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人気Podbast『Y2K新書』のメンバー3人が語る、「私たちにマイクロショーツが必要な理由(ワケ)」。

  • 2024.6.7
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マイクロショーツ旋風が吹き荒れる2024年春夏、カジュアルからフォーマルなスタイルまであらゆるメゾンから登場。人気Podcast番組「Y2K新書」メンバー3人とともに、その魅力をお届けします。

柚木麻子

作家。2008年、『フォーゲットミー、ノットブルー』でオール讀物新人賞を受賞し、10年に同作を含む『終点のあの子』でデビュー。最新作は新たなシスターフッドの形を描いた『オール・ノット』(講談社刊)。

竹中夏海 @tknkntm

振付師。私立恵比寿中学や=LOVEなどのアイドルのほか、テレビ東京「ゴッドタン」の人気キャラクターであるヒム子や、藤井隆などの振り付けを担当。近著に『アイドル保健体育』(CDジャーナル刊)など。

ゆっきゅん @guilty_kyun

2021年に「DIVA Project」を始動し、2022年にファーストアルバム『DIVA YOU』をリリース。でんぱ組.inc、WEST.への歌詞提供のほか、映画批評やJ-POP歌姫についての執筆活動も行う。

※「Y2K新書」(TBS Podcast)とは?小説家の柚木麻子、振付師の竹中夏海、ディーバのゆっきゅんによる人気Podcast番組。「Y2Kのカルチャーが大好き」という共通点で繋がった3人が、圧倒的な知識と熱意を持って2000年代のドラマや音楽、ファッションや流行などを通じてそれぞれのY2K愛を語る。シーズン1(全12回)が、Apple Podcast、Spotifyなどで好評配信中。(現在シーズン2も配信中!)@Y2K_tbsradio

竹中 振付師の竹中夏海です。

ゆっきゅん ディーバのゆっきゅんです。

柚木 作家の柚木麻子です。

竹中 今回のテーマはなぜ私たちにいまマイクロショーツが必要なのか。そもそも本当に必要なのかということを話していきましょうか。

ゆっきゅん 日本で流行るの難しいよ、マイクロショーツは。

竹中 衣装としては全然ありだよね。ゆっきゅんだったり、ZAZYなんかも。K-Popアイドルもそれに近いものを衣装としては着ているけれど、街角に届いているのか。モードの民たちは街角に届き始めているというけれど、それがどの街を指しているのかということを話したい。

ゆっきゅん いろいろな雑誌のスナップを見ているんだけど、一般の人々の中にマイクロショーツはひとりもいなかったという事実は確認しています。

竹中 みんなが言う街角スナップの街角って青山とか?

柚木 THE Wの紅しょうがさんの優勝ネタがまさにマイクロショーツの話で。スタバを持って音楽を聴いてるようなおしゃれな女の子が、よく見るとパンツがちょっとスカートから見えていて、あの子パンツが見えていて恥ずかしいねと指を指して笑っていた方が、実はパンツ一枚で歩いている。周りが指摘しても、本人は、「いや、これはおしゃれだから!」と堂々としている。ただ、どう見てもパンツ一枚に見える。

デイウエアとスポーツウエアとスイムウエアを融合させた、意外性のあるスタイルを提案したミュウミュウ。レトロな色合いのボーダーポロとスイムウエアのショーツの組み合わせが、どこかモダンで都会的なムードに誘う。ショーツ¥114,400、ジャケット¥473,000、ロンT¥108,900、中に着たハーフボタントップ¥154,000、シューズ¥126,500(すべて予定価格)/以上ミュウミュウ(ミュウミュウ クライアントサービス)

竹中 パンツにスカートが挟まっちゃったんじゃなくて、パンツにスカートを入れていたのに、そのスカートが出ちゃってたんです、みたいなネタだったのよ。

ゆっきゅん まぁ、信じられないようなおもしろいネタなのよ。

柚木 ちゃんと帽子もパンツと色を合わせてて、これはコーディネートとしておしゃれなんだ、と本人は言うけれど、それが笑いに繋がるというネタなんです。まさに紅しょうがさんがやろうとしていることをやっている人たちがいて、あれは本当におしゃれだったんだなと腑に落ちました。

