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裏切り相次ぐ“エグい展開”に目が離せない…視聴者を最も驚かせた新事実とは? 『Believe 君にかける橋』第7話考察

  • 2024.6.9
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『Believe -君にかける橋-』【番組公式Instagramより】

前回、黒木(竹内涼真)に、その身柄を確保されながらも、護送中にその黒木の“アシスト”によって、再び「脱獄囚」となった狩山(木村拓哉)。

なぜ黒木は狩山を逃がしたのか。

そこには、龍神大橋崩落事故で死亡した黒木の兄・若松(竹内涼真:二役)が事故とどう関係し、ことの真相を握っていたのか。第7話で物語は急展開を見せた。

狩山は、龍神大橋崩落事故が意図的に仕組まれた人為的な事故だと勘付き始める。

一方、黒木は自身が事故の被害者遺族である事実を隠していたことと、狩山を逃がせたことを理由に自宅謹慎を言い渡される。しかも、狩山の護送に同行していた梶田(片山友希)の監視付きだ。

ガンを患う狩山の妻・玲子(天海祐希)は入院を先延ばして、夫が脱獄してでも取り戻そうとした無実の証拠を入手するため奔走し、入院中の狩山の部下・南雲(一ノ瀬颯)を訪ねる。

狩山は、信頼していた帝和建設の社長・磯田(小日向文世)に電話を入れ、事故の真相を聞き出すため、磯田の指定した場所へ向かう。しかし現れたのは弁護士の秋澤(斎藤工)だった。磯田は、東京都知事の榛名(賀来千香子)と会食しており、榛名は「東京を“大掃除”する」と大言壮語を吐く。磯田は会食中でも、狩山からの着信が気になって仕方ない様子だ。

竹内涼真(東京コミコン2017より)
竹内涼真【Getty Images】

秋澤は狩山に「もう逃げられない」と告げるも、1次下請けの坂東組社長・坂東五郎(北大路欣也)の証言がカギを握ると語る。

狩山はすぐさま坂東の元に向かおうとするが、秋澤はあくまで狩山を出頭させようとする姿勢だ。「狩山の弁護士」を自任していた秋澤だが、信頼を失った狩山から「あなたを解任します」と告げられてしまう。

黒木を尾行していた梶田は、あっさりと身バレ。ともに狩山を追うことになる。狩山は、黒木に与えられた携帯で「刑務官の林(上川隆也)について調べてくれ」と黒木に依頼する。

一方、玲子は狩山から着信があったことを秋澤に話すが、秋澤は狩山に解任されたことを告げ、もうこれ以上この問題に関わらないと話す。

狩山は坂東組10周年のパーティーに潜り込み、坂東への接触に成功する。狩山は坂東に事故の真相を聞き出す。「この事故を仕組んだのは若さん(若松)だ」と告白する。

坂東も若松も、当時、経営不振に苦しめられており、事故を装ったという。狩山はこの事実を警察に話すよう、坂東に懇願する。

俳優の斎藤工
斎藤工【Getty Images】

警察が捜査網を一層強化し、都内は検問所だらけとなった。刑務官の林について調べていた黒木が、梶田の助け舟によって、林が6年前の刑務官宅放火事件の被害者であることを知る。この二つの事件の裏に、榛名都知事の関与があるのではと疑念を持ち始める。

一方、磯田、秋澤と会食をしていた榛名都知事は、龍神大橋建設から帝和建設を外すと一方的に通告する。官僚時代からの仲だったのだが、「ご苦労様でした。先輩」のひと言であっけなく切り捨てたのだ。磯田は苦虫を嚙み潰すしかなかった。

坂東には帝和建設の常務・桑原(岩谷健司)が近付き、真実を話せば坂東組は潰れると脅しをかける。これによって坂東は告発を断念することになる。

坂東は、崩落事故を先導したのは専務の桑原であり、その裏には社長の磯田、そしてさらに奥には、もっと強大な権力があるはずだと狩山に私見を述べる。

「人生を怒りや恨みで無駄にするな」と狩山に刑期を終えるように説得するも、狩山は納得しない。坂東は、狩山たち発注側のゼネコンと自分たち受注側の下請け業者の間には埋められない溝があることを訴えるが、狩山は「俺はただの橋屋です」と言い残し、坂東の元を去る。

天海祐希
天海祐希【Getty Images】

玲子が来てからしばらくして、南雲は婚約者の本宮(山本舞香)に、「俺が部長を裏切った。裏切り者は自分だ!」と告白する。若松に“手付金”を渡したのは自分だと白状したのだ。

ここまでの経緯から、龍神大橋崩落事故における陰謀について、何も知らされていなかったのは、設計者の狩山だけだったということがわかる。

黒木は、玲子を訪ね、自分が狩山と会い、わざと逃がしたことを話す。黒木から、狩山がもう自分からの連絡に応じなくなったこと、推測が正しければ狩山は危険な状態に置かれていることを聞かされた玲子は、その場で狩山に電話する。

電話にでた狩山は、「まだ離婚届持っているか…。俺と別れてくれ」と玲子に告げるのだった。

「裏切り」に埋め尽くされた印象の第7話だったが、最も驚かせたのは、南雲の自白だろう。“手付金”という名の裏金を渡す役割を託され、結果、社運を賭けたプロジェクトを台無しにしたのだ。

仮にも大手ゼネコン勤務の南雲にとって、カネに困っていた若松とは違い、目的は不明のままだが、大会社の歯車として悪事に加担させられたと見るのが自然だ。そのバックには榛名都知事の存在が見え隠れするパートだった。

木村拓哉
木村拓哉【Getty Images】

次回の予告映像では、崩落事故について、帝和建設が会社絡みで関わっていることが狩山の声で明かされ、「私を脅すつもりですか!」と叫ぶ榛名都知事の様子が映されている。

さらには、狩山を自宅に戻るように説得した玲子の傍に梶田がおり、「狩山を騙すことになりますが、宜しいですか…?」と発言していることから、狩山はついに玲子からも裏切られる予感を醸し出している。

本作のメインテーマである「龍神大橋」建設の一大プロジェクトを失敗に導いたものは誰なのか? その目的は? そして、事故によって誰が得をしたのか…。

裏で榛名都知事が暗躍していたとすれば、自ら肝いりの事業を大事故で幕引きする意図はどこにあるのか…。物語も大詰めを迎え、裏切りの連鎖と、強大な権力にたった独りで立ち向かう狩山の闘いの行方に注目が集まる。

加えて、一刑務官でありながら、榛名都知事と通じていた林の動向も気になるところだ。やはり、龍神大橋崩落事故と、林家への放火事件には繋がりがあるのか。この伏線をどう回収していくのか、次回も固唾を呑んで見守ることになりそうだ。

(文・寺島武志)

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