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「2Dと3Dを切り替える表現が気持ちいい」「狂気的なまでの矜持に心打たれた」と感想続々!アニメーション映画として再構築された『トラペジウム』の魅力

  • 2024.6.5
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乃木坂46の1期生、高山一実による長編小説をアニメーション映画化した『トラペジウム』(公開中)。城州東高校に通う15歳の東ゆう(声:結川あさき)が憧れてきたアイドルになるため、仲間と共に挫折や困難を経験しながら切磋琢磨する青春ストーリーだ。アイドルファンだけでなく、アニメファンからも注目を集める本作には、様々な感想コメントがSNS等に投げかけられている。「映画『トラペジウム』感想投稿キャンペーン」に寄せられたコメントをピックアップしながら、アニメーション映画として好評を博すその理由をひも解いていきたい。

【写真を見る】狂気的なまでにアイドルに憧れ、夢を叶えるために突き進む主人公、ゆうに様々な感想が!

躍動感あるアニメーションに引き込まれる!

アイドルになるためゆうは、ロボット研究会に所属する“西”の大河くるみ(声:羊宮妃那)、お嬢様学校に通う“南”の華鳥蘭子(声:上田麗奈)、ボランティア活動に熱心な“北”の亀井美嘉(声:相川遥花)を仲間にし、ボランティア活動をしたり、有名な観光スポットでアルバイトをしたりしながらその様子をSNSにアップしていく。やがてその活動はテレビ番組にも取り上げられ、「東西南北(仮)」のグループ名でアイドルになる夢に一歩近づくことになる。

アイドルになるための4箇条を自らに課して行動する東ゆう [c]2024「トラペジウム」製作委員会
アイドルになるための4箇条を自らに課して行動する東ゆう [c]2024「トラペジウム」製作委員会

4人の和気あいあいとした何気ない日常シーン、歌やダンスのレッスン、本番のステージに立つ姿を映像化したアニメーションは躍動感たっぷり。爽快感があり、映像にどんどん引き込まれるアニメーション表現を称賛する声が数多く確認できる。

「四方から集まった少女たちがアイドルを目指すなかで、思春期ならではの歪で繊細な心が綴られている。方位や光と闇など、様々な対比がすごい」

「ダンスのシーンでタイミングよく2Dと3Dを切り替える表現が、キャラのかわいさやキレ感が出ていて最高に気持ちがよかったです」

「文化祭で撮った写真を全員で見るシーンが好きで、映画だと映像があるのでもっと好きになりました。小説とは違う感動がありました」

「4人それぞれの夢と希望と愛が存分に伝わる作品でした。全員個性のあるキャラで表情も満足の映画でした。アイドルっていいですね!」

「小説が映像化されるとこういう気持ちになるんだなと。映画を観終えた時には、小説を読み終えた時とは違う感動がありました」

「映画を観てから原作を読むと、映像化にあたって多くの工夫が凝らされていることに気付きます。映画と原作の手触りの違いを楽しみつつ、作品の本質について考えさせられる、そんな歯応えのある作品でした」

4人のなにげない日常シーンにも活気があふれている [c]2024「トラペジウム」製作委員会
4人のなにげない日常シーンにも活気があふれている [c]2024「トラペジウム」製作委員会

思春期が抱える不安や悩み、夢と現実との葛藤も丁寧に活写

幼い頃からアイドルに憧れるも、オーディションに落ちる苦い経験をしてきたゆうは、その道の険しさを身をもってよく理解している。周囲が男子ばかりの高専で大好きなロボットとの向き合い方に苦悩するくるみ、自他共に「お蝶夫人」と称する独特なファッションと口調で周囲から浮き気味だった蘭子、暗い過去を抱える美嘉の3人もまた、それぞれが悩みや不安を抱えている。そういった思春期ならではの心情も丁寧に活写していく。

「本当にリアルで、リアルゆえに苦しい場面もありました。だからこそ背中を押される作品だと思います」

「将来、自分の役に立つかもわからないことだけど、全員が一生懸命に目一杯楽しむ姿が眩しくて最高にかっこよかったです」

「どんなに楽しくても続けられない、そんな苦しさを思い起こさせる映画でした。心の深奥を抉りだした美しさがそこにあるのかな、と」

「王道ストーリーなのかなと思っていましたが、斜め上を行かれた感じでした。ゆうのアイドルになりたい強い気持ちが伝わる映画でした」

「最初は青春系のアイドル映画かと思って観に行ったけど、“夢に取り憑かれた少女”だからこそ描ける人間の黒い部分だったり、苦労や焦りをすごくリアルに感じることができてよかったです!」

