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世界からお届け!SDGs通信 台北編。IT大国ならではの電動バス推進政策

  • 2024.6.8
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世界からお届け!SDGs通信 台北編。二酸化炭素の排出量削減のため、2030年までに路線バスをすべてEV化

二酸化炭素の排出量削減のため、2030年までに路線バスをすべてEV化

バス路線網が縦横無尽に張り巡らされている台北。大気汚染が長年の問題となってきたが、台北市では二酸化炭素の排出量を削減するため、2018年から「台北市電動バス推進計画」を実施。耐用年数に達したディーゼルの中古バスを電動バスに置き換え、2030年までには路線バスを全面的にEV化する予定だ。

近年、台湾では電動バスの開発が急ピッチで進められており、iPhoneを受託生産する〈鴻海〉ではグループ会社〈Foxtron〉が開発と生産を手がけている。銀色と黒の近未来的なデザインで、話題の車体「MODEL T」は2022年に日本のグッドデザイン・アワードを受賞している。

肝になる充電設備に関しては〈成運汽車〉が高速充電設備を開発。15分で電池の残量が20%から80%になるという高機能なものであり、継ぎ足し充電や発熱に関しても、最先端の技術が用いられている。

2024年1月からはバス会社〈大都會客運〉が台湾初の室内充電ステーションの運用を開始。これは高度なAI火災検知および通報システムを兼ねており、搭載されたセンサーが煙を検知すると、瞬時に管理スタッフへメッセージが伝えられ、警報を発することができる。

IT大国の強みを生かし、強力に進められていく電動バス事業。長年、台湾の人々を悩ましてきた空気汚染の問題も、過去の話になっていくかもしれない。

フォクスコン〉の「MODEL T」
ひときわ目立つ〈フォックスコン〉の「MODEL T」。
室内の充電ステーション
IT技術が駆使されている室内の充電ステーション。
〈成運汽車〉が開発した車体
〈欣欣客運〉は〈成運汽車〉が開発した車体を使用。
「MODEL T」の車内
乗り心地もよい「MODEL T」の車内。

Information

台北市電動バス推進計画

2024年2月時点で台北市には29カ所のバス充電ステーションがあり、35路線で650車両の電動バスが運行されている。これは市バス全体の約20%を占める。

profile

片倉真理

かたくら・ まり/台湾在住ライター。雑誌や書籍の執筆・企画などに携わる。著書に『台湾旅人地図帳』『台湾探見』など。雑誌『&Premium』の「&Taipei」は連載丸5年を迎える。『CREA Web』でも台湾土産に関する連載をもつ。

Instagram:@marikatakura

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