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【映画レビュー】『ブルー きみは大丈夫』大人にも“おともだち”が必要 6/14公開【伊藤さとりのシネマでぷる肌‼】

  • 2024.6.6

映画パーソナリティ・心理カウンセラーの伊藤さとりさんが、お肌も心もぷるっと潤う映画を紹介する連載。今回は6月14日公開の『ブルー きみは大丈夫』。子どもの頃だけ、の空想の友達“イマジナリーフレンド”が大人になっても見守っている……。もふもふで大きなブルーをはじめとする空想のお友達が消えてしまうのを、少女ビーと大人が助けるという物語。


パパ俳優二人が生み出す、子どもの夢と大人の願い

子どもらしくない子ども、という言葉を耳にすることがあります。 その裏には「無邪気さがない」=「可愛げがない」という大人から見た「子どもらしさ」の押し付けも潜んでいるんですが、よくよく調べるとそうならざるを得ない理由が子どもにもあるんです。それは「甘えてはいけない」と子どもに思わせる家庭環境だったりと事情は複雑。

この映画の少女ビーもそんな大人びた12歳の少女であり、母親を亡くし、父親も入院中という状況で、ある日、モフモフの不思議な生き物ブルーと出逢います。しかもブルーは[子どもにしか見えない空想のお友達(イマジナリーフレンド)]だったのです。 昨年、日本でも『メアリと魔女の花』のスタジオ・ポノックがイギリス人作家A・F・ハロルドの原作を元にイマジナリーフレンド達が人間のお友達を探すアニメーション映画『屋根裏のラジャー』を製作、12月に劇場公開されました。 だけど何故、イマジナリーフレンドは子どもにしか見えないのか。両作品を見て読み解けるのは、遊んで欲しいのに一人ぼっちだったりした時に寂しさから生み出されるものなのかもしれません。現にイマジナリーフレンドは児童期の子ども達の心の支えとして役立ち、学校生活で友達が出来始めると自然と消滅するものと、心理学の世界では言われています。

大人も子どもも泣ける

本作では、“子どもにしか見えないはずのイマジナリーフレンドは、本当に消滅するの?”という問いと共に、大人だって「心の支えは必要」という斬新な解釈で[大人が泣ける]映画になっているのがポイントです。その理由は俳優で本作の監督でもあるジョン・クラシンスキーが自分の2人の娘達が生み出したイマジナリーフレンド達の世界を映像にしたいと思ったことと、親子で観られる映画を作りたかったからに違いないのです。

その企画に賛同したのが『デッドプール』でも人気の俳優、ライアン・レイノルズ。彼も4児の父親なので、撮影中はビー役のケイリー・フレミングをアドリブでしょっちゅう笑わせていたそう。しかもイマジナリーフレンド達との共演シーンでは、ケイリーが演じやすいように、人がぬいぐるみを着けるなどして演じており、後からCG処理でイマジナリーフレンド達の姿を物語に映し出したとのこと。こう聞くと愛溢れる現場だったことは確か。
そんな『ブルー きみは大丈夫』は大人の方が実は号泣しちゃう映画なのでした。
——伊藤さとり

☑6月14日(金)全国公開! 『ブルー きみは大丈夫』

【あらすじ】幼い頃に母親を亡くした12歳の少女ビー(ケイリー・フレミング)は、ある日、おばあちゃんの家で、”子供にしか見えない不思議なもふもふ“ブルーと出会う。ブルーが友達だった子供はもう大人になって彼の事を忘れてしまい、居場所が無くなったブルーは、もうすぐ消えてしまう運命に。少女は、大人だけどブルーが見える隣人の男(ライアン・レイノルズ)の力を借り、ブルーの新しいパートナーになってくれる子供を探すのだった。 監督・脚本:ジョン・クラシンスキー 『クワイエット・プレイス』 シリーズ
出演:ライアン・レイノルズ『デッドプール』シリーズ、ケイリー・フレミング TV「ウォーキング・デッド」シリーズ、ジョン・クラシンスキー
声の出演:スティーヴ・カレル、マット・デイモン、エミリー・ブラント、フィービー・ウォーラー=ブリッジ、オークワフィナ、サム・ロックウェル、ルイス・ゴセット・Jr
吹替え版声優:宮田俊哉(ブルー)、稲垣来泉(ビー)、加瀬康之(カル)、浪川大輔(ビーのパパ)、三森すずこ(ブロッサム)、高島雅羅(ビーの祖母)ほか
配給:東和ピクチャーズ
©2024 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

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