竹中 紅しょうがさんとモードって遠くにいるようで、一周して隣にいるみたいな感じ。

柚木 江口寿史さんの『ストップ!!ひばりくん!』のひばりくんって、80年代シティポップというか、ジャケットにすごく短いショートパンツをはいていたり、『きまぐれオレンジ☆ロード』の鮎川もシャツに合わせて、見えないぐらい短い丈のショートパンツを着ていて、これはマイクロショーツの先取りだったのではないかと。その時はホットパンツって呼ばれたんだよね。

竹中 なぜか男の視点が入っていて、俺たちをホットにさせるパンツっていう意味合いがあったのかな、と。80年代くらいかな、その後も「彼シャツ」とか「ボーイフレンドデニム」とか、全部に男の視点が絡んでいる。でも、マイクロショーツはそこから解き放たれているなと思う。

柚木 マイクロショーツをはいて闊歩する旬な女の子たちがいたら、ちらっと見えたことを喜ぶ層にとって大打撃だなと。女の子たちがワーッと流行りを作ることで、社会が変わることっていっぱいあるじゃないですか。たとえば、ギャルなんかも実はすごく主体的。もうモテを追求していない。メイクも盛りすぎて、可愛いとかじゃなくて、強い方向を目指している。マイクロショーツが流行ったら、日本がちょっと変わるかもしれない。女子高生なんかが、みんなマイクロショーツを装着するようになれば、エロとして搾取する側のゲシュタルト崩壊が起きちゃうんじゃないかな。

竹中 「俺たちがパンチラを見てやった」ではなく、「こちらの好きなタイミングではかせてもらう」とマイクロショーツで自分が身に着けるものの主導権を取り戻すことができる。

ゆっきゅん でもよっぽど自信がある人たちしかはけないからそれが大変だね。纏ったからといって、すぐに自信がつく服ではない。デフォルトでのディーバ性が必要。

竹中 SATC(「セックス・アンド・ザ・シティ」)の話をしちゃうけど、マイクロショーツの回あるよね。シーズン4の第2話。名作と言われている「素顔のままで」というエピソード。シーズン4自体が名作揃いなんだけど。主役のキャリーが、文化人枠として、ドルチェ&ガッバーナのファッションショーに出るという回。

柚木 そうそう、シェリル・リンの名曲「Got To Be Real」が流れるランウェイで、キャリーがマイクロショーツ姿で派手に転ぶんだよね。

竹中 そもそもフィッティングの時に着ていた衣装が本番で着られなくなって、急遽渡された衣装が、キラキラのマイクロショーツの衣装で。あのファッション大好きなキャリーでさえ、当時の感覚だと、その服を見て「嘘でしょ!」と卒倒しそうになって。そこで、辛辣な意見を言ってくれる本当の友だちをバックステージに招いて、それはサマンサなんだけど。「本当のこと言って、お世辞抜きで」とサマンサに聞いたら、「どっからどう見てもモデルよ」と言われて、キャリーはランウェイを歩くんだけど、なんと転ぶんだよね。その時に、このまんま投げ出してモデル願望を封印するか、開き直り最後までやり遂げるか、というふたつの選択があって、キャリーは後者を取った。なぜなら人は人生でつまずいた時、自分の足で立ち上がって歩かねばならないからだ、というメッセージが込められた名作回。

メンズウエアのような端正な佇まいのワンショルダーのシャツに、マイクロショーツを合わせることでセンシュアリティを添えて。シンプルなスタイルの中にも、周囲の目やルールを気にせず自分らしいファッションを楽しむという強い意志が感じられる。ショーツ(参考商品)、シャツ¥340,000、ピアス¥76,000、チョーカー¥165,000、ブレスレット¥88,000、シューズ¥313,000/以上ディオール(クリスチャン ディオール)

