープラスにて独占配信中 (C)2024 Lucasfilm Ltd.

【写真】韓国人初のジェダイ・マスター、イ・ジョンジェが演じるマスター・ソル…見事なライトセーバーさばき

6月5日にディズニープラスで日米同時配信開始された「スター・ウォーズ」最新ドラマシリーズ「スター・ウォーズ:アコライト」。この作品で物語の重要なカギを握るジェダイ・マスター“ソル”役を任されたのが、韓国の人気俳優イ・ジョンジェだ。今でこそドラマ「イカゲーム」(2021年)で見せたジャージ姿のイメージが強いジョンジェだが、実はそれも、大胆なイメージチェンジ後の姿。長いキャリアを経て、ベテランの域に達した今も新たな挑戦を続けるジョンジェのキャリアを振り返る。

国民的ドラマ「砂時計」でブレイク

1972年生まれ、現在51歳のイ・ジョンジェのキャリアのスタートは、1993年頃。高校卒業後、モデルを経てチョコレートのテレビCMに出演したことがきっかけだ。20歳のジョンジェが長身に黒い革ジャンを着込み、チョコレートをかじりながらスタイリッシュにエレキギターをかき鳴らす姿が当時話題になり、このCMをきっかけにジョンジェは本格的に演技の世界へ進んだ。

1995年、国民的ドラマ「砂時計」に出演。最高視聴率60%超、ドラマ放送時間には街から人がいなくなったというこの作品で、ジョンジェはヒロインを守り抜く寡黙なボディーガードの男ペク・ジェヒを好演。お茶の間の人気者となった。

1999年には、映画「太陽はない」に出演。純朴なボクサーと虚勢を張った野心家の青年の友情と青春を描いた同作で、野心家ホンギを演じたジョンジェは“韓国のアカデミー賞”と言われる青龍映画賞の主演賞を史上最年少で受賞した。ちなみに、ボクサーのドチョルを演じたチョン・ウソンとはこの作品で初共演。やがて共同で芸能事務所を設立するほどの盟友となっていく。

背中で語り、目で黙らせる演技力

その後もジョンジェは、作品数は多いほうではないものの、一つ一つの作品で存在感を見せてきた。中でも、俳優生活20年を迎えた2013年に立て続けに公開された映画「新しき世界」と「観相師-かんそうし-」に、円熟期に達した彼の魅力が凝縮されている。

「スター・ウォーズ:アコライト」キービジュアル ディズニープラスにて独占配信中 (C)2024 Lucasfilm Ltd.
「スター・ウォーズ:アコライト」キービジュアル ディズニープラスにて独占配信中 (C)2024 Lucasfilm Ltd.
「スター・ウォーズ:アコライト」第2話より ディズニープラスにて独占配信中 (C)2024 Lucasfilm Ltd.
「スター・ウォーズ:アコライト」第2話より ディズニープラスにて独占配信中 (C)2024 Lucasfilm Ltd.

主演作「新しき世界」では、韓国最大のマフィア組織に潜入捜査する警察官ジャソンを演じた。潜入捜査は8年に及び、ジャソンは警察官としての上司カン課長(チェ・ミンシク)と組織の兄貴分チョン・チョン(ファン・ジョンミン)への忠誠の間で揺れ動く。その悲哀を、ジョンジェが深みのある演技で魅せた。スマートな体躯にダークスーツ姿が映え、苦悩のにじむ背中も多くを物語る。人気俳優チェ・ミンシク、ファン・ジョンミンとの見応えある演技対決も話題となり、同作は470万人動員のヒットとなった。

顔を見るだけでその人物のすべてを見抜く天才観相師ネギョン(ソン・ガンホ)の戦いを描いた「観相師-かんそうし-」では、その顔に“逆賊の相”を刻んだ王の弟・首陽大君を演じた。とりわけ存在感を発揮したのは、ネギョンが首陽大君を一目見て、あまりの邪悪さに恐れおののくシーン。ジョンジェは、相手を射抜くような眼力とわずかに口角の上がった口元で大君の“逆賊の相”を表現し、ストーリーに説得力を与えた。

印象激変!韓国視聴者をも驚かせた「イカゲーム」

そんなジョンジェの近年最大の代表作が、2021年に全世界公開されたドラマ「イカゲーム」だ。生き残るために残酷なデスゲームを続ける人々を描いた同作で、借金取りに追われる自堕落な男ギフンを演じた。

俳優イ・ジョンジェを知る韓国映画ファンたちが驚いたのは、ギフンのキャラクター。スーツの似合う寡黙でクールな人物や高貴な王族のイメージが強かったジョンジェが、「イカゲーム」では終始、白髪まじりのボサボサ髪にジャージ姿。生きるため這いつくばって脂汗をたらしながらデスゲームに没頭する姿はそれまでのイ・ジョンジェ像をぶち壊すに十分なインパクト。冒頭、10万ウォン欲しさにコン・ユ演じる謎の男と“めんこ対決”をし、何度もビンタされる姿も強烈で、視聴者をドラマに引き込んだ。

ストーリーの面白さや完成度、ゲーム参加者たちそれぞれのドラマも魅力的で、「イカゲーム」は公開後、世界を席巻。主演のジョンジェは「第74回エミー賞」でアジア人初の主演男優賞を受賞し、世界に名を轟かせた。

「スター・ウォーズ:アコライト」でイ・ジョンジェが演じるマスター・ソル ディズニープラスにて独占配信中 (C)2024 Lucasfilm Ltd.
「スター・ウォーズ:アコライト」でイ・ジョンジェが演じるマスター・ソル ディズニープラスにて独占配信中 (C)2024 Lucasfilm Ltd.

ジェダイ・マスター役のきっかけも「イカゲーム」だった

最新作「スター・ウォーズ:アコライト」で描かれるのは、「スター・ウォーズ/ファントム・メナス(エピソード1)」よりもさらに約100年前に遡ったジェダイ黄金期の物語だ。

その中で、韓国人として初めてジェダイ・マスターを演じることになったジョンジェ。実はこの「―アコライト」への出演も、「イカゲーム」があったからこその指名だったという。「―アコライト」の脚本を書いたレスリー・ヘッドランドは「ソルのキャラクターを書いている時にちょうど『イカゲーム』が配信されて、彼がソルだと確信しました」と明かしている。

ジョンジェ自身も、この挑戦に並々ならぬ覚悟で臨んだ。全編英語のセリフをこなすため、撮影の数カ月前から4人のコーチについて英語の発音をみっちり特訓。もともと剣術をはじめアクションスキルには定評があったが、ライトセーバーのスキルは全く別物だと考え、撮影2カ月前から入念にトレーニング。さらに、「スター・ウォーズ」の世界観とジェダイへの理解を深めるため、全作品を徹底的に見直して分析し、役を作り上げた。

挑戦し続ける男イ・ジョンジェ

ジョンジェの挑戦は、とどまるところを知らない。2023年には盟友チョン・ウソンとのW主演作でもある「ハント」で映画監督デビュー。こちらも、第43回青龍映画賞ほか数々の映画賞で新人監督賞を受賞するなど高く評価されている。待望の「イカゲーム」シーズン2も制作が進んでいる。

ディズニープラスでは現在、スター・ウォーズ過去作も配信中。俳優生活30年を超え、ベテランの域に到達しても挑戦し続けるイ・ジョンジェが「スター・ウォーズ:アコライト」の世界にどんな味を加えていくのか見届けたい。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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