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<季節のない街>ベンガル“たんばさん”、年長者として“街”の今後を思い手本を示すことを決意

  • 2024.6.7
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ドラマ25「季節のない街」第9話より (C)テレビ東京
ドラマ25「季節のない街」第9話より (C)テレビ東京

【写真】熊の暴れる様子を見て、驚きの表情を浮かべる池松壮亮“半助”たち

宮藤官九郎が企画・監督・脚本を、池松壮亮が主演を務めるドラマ25「季節のない街」(毎週金曜夜0:42-1:13、テレ東系※最終回の6月7日は5分拡大/ディズニープラスにて配信中)の第9話「たんばさん」が、5月31日に放送された。今回は、街のみんなが頼りにしているたんばさん(ベンガル)がメインのストーリー。街の今後に関わる大きな決断も。(以下、ネタバレを含みます)

宮藤官九郎が20代の頃から切望していた企画を映像化

同作は、山本周五郎の同名小説をベースに、舞台となる“街”を12年前に起きた“ナニ”の災害を経て建てられた仮設住宅のある“街”へ置き換え、現代の物語として再構築。希望を失い、この“街”にやってきた主人公が“街”の住人たちの姿に希望を見つけ、人生を再生していく青春群像エンターテインメントとなっている。

宮藤が20代のころから切望していた企画で、テレ東とディズニーの共同製作で実現した作品。原作小説は、1970年に黒澤明監督が「どですかでん」のタイトルで映画化したことでも知られており、映画は1972年の第44回アカデミー賞外国語映画賞(現・国際長編映画賞)にノミネートされた。

群像劇を彩るキャストが多数集結

怪しげな男の指示で、街に住む人々の暮らしぶりを報告する仕事を請け負い、猫のトラと一緒に街に潜入する主人公・半助こと田中新助を演じるのは池松。街の青年部を率いる、母親の愛情に飢えた承認欲求高めな“親思い”の次男・タツヤ役を仲野太賀が務める。

また、街の近所に住む酒店の息子で、好きな女の子目当てで街に出入りしているオカベを演じるのは渡辺大知。さらに、オカベが恋する、街で一番内気なかつ子役は三浦透子、タツヤの母・しのぶ役は坂井真紀。「どですかでん」と叫びながら“見えない電車”を毎日1人で運転する六ちゃん役は濱田岳、六ちゃんの母・くに子役は片桐はいり、六ちゃんのよき理解者であり街を見守るたんばさん役はベンガルが務める。

ほか、増子直純(怒髪天)、高橋メアリージュン、荒川良々、MEGUMI、皆川猿時、又吉直樹、前田敦子、塚地武雅、藤井隆、鶴見辰吾、岩松了らキャストが集結し、“全員ワケあり&いわくつき”の個性豊かな住人として登場する。

たんばさんは“街”のみんなの相談役

第9話、いよいよ最終回直前の回となった。今回のメインは“たんばさん”。温和で人付き合いのいいたんばさんは、どんなことにも動じず、頼れる人物。

街の人たちは、なんてことない出来事を報告に来たり、相談に乗ってもらうというか、話を聞いてもらっているというか、たんばさんに話すことで安心したりするようだ。

暴れん坊の熊(奥野瑛太)が日本刀を振り回して暴れた時も、「代わろうか? 一人じゃ骨が折れるだろう」と声をかけ、熊の肩にたんばさんが手を置いた途端、つき物がとれたみたいにおとなしくなったという出来事も。

親しみやすい“たんばさん”は謎な部分も多い

みんなの相談に乗ってくれたり、話し相手になってくれたりするたんばさんだが、謎な部分が多いのも事実。

街の人たちの会話で「若い頃は二枚目だったってウワサよ」「タケノコ族、原宿で踊ってたのよ」「聖火ランナーじゃなかった? 東京オリンピックの」とかウワサが一人歩きしていて、年齢も不詳。昭和24(1949)年生まれらしいが、本人は「62、63だったかな」と自分自身のことに無頓着。

高齢者から優先的に復興公営住宅に移れるという話をされても、「まだ62ですから」といって移る気なしというのをアピールしていた。

タツヤから“立ち退き”プロジェクトのことを聞かされる

誰の相談も受けているたんばさん。タツヤ(仲野太賀)も例外ではない。将棋を指しながら、タツヤは自分以外の家族が仮設住宅から出て行ったことをたんばさんに明かした。

そして、島(藤井隆)の会社が復興公営住宅の建設に関わっていて、島の下で働くタツヤが“立ち退き”プロジェクトの担当者になったことも伝えた。全50世帯のうち、残っているのは15世帯。これをゼロにするのがタツヤに課せられた使命。

責任を取って死ぬというタツヤに、たんばさんは止めることはせず、確実に死ねる“トリカブト”を渡した。勢いで飲んでしまったタツヤだが、気持ちが変わり、半助(池松壮亮)とオカベ(渡辺大知)にLINEを送って助けを求めた。

たんばさんの家に2人が駆けつけたが、トリカブトではなく、ヒヤシンスだったことが判明し、タツヤは一命を取り留めた。この時に、タツヤは半助がスパイをしていたことを蒸し返し、ちょっとしたわだかまりを残す様子も。

そういうこともあってか、後日、島みずから、立ち退き交渉をしにたんばさんの家にやって来た時、「私の人生、これで流れが変わるかもしれん。私は年長者だ。こういうときは手本を示さなきゃいけない」といって、「出ていきます」と立ち退きを決めた。

徐々に人が減ってはいたが、たんばさんの決意によって“街”の崩壊が大きく進むことになる。まさに、“終わりの始まり”といったところ。さて、最終回は街の人たちはどういう決断を下すのだろうか。ハッピーなエンディングを迎えられるのかどうか、気になるところ。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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