柚木 Mr.ビッグと結ばれなくても、あれが最終回でも良かったくらいの名作回だよ。キャリーが転んで立ち上がったことで、それを見ていた全員の心にちょっとした弾みが付く、という描かれ方をしているんだけど。インカムを付けたアジア系の女性が、ショーのチーフプロデューサーという設定なんだけど、キャリーが立ち上がった瞬間の、その女性の笑顔が忘れられない。若くないアジア系の女性が司令塔をやっているという描写も当時は新しかった。

竹中 あの時の感覚ではマイクロショーツって、キャリーですら躊躇するようなアイテムだったんだなあっていう記憶はあるよね。そこから20年以上たって、マイクロショーツを取り巻く反応が変わってきたってことだよね。

柚木 バラエティ番組で誰かがはいたら市民権を得る気がする。ひな壇で一段目ぐらいの人がマイクロショーツ姿で、それを見た司会者が「え、ちょっと待って。今日スカートはいてない!」と言い、それに対して「いや、これはおしゃれですよ!」って返して、立ち上がってくるっと回って見せて。

ゆっきゅん アンミカさんとかにやってほしいよね。

竹中 この前、フワちゃんが初めてバラエティ番組に出た時の映像を見返したんだけど、いまとあまりにも変わらなくて驚いたのね。テレビに出るのは、ほぼ初めてなのに初回からフワちゃんがすでに完成されていた。あの子「ウチのガヤがすみません!」という番組ではねたんだけど、芸人さんがいっぱい出てる中、彼女はひな壇のいちばん後ろにいたの。MCの後藤さんに「初登場、フワちゃん」と振られて、「この衣装スカートが可愛いのに、いちばん後ろだと見えなくて嫌だったんだよね」って言いながら最前列のEXITの隣に座って。この子って誰なの?という感じで空気を支配してそのまま一気にはねたんだけど、それをまるっきりマイクロショーツに置き換えてもう一度やってほしいな。「このキラキラのマイクロショーツを見せたかったんだよね」と言いながら最前列に来るフワ、視える。

柚木 フワちゃんの露出は、マイクロショーツ的だよね。エロとかではなく、見慣れることで、見ている側の受け止め方がどんどんヘルシーになっていく。フワちゃんは似合いそうだよね。

ゆっきゅん うん、フワちゃんは普通に似合いそうだし、いつものあの衣装に、ボトムスだけミュウミュウにしたらいいんじゃない?

柚木 竹中さんがこの間教えてくれた、このちゃんも似合いそう。

竹中 彼女は、紅白でanoちゃんのダンサーもやってて。このちゃんもディーバ感のある子でカッコいい。

ゆっきゅん MSGMのショーで見たメンズのマイクロショーツもすごく可愛くて。バレエシューズにシルバーのキラキラのマイクロショーツで。それはやっぱりZAZYさんがやるしかない。ちなみに私は、ZAZYさんと似合う服が似ているでおなじみなんだけどね。

柚木 40代のファッション誌を見ていると、働くお母さんが、いかに保育園とか学校で浮かずに女としての現役感を最短で出していくかの戦いみたいな、すべてがそのさじ加減の話なのよ。着たい服を着ようとかじゃなくて、働くママだからひとつだけカラフルにして、モード感を出そうとか。甘すぎない辛すぎないとか。私はそういうのがすごく苦手。小説や映画を選ぶ仕事でも、フェミニズムすぎないフェミニズム作品だったり、フェミニズムの初歩を学ぶ映画を挙げてほしいというオーダーに、そのさじ加減の話をだいたい怠く感じてしまうんだけど......。そういったママたちがマイクロショーツをはくようになったらいいと思う。マイクロショーツ保護者会、すごくいい。マイクロショーツの保護者会で、ママたちが自分たちを取り戻すの。

