1. トップ
  2. 恋愛
  3. 《事実婚》《内縁関係》メリット・デメリットは?法律婚との違いと、覚悟しなればならないこと

《事実婚》《内縁関係》メリット・デメリットは?法律婚との違いと、覚悟しなればならないこと

  • 2024.6.7

2023年、結婚件数が「戦後最少」を更新

パートナー同士の選択肢の一つ「事実婚」
パートナー同士の選択肢の一つ「事実婚」

厚生労働省が、2024年6月5日(水)に公表した2023年の「人口動態統計」(概数)。一人の女性が一生のうちに生む子どもの数の指標となる「合計特殊出生率」は1.20となり、1947(昭和22)年に統計を取り始めて以降、最も低くなりました。

併せて、出生数も1899(明治32)年の統計開始以降で最少。また結婚の件数も、戦後最も少ない47万4717組となっています。最も多かった1972(昭和47)年の109万9984組と比べると43.2%程度にまで落ち込んでいます。

一方、「事実婚」といわれる結婚の形を選択するカップルも一定数存在します。

内閣府男女共同参画局は同局のサイト内のコラムで、「近年、いわゆる事実婚(中略)を選択する夫婦の姿が、メディアなどでも紹介されるようになってる」と紹介した上で、2021年度に実施した各種意識調査の結果を踏まえ「事実婚を選択している人は成人人口の2~3%を占めていることが推察される」としています。

法律上の婚姻関係を選ばず、あえて事実婚・内縁関係を選ぶ理由はどのようなものなのでしょうか。ライターの岩井ななさんが解説します。

内縁の妻・夫ってそもそもどんな関係?

まず一般的な夫婦関係における夫/妻は、役所に婚姻届を提出することにより法律上の夫/妻に関する権利を持っています。法律でつながった正式な「夫婦」であることを意味します。

一方で内縁の夫/妻は、婚姻届は提出しておらず、事実上“夫婦同然”の生活している状態と関係性を指します。

婚姻届を提出した夫婦はそのタイミングから夫婦となり、もしも離婚することがあれば離婚届を提出し受理されたタイミングで夫婦ではなくなります。

事実婚における夫婦関係にはこのような決定的タイミングがなく、お互いの意思をもって夫婦に相当する関係を継続させるものです。

近年では、事実婚をしたこと、または事実婚を解消したことを報告する芸能人や有名人が見られるようになりました。2024年1月、NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」で夫婦役で共演した宮沢氷魚さんと黒島結菜さんが、第1子の妊娠と事実婚を同時に発表し話題になりました。

事実婚はその件数ほど決して多くはないものの、一般的にも珍しくないものになっているようです。

内縁関係を選ぶメリットとは?

婚姻届を提出せず、事実上の夫婦として関係を築く「内縁の夫/妻」
婚姻届を提出せず、事実上の夫婦として関係を築く「内縁の夫/妻」

内縁の関係を選ぶメリットはいくつかありますが、まず思い浮かぶのが法的手続きを経ずに共同生活を送ることができることでしょう。

ひと昔前は「結婚 = 婚姻届を提出」というイメージが強くありました。しかし、特に若い世代にとっては、長く一緒にいるために必ずしも法律上の夫婦になる必然性はなく、事実婚をして一緒に生活するだけで十分と考える人もいます。

内縁の夫/妻を選ぶメリットとして、姓を変更しなくてもいいという点も挙げられます。

現在の日本では夫婦として法的手続きを済ませるにあたっては、夫婦でどちらか一つの姓を名乗らなければいけません。選択的夫婦別姓が導入されれば事実婚のトレンドにも変化が起きるかもしれませんが、このような理由からひとまず事実婚を選択するカップルもいます。

姓を変更することによって、仕事の関係者への説明や、銀行口座やクレジットカード、健康保険証などの名義変更をする必要が生じます。これらの煩雑さを伴わずに夫婦関係を築けるのも、メリットの一つと言えるでしょう。

内縁関係のデメリットとは?

デメリットとしては、まず内縁の関係は法律上の婚姻関係ではないため、法的な保護が不十分な面があります。

例えば、婚姻関係にある夫婦が離婚した際には、財産分与や慰謝料などが法律で定められていますが、内縁の関係ではそのような法的な保護が期待できません。そのため、内縁の関係で相手との間でトラブルが生じた場合、法的な手段での解決が難しいという状況が生じる可能性があります。

さらに、内縁の関係においては、共同生活を送っているとはいえ、法的な契約や権利義務が明確に定められていないため、トラブルが起きた際の法的解決が複雑化しやすいという側面も考えられます。

相手との間での合意があっても、法的な根拠が不十分であるという点は、内縁の関係における大きなリスクと言えるでしょう。

内縁の関係を選択する場合は、お互いの意思疎通や相手との信頼関係を築くことが重要です。また、将来を見据えてしっかりと話し合いを行い、お互いの意見や希望を尊重することが大切です。

(岩井なな)

元記事で読む
の記事をもっとみる