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使い過ぎはうつ病や幸福感の低下にも……SNS疲れを予防する6つの方法

  • 2024.6.10
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SNSとのちょうどいい付き合い方を、専門家に聞いてみた。

SNS疲れという言葉にドキッとする人は少なくないのでは?

通勤中や昼休みなど、いつでもどこでも使えるSNSは便利な一方、かのFacebookでさえ「精神に負担をかける」と明言している。一方で、心を病んだ時のサポートツールとしても名前が挙がるのも事実。「SNSの使い過ぎはうつ病、不安障害、幸福感や自尊感情の低下に繋がっていることが多いです。しかし、SNSは人とつながり、心の支えを見つけたり、有意義な情報を得たりできる場でもあります」と語るのは心理学者のキンバリー・ウォルシュ。

そう、SNSは重要なライフラインにもなり得るのだ。イギリス版ウィメンズヘルスは専門家に意見を求め、自分のメンタルを大事にしながらソーシャルメディアを利用し続ける方法を探してみた。

SNS疲れを感じているなら、以下の方法を参考にしてみて。

フォローする人に気を付ける

Oscar Wong

フォローする対象は、量より質と考えよう。「対抗心や劣等感を感じてしまう人ではなく、好きと思える人、良い刺激になる人をフォローしましょう」とアドバイスするのは、総合診療医のソヘル・ロケド博士。

当たり前のことに聞こえるけれど、科学的な裏付けもある。アリゾナ大学の研究によると、SNSで心を守る秘訣は上方社会比較ができる対象、すなわちつい自分と比べてしまう人ではなく、憧れるような人をフォローすることらしい。

研究者の一人であるスティーブン・レインズは、「自分と似ている人とは特に自分を比べやすいです。たとえば近い年齢、体形、背景の人が運動についての投稿をたくさんしていれば参考になると思うでしょう。すると、自分の体重についての懸念も大きくなってしまう可能性が高まるのです」。

同じく研究者でテキサス州立大学所属のトリシア・バーク教授は、「上方社会比較は、自分より優れていると感じる人を対象にしがちです。たとえば、学校ではクラスで一番頭のいい子と自分を比べる。運動についても、運動関連の投稿を多くしている人なら、とても健康なのだろうと考えて、それをモチベーションにしていくわけです」という。

寝る前後はスマホを離す

RyanKing999

若者を研究する学術誌、Journal of Youth Studiesに掲載された研究によると、若者の5人に1人が夜中に起きてSNSでメッセージを発信・確認するのを習慣にしているという。

翌日には疲れがたまり、それが原因で幸福感や精神の健康に悪影響があるそう。データは若者についてのものとはいえ、研究から察せられることはあらゆる世代の人に当てはまる。目覚ましなどの用途でスマホを傍に置いて眠っているなら、マナーモードにしておき、寝る直前や起きた直後にSNSを見てしまうのは控えよう。

自分が落ちている時はSNSを見ない

ロケド博士によると、寂しいときや落ち込んでいるときにはSNSを見ないほうがいいそう。また、マンチェスターメトロポリタン大学のキム・ヘイズは、メンタルヘルスのサポートにSNSを使う前には、必ず医師に相談したうえではっきりした診断結果を出すべきとしている。

「ネガティブな投稿、意味深な投稿をしても、友達には愚痴っぽい印象を残すだけで、助けを求める声が届かない可能性があります。そうなってしまうと、更に追い込まれてしまうかもしれません」

利用時間を制限する

Maria Korneeva

これを意識してみると、言うのとやるのとでは大違いなのがわかる。
「脳があまり活発に動いていない移動中や待ち時間、退屈なとき、緊張していないときには、その時間を埋める効果的な方法として、脳が『SNSを見るように』と勧めてくるのです。しかし、時間をたくさん取られてしまうことも。スマホの時計を意識しつつ、SNSの利用時間を決める習慣をつけましょう。一定の時間が経ったらSNS利用を遮ってくれるように、タイマーをセットしてもよいですね」と、精神科医のジェーン・ベイトマン博士。

「SNSの理想的な利用時間は人それぞれなので、自分にとってはどれくらいがベストなのかを考えていきましょう。最初の10分だけ楽しくてそのあとはダラダラ見続けているようなら、そこがやめどきです」

とはいえ、SNSは中毒性の高いもの。一日一度くらいの時間オーバーで自分を責めすぎないように。ベイトマン博士いわく、徐々に利用時間を減らしていくのがいい。「たとえば、『1日5回ほど(仕事の行きと帰り、昼休み、午後と夕方)、時間は○分以内』と目標を決めること。目標を定めるだけでも大きな一歩です」

ログアウトできた自分を褒めてあげる

ただSNSを閉じられただけでも賞賛に値するけれど、SNSを使ったことで生まれる心への負担をなくすためにも、そこから離れる自分の肯定が大事、とベイトマン博士。

SNS利用とメンタルヘルスの悪化が結びつけられている以上、自分を幸せにできるように利用することを心がけよう。「例えば自分の良いところを3つ見つけるとか、今まで話したことのない人と会話してみるとか、誰かをほめる、親切にする、大事な人に感謝の気持ちを伝えるメッセージを送信する、バスで席を譲る、というように。ゲーム感覚でSNSが消耗する“幸せ値”を回復し、精神のバランスを取りやすくするのです」

SNS離脱の効果を期待できそうな研究結果が、ピッツバーグ大学健康科学部からも発表されている。一週間を通して頻繁にSNSをチェックしている人は、使用頻度の低い人に比べて2.6倍ボディイメージ関連の悩みを抱えているそう。容姿に自信がない女性が多いのも頷けるかもしれない。

他に楽しみを見つける

two hikers crossing stream in countryside
Dougal Waters

心を守りながらSNSを使うなら、まず画面を離れること。もちろん、21世紀に生きる私たちの生活にSNSは欠かせないものなので、いつもより頻度を減らして利用すればいい。

「今までSNSで埋めていた時間を他のことに充てられるよう、とにかく脳を再訓練することになると思ってください。脳がスマホを見たがったとき、代わりにできることをいくつか考えておきましょう。ネット上だけではなく、直接会ったり、電話したりできる人を探してもよし。読書や趣味の追及など、リラックスできることをしてもよし。ただのんびりするだけでも大丈夫です」

ロケド博士は、よく使うスマホアプリを削除するのも勧めている。「開こうと思うたびにアプリをダウンロードする必要が出てくると、それに時間と手間がかかるので、SNSの利用時間を減らすことになるでしょう」とのこと。

※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text:Emma Pritchard Translation: Emi Ito Photo:Getty Images

※この記事は当初2019年に公開されたものを再編集しています。

 

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