腰回りをシェイプしたシルエットコンシャスなジップアップブルゾンにマイクロショーツを合わせて、より洗練されたバランスへと導く。シックなオールブラックのスタイルを、モダンにアップデート。ショーツ(参考商品)、トップ¥308,000、パンプス¥148,500/以上フェラガモ(フェラガモ・ジャパン)

ゆっきゅん マイクロショーツってやっぱり脚じゃない?脚が長くないと似合わないという感じがするから、そこはいろいろな人がサンプルを見せてほしいよね。いまのところコレクションのモデルがはいているところしか見たことない。脚が綺麗で綺麗で仕方がない人がはいているところしか見てないけど、そうじゃない時どうなるのかっていうのに興味がある。

柚木 40代の普通体型の人がマイクロショーツをどうはいたらカッコよくなるのかを提案してほしい。アンミカさんみたいな、モード感がある人だったら似合うんだろうけど。私、絶対に自分はマイクロショーツをはくことはないと思ったけど、それこそいま仕事をしてる40代ママ向けのコンテンツで、マイクロショーツの人がひとりいるだけでめちゃめちゃ風通しが良くなるってことに気が付いた。急にいまっぽいコンテンツになる。

ゆっきゅん 日本だとパッと浮かばないけど、アイドルグループのキービジュアルで、何人もマイクロショーツをはいて、ドンッて出してほしいな。LE SSERAFIMは最新のティーザーで着用してましたね。

竹中 MISAMOなんかも、もうやってるんじゃない?MOMO とか。横澤夏子さんとミキティがMCの、「夫が寝たあとに」っていうテレビ朝日系のトークバラエティが毎週水曜日の深夜2時半からやってて。ママたちが主役のバラエティって珍しいの。ママの本音を語り合い、家事や育児、そしてパパに対する日頃のストレスを発散というコンセプトで。そこでマイクロショーツをはく回を普通にやってほしいな。それくらいの人たちがやらないと、スタイルのいい人たちだけが着るものになりそう。

柚木 うちのおじいちゃんのこと思い出しても、おじいさんって手足が白くて、肉が落ちてて、まっすぐで、脚が綺麗だなと思うことがある。おじいさんのマイクロショーツって流行るんじゃないかな?ミッキー・カーチスがマイクロショーツをはいたらすごくカッコいい。

ゆっきゅん 私は蓮實重彥しか思い浮かばなくて困ってる(笑)。

竹中 田中泯はどう?

柚木 田中泯、はいてそう!

竹中 田中泯がマイクロショーツをはいて農業したらすごくいい。めちゃカッコいい。おじいさんって傲慢で話が合わない人が多いというイメージなんだけど、マイクロショーツをはいていたら急に親しみが持てるよね。

ゆっきゅん 日本のストリートブランドがマイクロショーツを作った時のルックブックのモデルを、超カッコいいおじいさんにしたらいいじゃん。ディーバおじいさんね。

竹中 動ける人がいいと思うんだよね。身体性が強いというか。

柚木 まちゃあき(堺正章)はどう?爆発的に流行るんじゃない?マイクロショーツをはいて、テーブルクロス引きをやる。まちゃあきはとにかくおしゃれだもん。六本木でまちゃあきを見た時、おしゃれすぎて吐くかと思った。

装飾的なフリルがあしらわれたシアーなブラウスと、繊細なレースのショーツ。ロマンティックでありながら挑発的、アンビバレントな魅力が斬新なアティチュードを生み出す。レースショーツ¥71,500、ブラウス¥484,000、ブラ¥66,000、ブーツ¥169,400(すべて予定価格)、中にはいたショーツ¥36,300/以上ドルチェ&ガッバーナ(ドルチェ&ガッバーナ ジャパン)

ゆっきゅん 関係ないけど、昔、青山で偶然みのもんたを見かけた時、青黒すぎて怖かったよ。タクシーから突然出てきて、横切っていったみのもんたが、とにかく青黒くって怖かったんだよ。

竹中 本人というよりは、あの人の生きてきた時代そのものに対して良くない印象があるけれど、あの世代の人がマイクロショーツをはいていたらちょっと好きになるかも。急に親しみやすくなるというか、受け入れてくれるんだという意外性も含めて。

柚木 「週刊現代」あたりの雑誌で、若い女を抱く方法とか一生セックスする方法とか、中高年向けの特集があるじゃん?これからは、若い女と喋るには、マイクロショーツをはいていこう、という特集を組んだらみんな騙されて、バイアグラが流行ったみたいにブームになるんじゃない?

