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「会わせたい人がいる」そう娘から紹介された人物に驚き…母親が抱いた感情とは【体験談】

  • 2024.6.6

あまり連絡を取っていなかった24歳の娘から、急に「会わせたい人がいる」と言われた友人。その相手は、女性でした。以前から「同性愛者かもしれない」と思うような言動はあったものの一時的な感情だろうと深く考えていなかったそうで、緊張しながら顔合わせの日を迎えます。そのとき、娘を持つ親として抱いた感情とは……。

突然知った、娘の恋愛事情

これは友人が48歳のときの話です。友人には、当時27歳と24歳の2人の娘がいました。姉妹はどちらも結婚しておらず、長女は男性に依存し過ぎて振られてしまうタイプ、次女は恋人を頻繁に変える恋愛に対して軽いタイプの子だったので、結婚はあまり期待していなかったそう。地元に残った長女とは恋愛の話もよくしていましたが、高校卒業後すぐに上京した次女とは、ほとんど話す機会がなくなっていました。もちろん、恋愛事情に関してもまったく把握していませんでした。

そんな次女からある日急に連絡が来て、「会わせたい人がいる」と言われた友人。次女が改まってそんなことを言うのは珍しかったので、友人は緊張したそうです。しかし、当時はコロナ禍全盛期。東京にいる次女が地方に帰ってくることはなかなかかないませんでした。

詳細が気になって仕方がなかった友人は、電話で次女にいろいろ聞いてみることに。すると、その相手は以前からルームシェアしていた女性だったことが判明。友人は少し驚きつつも、「やっぱりか……」という感情だったそうです。

以前から同性愛者かもしれない言動はあった

今のご時世、ジェンダーレスについての話題は昔より多く目にするようになりましたが、友人は、まさか自分の娘が同性愛者であるとは思っていなかったようです。同性愛に偏見はないつもりでしたが、昭和の時代を生きてきた友人にとってはやはり衝撃的で、ショックな感情も多少あったと言います。

しかし、カミングアウトされた今になって考えてみれば、いくつか心当たりもありました。 急に、男装アイドルグループ(女性が男性の格好をしているアイドル)にハマり出したり、「女性が好きかもしれない……」とつぶやいていたりと、次女の行動には予兆がたくさんあったようです。

少しずつ落ち着いて状況を整理できたころには「過去にいろいろあった出来事は、やっぱりそういうことだったんだ」とふに落ちたと言っていました。もしかしたら、心のどこかで気にしていたのかもしれません。思ったより冷静でいられたことはよかったけれど、おそらく何も気付いていない夫にどう理解してもらったらいいだろうというのが、次の問題でした。

娘の顔を見たら、気持ちが固まった夫婦の心情

友人の夫は基本穏やかな性格でしたが、古風な考えを持っている人でもありました。特に娘のこととなると心配する気持ちから厳しくなることも多く、次女の上京もずっと反対していたそうです。また、友人よりも同性愛について偏見がある様子だったので、果たして娘のジェンダー問題について理解を得られるかどうかが、娘以上に不安でした。

その後、コロナ禍により直接の顔合わせが難しいため、オンラインで顔を合わせることにした友人夫婦と次女カップル。友人は、事前に夫に伝えるべきか迷ったそうですが、娘の言葉で伝えたほうがいいだろうと思い、言わないことにしました。ただ、衝撃が大き過ぎて感情的になられても困るので、「相手の人、ルームメイトの女の子だったりして……」とやんわりにおわす程度はしたそう。

そして、夫が察しているかもわからないまま、オンラインでの対面の日を迎えました。紹介された女性の容姿が男性に近かったこともあり、友人は思ったよりも戸惑わなかったそう。その場で、パートナーシップ届を出そうと考えていると話があり、2人の本気度を感じたと言います。友人の夫は、娘と相手の話を終始黙って聞いていました。

顔合わせ後に夫と話すと、「正直複雑な気持ちだった。だけど娘の顔を見たら今まで苦労したんだろうなという思いが込み上げて、娘の幸せを願いたいと思った」と言っていたそう。友人も、「正直、孫が見れないかも…というショックはあるけど、幸せそうな次女の姿を見て応援しようと思った」と夫に話し、親として次女のジェンダー問題を支えていこうという気持ちが固まったようです。

それから友人の夫は娘のジェンダーについて少しずつ学び始めました。「頭ごなしに否定するのではなく、受け入れよう、理解しようと努力してくれたのがうれしかった」と友人は言います。友人も、夫と一緒に娘の手助けをしていけるよう、ジェンダーについて学びを深めているようです。

まとめ

同性愛に関して偏見はないと思っていた友人でしたが、いざ自分の娘が……となると複雑だったようです。しかし、娘の幸せそうな姿を見た夫婦は、応援したいという気持ちが固まりました。同性愛者などのセクシュアルマイノリティーの人にとって、親へのカミングアウトは勇気のいるものかもしれません。でも友人は、「話してくれてよかった」と言っていました。

「今後、同性カップルが乗り越えなければならない問題が出てくるかもしれないけど、夫と協力して娘を支えてあげたいと思っている」と語る友人に、親ならば娘の幸せを優先するものなのだなと、親子愛を感じさせられたエピソードでした。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

マンガ/山口がたこ

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著者:Erinda

ベビーカレンダー/ウーマンカレンダー編集室

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