「主人公がアイドルになるために集めたグループだけど、友情とか絆とかはそれ以上のものでつながっていると感じました」

「最後の最後まで、ヒロインを輝かせない、輝こうとさせないストーリー。まだまだ荒い原作小説を宝石の原石そのままに、映画スタッフが腕によりをかけて磨きに磨きあげた映画です」

ゆうにとってアイドルは絶対的な存在 [c]2024「トラペジウム」製作委員会
ゆうにとってアイドルは絶対的な存在 [c]2024「トラペジウム」製作委員会

“アイドルになること”をあきらめない主人公、ゆうの執念

「SNSはやらない」「彼氏は作らない」「学校では目立たない」「東西南北の美少女を仲間にする」の4箇条を自らに課し、立てたプランを一つ一つ実行に移していくゆうのアイドルに懸ける想いは凄まじく、執念と言っていいほど。そんな主人公、ゆうのキャラクターにも様々な意見が寄せられている。

「現実に否定されようと、何度でも立ち上がり、“アイドルになりたい気持ち”をあきらめず努力するゆうちゃんは、誰よりもカッコイイ。叶えたい夢がある人は、前だけを見てひたむきに歩き続ける彼女の姿に、きっと背中を押してもらえると思う」

「“アイドルになる”という夢を夢で終わらせないよう目標を立てて行動するゆうがすばらしかったです。何事もあきらめずに行動を起こせば夢は叶うのだと思いました。すてきな作品を観させていただきありがとうございました」

「夢に向かって目標を立て、計画し行動する。やるべきことをすれば夢は叶うのです。主人公の強い意志と行動力はすごい」

「“アイドル”に憧れた主人公はなりたいものになりたくて突進する。なり振り構わず、仲間たちの迷いも顧みず。当然の結果としてその目論見は破綻する。だけど、懸命に突っ走った日々は無駄ではなかった。ちゃんと糧になった。よかった」

「狂気を感じるほど必死になれることがあるってとてもすごいことだと思う」

「学びや挫折、衝突、紆余曲折ありつつも、実のところは終始、芯が一切ブレていない東ゆうのアイドルに対する狂気的なまでの矜持に心打たれました」

「若さゆえに暴走こそしたけれど、そこにあったのは純粋な憧れと情熱。そんな彼女だからつなぐことのできた絆がとても美しい物語でした」

アイドルに興味のなかった3人を巻き込むゆうの行動は、時に周囲を顧みない身勝手な行動に映るかもしれない。しかし、そのエゴの強さは彼女がアイドルに懸ける情熱そのものであり、そのまっすぐさに心打たれたという人は多い。

夢へのステップをどんどん駆け上がり、ワクワクが止まらないゆう [c]2024「トラペジウム」製作委員会
夢へのステップをどんどん駆け上がり、ワクワクが止まらないゆう [c]2024「トラペジウム」製作委員会

原作小説の魅力を映画として再構築した構成力

単行本240ページほどの原作小説を約90分に再構築した映画『トラペジウム』。ゆうたち4人がアイドルデビューを目指し、挫折や衝突を経てそれぞれが夢に向かって突き進むストーリーだけでなく、局面ごとの心情を的確に観客に伝える構成を絶賛するコメントも。

「たったの1時間半で、アイドルという仕事、アイドルという生き様の眩しさ、その輝きがもたらす美しさを心に刻みつけられました」

「『東西南北』の出逢いと絆。アイドルグループとして大成することはなかったが、その過程にはそれぞれの未来につながる青春が確かにあった」

「たしかに主人公には自分勝手な部分があったが、それぞれが夢を叶えて再会したラストシーンはすばらしかった」

「かわいい女の子たちが青春するだけじゃない、人である限り、欠点やすれ違い、失敗もある。そこからなにを得るのかが描かれた作品だと感じました」

「青春キラキラの眩しいかわいいだけの作品かと思ったらそんなことはなくて、主人公の成長ドラマが詰まっている」

「東さんのアイドルに対する想いがきれいにまとまっていました。あっという間の1時間半で作品を満喫できました。東西南北最高!!」

「一般高校生がアイドルになるための計画力と行動力に賞賛です。(東西南北の)みんなもアイドルになった経験から将来の道を決めて進む姿に感動しました」

一つの目標に向かって努力する4人は特別な絆が生まれていたが… [c]2024「トラペジウム」製作委員会
一つの目標に向かって努力する4人は特別な絆が生まれていたが… [c]2024「トラペジウム」製作委員会

原作小説の魅力を最大限に生かしたストーリーにアニメーションならではの映像表現。そして、正しいだけじゃない、主人公ゆうのひたむきさが大勢の共感を呼んでいる『トラペジウム』。ここで紹介したコメントを見て興味を持ったという人に観ていただきたいのはもちろん、すでに鑑賞したという人も何度も劇場であの感動を味わってほしい。

構成・文/平尾嘉浩

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