ゆっきゅん でもそれって、嘘のドレスコードを教えられてパーティに行く人ってことでしょ?

柚木 まさに『キューティ・ブロンド』だね。私、好きだよ。

ゆっきゅん 「今年は絶対にマイクロショーツをはいてこないと、みんなに笑われちゃうよ」って言って。笑われることを何よりも恐れる男性たちは、みんな言うとおりにしてくる。

柚木 田中泯かまちゃあきで、マイクロショーツシニアの素敵な1週間のストーリーを私が考えるから、そのとおりにファッション誌でやってもらいたい。

ゆっきゅん いま毎回バズってるやつは、柚木が発明したんでしょ?

柚木 発明したかはわからない。その当時から、奇妙な設定の1週間のストーリーはあったけど、意識的にプロが入ろうとしたのは私がパイオニアかもしれない。10年前くらいかな、全然ありがたがられなかったし、その時は私だけがはりきっていて、周りはシーンとしていた(笑)。

ゆっきゅん でも、それがいま流行ってるよ。いまって、きっと物語が必要とされているんだよ。

柚木 定年退職して、嘱託で働いている主人公。月曜日。書類が入ったケースを持って、シャツを着て、マイクロショーツ。冷えないようにブーツをはいてみる。タイツをはくのもいい。火曜日。マイクロショーツをはいてゲートボールに行ったら、いつもより動きが良くてみんなにちょっと羨ましがられた。水曜日は司馬遼太郎の研究の日。金曜日は、現役のモデルのイケてる孫が来て、「おじいちゃんめっちゃいいよそれ!」ってマイクロショーツを褒められて、一緒にそのまま街に繰り出す。

竹中 孫が投稿したインスタの写真がバズる。

柚木 #私のおじいちゃんのマイクロショーツ見てみたい。

竹中 TikTok でも、おじいちゃんおばあちゃんと一緒に踊ってみた、とかあるからいいかも。

柚木 踊るのもいいね。三世代でマイクロショーツをはこう、ってなる。

ゆっきゅん 顔も綺麗で、スタイルも良くて、いつもおしゃれでスタイリングも上手くて、という人だけのものにしないためにも、まずはおじいちゃんだね。

竹中 それくらいの人がやらないと、拡張しないかもね。

柚木 私のお友だちの清水奈緒美さんってすごくおしゃれで。パジャマとして売られてるハイブランドの服、といってもパジャマ。それを着て銀座に現れた時に、おしゃれだなと思ったんだけど、その後、ナイトウエアを街で着るというスタイルが本当に流行ったの。パジャマを着て歩いていいと思うと、ちょっと気が楽になるじゃん。だぼだぼのパジャマを着て、それでおしゃれと思われるってすごいよ。モードってそういうことでいいんだって思った。パジャマを着ていた有名人って誰だろうと思って検索したら、吉行淳之介が山の上ホテルのバーをパジャマでウロウロしていて、それが粋でモテたと書いてあって、吉行淳之介って令和にいてもバズりそうだなって思った。なんならパジャマって誰もがいつも着ているものだし、そんなパジャマを着てウロウロしてるだけでおしゃれだなんて、最高じゃん。

アイコニックなウェブストライプが配されたニットのセットアップは、纏うだけでカジュアルとエレガンスが心地よく同居したスタイルが完成。フレッシュで若々しいバランスが、リラックス感がありながらもセンシュアルなムードを叶えてくれる。ショーツ¥176,000、トップ¥214,500、ネックレス¥352,000/以上グッチ(グッチ クライアントサービス)

