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子宮がん検診って受けた方がいい?予防する生活習慣を教えて欲しい!そんな疑問について清水先生にお伺いしました。

  • 2024.6.6
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子宮がん検診って受けた方がいいってよく聞くけど、どうして?子どもがいるとなりにくいって本当?そんな疑問に、Ladies clinic LOG原宿院長、清水拓哉先生にお伺いしました。

日本の女性が一生のうちにがんと診断される確率は51.2%と報告されています。日本人女性が罹患するがんで、5番目に多いがんが子宮がんです。国立がん研究センターの統計によると、2019年には約2万9千人の女性が新たに子宮がんと診断され、約7千人が子宮がんで亡くなっています。この数字は決して無視できるものではありません。
子宮がんには大きく分けて2種類があります。1つは子宮体がんと呼ばれるもので、子宮の体部に発生するがんです。もう1つが子宮頸がんと呼ばれ、子宮の入り口である頸部に発生するがんです。この2つは発症する時期や原因が異なります。
子宮体がんは主に閉経後の女性に多く見られます。一方の子宮頸がんは、40代の女性に多い傾向にあります。つまり、お子さんをお持ちの年代に発症するがんでもあり、要注意なのです。

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子宮がんの初期症状に注意

子宮頸がんの怖いところは、初期段階では自覚症状がほとんどないことです。痛みや出血などの症状が出る頃には、すでにがんに進行している可能性が高くなってしまいます。仕事や子育てで忙しく、不正出血していてもなかなか婦人科に行けなくて病状が進行してしまうこともありますので注意が必要です。
子宮体がんは初期症状に不正出血が見られます。子宮体がんではおよそ90%の方に不正出血が見られます。生理が長い、生理と関係なく出血する場合や閉経後に出血を繰り返す場合には子宮体がんの可能性があります。比較的早期に発見することが可能です。
そのため、日ごろから体の変化に気をつけることが重要です。トイレの後にふと残血がついていた、生理と思っていたが血の量が多かった、腹部に違和感があるなど、些細な変化でも見逃さず、産婦人科医に相談しましょう。

定期検診で早期発見を

子宮がんの生存率を高めるカギは、早期発見・早期治療にあります。そこで欠かせないのが、定期的な検診を受けることです。
子宮頸がん検診では、産婦人科の医師が子宮頸部から細胞を採取します。その細胞の中にがん細胞がいないかを顕微鏡で確認する検査です。採取の際の痛みはほとんどなく、検査自体の負担も少ないのが特徴です。
自治体や雇用主による助成制度を利用すれば、無償で検査を受けることができます。また、保険適応でも1,500円前後と手頃です。子宮頸がんのハイリスク世代である20代後半以降の女性は、年に1回の検診を受けるようにしましょう。

子宮がんを予防する生活習慣

検診と併せて、日常生活での予防策も大切です。
まず気をつけたいのが喫煙です。受動喫煙を含め、タバコの煙を避けることが重要です。喫煙は子宮頸がんのリスク要因の一つといわれています。
次に、子宮頸がん予防ワクチンの接種をおすすめします。子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)に対する予防ワクチンで、13歳から45歳の女性が対象となっています。小学6年生から高校1年生に相当する年齢では公費負担で無料でワクチン接種が可能になります。お子さんがいれば、一緒にワクチン接種をすることもご検討ください。
HPVは女性のおよそ80%が一生のうち1回は感染します。ただし、そのうち90%程度の女性でHPVが自然に排除されます。何らかの要因によってHPVが持続的に感染し続け、数年~十数年かけて子宮頸部異形成や子宮頸がんを発症します。定期的な検診を行うことで子宮頸がんを予防することができます。
そのほか、ストレス解消や適度な運動、バランスの良い食事など、規則正しい生活リズムを心がけることも大切です。

【検診とセルフチェック】

子宮がん検診を定期的に受診するだけでなく、日々のセルフチェックも重要です。排尿後などにいつもと異なるおりものの状態がないか確認しましょう。
おりものが異常に増えていたり、おりものに褐色調の出血が混じっている場合も注意が必要です。また、性行為時の出血、下腹部の重苦しさや違和感なども、見逃せない症状です。
些細な変化でも気になれば、産婦人科医に相談しましょう。自分の体は自分が一番良く分かりますので、ご自身の体の調子も気にするようにしましょう。お子さんの健康と同様、ママ自身の健康にも気をつけて、安心して子育てができる環境を整えましょう。

まとめ

子宮がんは、早期発見・早期治療が可能ながんの一つです。定期的な検診で発見の機会を逃さないことが何より大切です。検診に加え、喫煙の防止や子宮頸がん予防ワクチンの接種、ストレス解消など、予防のための生活習慣も心がけましょう。体の小さな変化にも気づき、産婦人科医に相談することで、子宮頸がんを未然に防げる可能性もあります。お子さんの健康はもちろん、ママ自身の健康も守り、安心して子育てに専念できるよう心がけましょう。

執筆者

ママ広場


清水 拓哉先生

杏林大学卒業後、筑波大学附属病院で初期臨床研修。
その後、けいゆう病院、横浜総合病院で勤務。日本産婦人科学会専門医、日本産婦人科内視鏡学会技術認定医を取得。
2023年9月に明治神宮前駅徒歩3分、原宿駅徒歩7分の産婦人科Ladies clinic LOG原宿を開業。東京では数少ない子宮鏡下手術や円錐切除術、流産手術、バルトリン腺嚢胞、コンジローマなどの日帰り手術を行っている。また、ピルの処方、子宮がん検診、コルポスコピー検査、妊婦健診などの婦人科診療も行っている。
女性本来のパワーを思う存分発揮してもらいたい、そんな想いから、忙しい女性のライフスタイルに合わせた治療・手術の提案を実現した診療をしている。

Ladies clinic LOG原宿
https://www.ladies-clinic-harajuku.com

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