1. トップ
  2. エンタメ
  3. 瀬戸康史“公太郎”の「嘘」に深まる疑念…指輪の相手はまさかの? ドラマ『くるり~誰が私と恋をした?~』第9話考察レビュー

瀬戸康史“公太郎”の「嘘」に深まる疑念…指輪の相手はまさかの? ドラマ『くるり~誰が私と恋をした?~』第9話考察レビュー

  • 2024.6.7
  • 15528 views
『くるり〜誰が私と恋をした?〜』第9話より ©TBS

“火10”枠で放送中の生見愛瑠主演のドラマ『くるり~誰が私と恋をした?~』(TBS系)。記憶喪失となったヒロイン・まことが、手元に残った男性用の指輪を巡り恋の四角関係を繰り広げる。今回は、記憶喪失以前の律との思い出が明かされた第9話のレビューをお届け。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 評価 感想 レビュー】
ーーーーーーーーーー
【著者プロフィール:菜本かな】
メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。

『くるり〜誰が私と恋をした?〜』第9話より ©TBS
『くるり〜誰が私と恋をした?〜』第9話より ©TBS

音が止まった––––––。

あまりにも美しかったまこと(生見愛瑠)と公太郎(瀬戸康史)による“花びらキス”。食用の花をまことの口に咥えさせて、そのまま唇を奪った公太郎。正直、これまで彼のことを、恋愛慣れしていないタイプなのかな? だから素直になるのが苦手なのかな? なんて思っていた部分もあったが、すべてが“くるり”した。女の子の唇から花びらを奪い、「本当だ(甘いね)」と余裕の笑みを浮かべられる人のなかに、恋愛慣れしていない人はいない。

【写真】瀬戸康史の”大人の色気”が堪能できる劇中カット。ドラマ『くるり〜誰が私と恋をした?〜』劇中カット一覧

前回、朝日(神尾楓珠)はまことの手を掴んだあとすぐにパッと離し、「こういう時、しれっと繋いだままでいればいいんだよな、俺…」と嘆いていたが、公太郎は何枚も上手。自然にまことの手を掴み、そのまま恋人繋ぎに移行する。その流れがあまりにも完璧すぎて、惚れ惚れしてしまった。

『くるり〜誰が私と恋をした?〜』第9話より ©TBS
『くるり〜誰が私と恋をした?〜』第9話より ©TBS

年上の公太郎は、包容力と大人の余裕がたっぷりだ。そして、ほしい時にほしい言葉をくれる。たとえば、まことが指輪の持ち主に対して罪悪感を抱いてしまった時、公太郎は「忘れてる誰かを傷つけてるとしたら、俺も一緒に傷つけてるから」と言い、安心させてくれた。

また、これは細かすぎるポイントだが、デートの帰りにまことを家まで送る時に、マンションの下ではなく、家の中に入ったところまで見届ける(しかし、決して家のなかには入らない)ところも、紳士でいいなと思った。

もう、まことは公太郎に完全にノックダウンしている。律(宮世琉弥)の前ではお姉さんキャラで、好意を寄せられても適当にあしらっているのに、公太郎といる時は恋する乙女という感じ。「花、買わないけど来ちゃった! 会いたくて!」「デート行きたい。一緒ならどこでもいいんだけど」と素直に感情を吐露している。

まことはやっぱり、公太郎の前で見せる表情がいちばん可愛い。きっと、まこと自身も公太郎といる時の自分がいちばん好きなのではないだろうか。

しかし、このまま順調に恋が進まないのは、まことが記憶喪失を抱えているから。第9話終盤では、公太郎が怪しい人物なのでは? と思わせるような描写が目立ってきた。次週のあらすじに、「公太郎から自分が元カレではないと打ち明けられ…」と書いてあるということは、嘘をついていたのは確定なのだろう。

では、なぜ嘘をついたのか? まことが思い出した記憶のなかで、公太郎が「ごめん、そういうつもりで見たことないから」と突き放すように言っていた場面があったのも、気になる。やはりこのドラマ、ラブコメミステリーというだけあって、一筋縄ではいかなそうだ。

『くるり〜誰が私と恋をした?〜』第9話より ©TBS
『くるり〜誰が私と恋をした?〜』第9話より ©TBS

また第9話では、まことと律が過去に交際していたことが明らかになった。

「1年記念だから」と大きなバラの花束をプレゼントしてくれたこと。「金魚すくい、好きかも」と言ったら、すごく嬉しそうに微笑んでくれたこと。恋人繋ぎをして微笑み合い、水族館の水槽の前でキスをしたこと。そして、「好き」と言われて、「私も」と返したこと。まことは、律との思い出をすべて忘れていたことに、ようやく気が付いた。

では、なぜ律はまことと初対面のフリをしたのか。もしも、交際している最中に、まことが記憶を失ったのなら、「俺たち、付き合っているんだよ」と言えばいいはず。メンタルクリニックの井口夫妻のように、相手のためを思っての優しい嘘…という可能性もなきにしもあらずだが、だとすれば「(記憶が戻っても、戻らなくても)どっちも困るんだよな」と言っていたことの辻褄が合わなくなる。

やっぱり、律はまことが記憶を失う前に、振られた“元カレ”なのではないだろうか。そして、変な別れ方をしてしまった。その後も律はまことのことを引きずっていたので、記憶がなくなったと聞き、“出会い直し”を画策した。

だから、記憶が戻っても(=嫌な記憶を思い出させてしまうから)、戻らなくても(=楽しかった記憶まで消えてしまうから)、どっちも困る。

『くるり〜誰が私と恋をした?〜』第9話より ©TBS
『くるり〜誰が私と恋をした?〜』第9話より ©TBS

こうなってくると、引っかかるのが公太郎の二股発言だ。まことに別れることになったきっかけを聞かれた時、公太郎は「二股かけられて、振られた」と言っていた。ただの思いつきでついた嘘というのも大いに考えられるが、深掘りするなら、二股をかけられたのは公太郎ではなく律だった可能性も考えられる。

まことは律と付き合っているなかで、公太郎に恋をしてしまった。だから、律に別れを告げて公太郎に告白をしたが、まことに彼氏がいることを知っている公太郎は、「ごめん、そういうつもりで見たことないから」と冷たく突き放した…と考えると、すべての辻褄が合うような気がする。とするならば、指輪の相手は公太郎になるだろうか。

今の自分が好きな人(=公太郎)と、昔の自分が好きだった人(=律)。そして、謎のポジションの朝日。最終的には、これまで本命ムーヴをかましまくっていた公太郎と結ばれるのがいちばん収まりがいいように思うが……。最終回まであと2話。『くる恋』は、通常のラブストーリーのようにはいかないのかもしれない。

(文・菜本かな)

火曜ドラマ『くるり〜誰が私と恋をした?〜』TBS系毎週火曜よる10時放送中

元記事で読む
の記事をもっとみる