竹中 マイクロショーツも、パンツをはいておしゃれだと思われるんだって、みんなの気が楽になったらいいよね。

柚木 ちょっと新しいものを流行らせる手段として「つくたべ」(「作りたい女と食べたい女」)と「きのう何食べた?」の人気が定着してるし、あそこで書かれてることはみんな一回立ち止まってちゃんと聞くみたいなムーブになってるじゃないですか。「きのう何食べた?」の中で、ケンジでもシロさんでも誰でもいいんですけど、あの中の誰かがマイクロショーツをはいて現れたら、若くない男性も出てくる中で、それこそケンジがマイクロショーツをはいて美容院に行くって描写がひとつあるだけで、爆発的に流行るような気がする。もう人気が定着しているものの中でやるのがいいと思う。

ゆっきゅん アキラ100%が主演の、「おじさんだけど、キレイになってもいいですか?」っていう連続ドラマが始まったみたいだし、それこそ、美容はいま男性たちにも開かれてきてるけど、男性のファッションももうちょっと自由になってもらわないと、私はつまらなくて困る。

柚木 イギリスにいた時に思ったけど、全然ファッショナブルじゃない田舎町のセーター屋さんでさえも、男の人のセーターでピンクだけでいろいろな種類のピンクがあるの。女の人もそうなんだけど男の人のカラーバリエーションが豊富にあって、普通の人でもおしゃれになれるなと思った。これだけカラーバリエーションがあれば、ピタッとくる一枚を見つけやすいと思うし。そういう意味で、マイクロショーツをユニクロあたりが出してくれたらな。

竹中 私が思ったのは、制服の選択肢にパンツ、スカート、マイクロショーツと入れる。

柚木 でも昭和の我々にとってブルマのイメージがあるからな。ブルマって嫌じゃなかった?

竹中 ブルマは強制されていたから嫌だったんだよ。私が中学校の時にね、南中のシゲカヨ(『ハッピー・マニア』の主人公、重田加代子)こと、マリっていう友だちがいて。当時、私たちは、ブルマを強制的にはかされて嫌だねという話をしていたの。中2の時にハーフパンツが導入されて、ほとんどの子がハーフパンツを買ってそっちをはいたんだけど、マリはブルマをはいたままだったから、「マリはなんでハーフパンツをはかないの?」って聞いたら「ブルマって可愛くない?」って彼女は言っていて。主体性という言葉をその当時は知らなかったけれど、そこに主体性を感じて、自分が選択するブルマってありかも、とその時に思った。

柚木 制服の中の選択肢、として増やすっていうのはアリだね。その中学校のインフルエンサー、つまり友だちインフルエンサーみたいな子が始めてくれたら、みんな、はきたいと思うのかもしれない。

ゆっきゅん マイクロショーツがいまの日本で流行ったら、みんなの認識が変わる。日本の価値観が変わるよね。

たっぷりとスリーブを膨らませたブラウスに対して、コンパクトに身体にフィットするショーツ。コントラストのあるシルエットが描くグラフィカルなフォルムが際立つ。ショーツ(参考商品)、トップ¥282,700、ショーツ¥123,200、サンダル¥149,600(ともに参考価格)/以上クロエ(クロエ カスタマーリレーションズ)

●問い合わせ先:

ミュウミュウ クライアントサービス

0120-45-1993(フリーダイヤル)

www.miumiu.com

 

クリスチャン ディオール

0120-02-1947(フリーダイヤル)

www.dior.com

 

フェラガモ・ジャパン

0120-202-170(フリーダイヤル)

https://shop.ferragamo.com

 

ドルチェ&ガッバーナ ジャパン

03-6833-6099

www.dolcegabbana.com/ja-jp

 

グッチ クライアントサービス

0120-99-2177(フリーダイヤル)

www.gucci.com

 

クロエ カスタマーリレーションズ

03-4335-1750

www.chloe.com

 

*「フィガロジャポン」2024年4月号より抜粋

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