1. トップ
  2. 恋愛
  3. 東大生・松丸くんと教育界のカリスマが集合!

東大生・松丸くんと教育界のカリスマが集合!

  • 2024.6.8

「答えがない時代」って?

謎解きクリエイターとしてTVや書籍で人気の東大生、松丸亮吾さんの新刊が、教育熱心なママパパの間で注目されています。タイトルは、『答えがない時代の新しい子育て』。松丸くんの書籍といえば謎解きドリルが有名ですが、この新刊は、なんと松丸くんと教育界で活躍する10人の対談集です。

“まだ子どもがいない東大生の松丸くんの子育て本って何なの?”と思ってしまった方、実は私もそうだったのですが、最後まで読んだ今思うことは、そういう固定観念を払いのけることこそ、「答えがない時代」には大切なんだということ。

実際、この本を読んで最初によかったと思ったのは、松丸くんと対談相手の10人、計11人の方が、どんな子ども時代を過ごしたか、親御さんはどんなふうに接していたかがわかったことでした。すごく参考になりました。対談相手はほぼ40代から60代の方々ですが、育ち方も親御さんの個性もてんでバラバラ。ただ、それぞれに個性的で型にはまらない親御さんというあたりが共通点だと感じました。

勉強への接し方、ゲームへの対処法

本書に登場する松丸くんの対談相手は、ユニークな学習塾の代表、教育関連NPO法人の代表、学校改革を成功させた校長、教育・情報・脳科学などの研究者、学習動画配信サービス「スタディサプリ」を提供する研究所所長、数学者兼ジャズピアニストと多士済々。みな教育関連の活動をしている方ですが、それぞれのプロフィールを読むと20年前とはずいぶん活動領域が違っています。そんな活動の中身を知るだけでも、時代が急速に変化していることを実感させられます。

対談の中には、ドキッとしたメッセージがたくさんありました。そのほんの一部をご紹介しましょう。

今の時代を生きる子どもたちに、正解主義にとらわれない大人になってもらうためには、本当にその子に向いていて、熱中できるものを見つけてあげることから始まると思います。(花まる学習会代表 高濱正伸さん)

今の親って、「~でなければならない」という、たくさんの「マスト」を握りしめているように感じます。でも、「こうでなければならない」というのは、どこからか仕入れてきたひとつの価値観に過ぎないんですよ。(探求学舎代表 宝槻泰伸さん)

僕の周りにいる東大生はほぼ全員、ゲームをしています。僕が知っている東大生でゲームをしたことがないという人は1、2割ぐらいかな。(松丸亮吾くん)

子どもたちが外でできなくなったことを、デジタルゲームの世界でカバーしている一面もあるんですよ。ゲームはすべて駄目だと言ってしまうと、子どもたちの遊びの機会自体を減らしてしまう。(ゲーム学習論研究者 藤本徹さん)

既にプログラミング教育を導入している学校の先生から聞く感想のなかでいちばん多いのは、「手を動かしながら学ぶことになるので、試行錯誤をしながら主体的に学習する態度が育まれた」という声なんですよ。(CANVAS代表 石戸奈々子さん)

親や教育者に意識してほしいのは、子どもに「この世界はおもしろい、だから生きる価値がある」と、暮らしや学校生活を通じて感じてもらうことです。目線が「自分」という内向きになってしまうと、「自分に才能がないから生きていく価値はない」と考えてしまう危険性がありますよね。(教育学者 斎藤孝さん)

マニュアル的にできることは、もうある程度AIに任せてもいいと思うんです。それよりも、ストレートには見通せない世界で、マニュアルにならないものをどう生み出すのかという創造性の部分がこれからの時代は大切。マニュアルから外れた学びにこそ、喜びや愉しさがあると思います。(数学者・ジャズピアニスト 中島さち子さん)

私は、他人から褒められるのを求めるのではなくて、自分で自分を褒める体験を持っている人間が成長すると思うんですよ。(横浜創英中学・高等学校校長 工藤勇一さん)

終身雇用制がもうほとんど終わりつつあり、今後は、案件・契約・プロジェクト単位の仕事が増えてきます。そうなった時、自分が好きだったり得意だったりするものがわかっていて、突き抜けていないと声をかけてもらえない可能性があります。(中略)だから平均的に全教科の点がとれる人じゃなくて、凸凹のある人がこれからは求められると思います。(スタディサプリ教育AI研究所所長 小宮山利恵子さん)

子どもの「好き」を引き出して伸ばしていこう

本書を読んでいくうちに、今、教育界にどんな動きがあるのか、第一線で活動している方々はそこで何を感じ、どんな未来を予測しているのか、おぼろげながら見えてきました。その大きなうねりの中核には情報技術の革命的な進展があり、キーワードはAI、プログラミング、そしてゲームでしょうか。子育てに関連していえば、過去のマニュアルはほとんど役に立たないということも言えるかもしれません。

話題が多岐にわたった10人との対談を総括して、松丸くんは、全員に共通している考え方をひとつあげています。それは、「子どもには好きなことをやらせよう」ということです(「おわりに」より)。確かにそのとおりだと思います。だって子どもは好きなことは熱中するし、あっという間にマスターしますよね。とすれば、今や、子どもの「好き」をどのように引き出してサポートしていけるのかが、子どもの未来を成功に導く子育ての鍵ではないでしょうか。

書名にある「答えがない時代」って、どこかに答えがないかと探してもどこにも見つからない、だからわが家だけの、わが家ならではの「答え」を作っていこうということかもしれませんね。

松丸くんが教育界の10人と考える「答えがない時代の新しい子育て」
著/松丸亮吾 小学館刊 定価1,650円(税込)

謎解きクリエイターで東大生の松丸亮吾氏が、教育界の10人のカリスマたちと語り合う。「良い大学を出て良い企業に就職すれば安泰」というモデルが通用しなくなった現代は、「正解」がどこにもない時代。そのなかで、自己肯定感の高い子に育てるための親のかかわり方、これからの学習のかたちなど、教育や子育てについて納得の話が飛び出します。実際に、教育の現場で子どもたちを相手に活動し、世界中の実証データを研究する専門家ならではの説得力ある教育論が満載です。

【10人の先生たち】高濱正伸さん(花まる学習会 代表)/宝槻泰伸さん(探究学舎 代表)/藤本徹さん(ゲーム学習論研究者)/石戸奈々子さん(CANVAS代表)/齋藤孝さん(教育学者)/中島さち子さん(数学者・ジャズピアニスト)/工藤勇一さん(横浜創英中学・高等学校校長)/中室牧子さん(教育経済学者)/小宮山利恵子さん(スタディサプリ教育AI研究所所長)/篠原菊紀さん(脳科学者)

今の教育を語るにあたり、このうえないほど豪華な10人の先生方にご登場いただくことができました。みなさん第一線で活躍なさっている先生方なので、語る内容は具体的な実証やデータに基づいています。だから説得力がハンパない! 一方、松丸さんも謎解きから発展して、子どもたちが「考える楽しさ」を体験できる教育事業もスタートするなど、未来を担う子どもたちに向けた教育の大切さを強く感じています。子育てに迷うお母さん・お父さんにも、納得して膝を叩く内容、思わず目からウロコの内容が満載。参考になるフレーズがきっと見つかることと思います。<編集者からのおすすめ情報>より

元記事で読む
の記事をもっとみる