1. トップ
  2. 恋愛
  3. 『小1の壁』で退職した後輩と、壁を超えた側の自分。彼女の驚愕の今を知り、改めて感じた両者の葛藤とは

『小1の壁』で退職した後輩と、壁を超えた側の自分。彼女の驚愕の今を知り、改めて感じた両者の葛藤とは

  • 2024.6.4
  • 80 views

「ぽにさん、私、今年度いっぱいで辞めるんです」

時は2019年の冬。作業をしていた私の所に、後輩が話しかけに来ました。えっ? なんで?いや、ごめん。野暮なことを聞いてしまった。何でかは勘づいてた。お家が遠くて共働き、お子さんが2人。片道2時間の勤務時間。時短を精いっぱい使っても往復4時間はどれだけしんどいことか。そうか…辞めるか。「辞めたらゆっくり、近場で好きなことでもしようと思います。」にっこり笑う顔が今でも忘れられません。***************誰にでも、尊敬していたり、大好きな人っていると思います。その一人がこの後輩でした。技術系の総合職として、私の数年下で入ってきた彼女。正直、

全てにおいて入社時から抜かれていました

・人柄・ルックス・仕事ぶり・体力・精神力 完全完敗です。若干嫉妬した時期はありましたが、そんなレベルではない。すんごいデキル人でした。日本企業は男性社会が未だに色濃く、彼女が入社した時もそれはそれは女性にはしんどい時期でした。ちなみに、私は『こいつ採用してみようか・・』くらいのノリで採られたと後から採用した上の方に聞きました。んが、彼女は【○○部門の△△技術の後継者として!】という確固たる理由で採用されました。ええ。

レベチ(レベル違い)です。

入ってからもレベルは違いました。とにかく皆からウケが良い!!男女問わず。社内・社外はもちろん。英語など勉強の努力も惜しまず、入社してから英会話に通い、いつの間にかペラペラに。海外の研究者とも交流をしていました。私の所属企業にはお客さんに見せるエリアがありまして、技術系のパネル写真には今でも彼女の美しい写真が掲載されています。そう、ギリギリと歯ぎしりをして嫉妬してもしょうがないくらい、デキル後輩。周囲への気遣いもピカ一。私は彼女が大好きでした。嬉しいことに結婚式にも呼んでもらい、美しいウエディングドレス姿に号泣したことを今でもハッキリと覚えています。 彼女は結婚した後、お家が会社からかなり遠くなり長距離通勤をしていました。確か、お相手は医療関係者だったので夜勤などのハードワークも考えると、彼の勤務先の近くに住まざるえなかったよう。何でもできる人気の後輩は結婚後、

往復4時間の通勤が待っていました

DINKSの時は持ち前の体力と精神力で賄っていましたが・・出産後、子供のことやお家のあれこれに追われていたようです。根性も責任感もある彼女は、時短を取りながら黙々と業務をしていました。 数年時短で復帰した後、総合職の技術系ではなくコース変更をしました。無理せずに仕事の形をサラリと変える姿にも、感銘を受けました。ですが、やはり通勤時間の壁は厚く、お子さんの小学校入学前に退職を考え始めたみたいです。

小1の壁。

何でも軽やかにこなす彼女でも高くそびえ立っていたようです。超えられなかった…いや、家族や自分のことを考えて、

あえて越えなかったのかもしれません。

彼女は、2019年の3月いっぱいで、

退職しました

当時、会社でも多くの人が引き止めました。パートタイマーで数日でも…と懇願していた上席もいました。いやいや、往復4時間でパートさせるなんて、どんな苦行や。と周囲は突っ込んだものです。彼女は、「光栄なお声かけ、ありがとうございます!」言いながら、サラリと潔く会社を去っていきました。そんな彼女に先日、ハガキを送ってみました。元気にしているかな~お家の近くで好きな仕事をしてるのかな~私の近況もちょろっと書いて、送ってみると…その日、ポストを覗いた私は、ちょっとかさばる封筒を手にしました。

誰だろ?

宛名を見ると…大好きな後輩でした。えっ?返事くれたんだ!嬉しい気持ちと早く開けたい気持ちを押さえられず、エレベーターの中で開封しました。中にはお手紙と、

美しい小物が入っていました

嬉しい。なにこれ?買ったの?センスいいなぁ~前略ぽにさん元気にしていますか?ご家族の皆さんも変わりはないですか?私は会社を退職してから、いろいろありまして…今は毎日お家の片隅で小物を作っています。とあるSNSやネットで販売もしています。ビックリすると思いますが、そんな未来が待っていました。えっ?えっ?どういうこと?私は、風の噂で彼女はその頭脳明晰な所を活かし、進研ゼミなどの採点アルバイトをしていると聞いたことがありました。しかし、今は、

小物を作っていると!

なんと!彼女は運動も超得意で、大学時代は体育会出身。実験の手先は器用でしたが、文化系のイメージは全然ありませんでした。どゆーこと!!パニックになる私。彼女は私にメールやLINEをしてくれたようでしたが、届かないと手紙に書いてありました。あれ?私どっかで変えたんだっけ…そうだ。格安スマホにしてから、ずっと使っていたキャリアのメールは使えなくなったんだった。連絡しておけよ!アホな先輩です。すぐさま、手紙に書いてあるLINEのIDに連絡しました。ぽにです!感動しました。もう、さすがとしか言いようがない!凄いやん!どういうこと!かっこよすぎるんやけどーーよかったら、SNSのアカウントを教えてくれない?と連絡してみました。彼女から返信が来て、アカウントを教えてもらいました。

超人気インフルエンサー

でした。

マージーーカー!!!

フォロワーの数はレベチ。既に書籍も出版していて、作品は依頼しても数か月後の納品。凄い。さすがや。この業界で、大人気の人。彼女は立派に小物作家さんとして活動していました沢山のファンに応援され、センスの良い作品がSNSに並んでいました。ここまで展開するまで大変なことも数多くあったでしょう。よくやったよ。拍手だよ!職場では、黙々と技術系の作業をしていた後輩。今ではその器用な手先を活かして作家。人生はつながっているんだな…今回の手紙に教えてもらいました。往復4時間かかっていた勤務時間は今では、

秒で着くお家の中

やったね!!頑張った。ほんと、よくやった!なんかね~泣けました。私の想像以上に、頑張ったんだろうな~~って。努力家だから、1つ1つのモノもしっかり作り、信用を積み重ね、受注を繰り返して…気が付けば、人気小物作家さんになった 文章で書くと簡単ですが、フォロワーや信用を増やすって並大抵なことではない。ほんと、本物だわ。でね、私って何やってんだろ…とも思ってしまいました。上席の顔色を窺って、うだつの上がらないサラリーマンでいいのかな?腕一本で勝負している後輩が眩しくて仕方がありません。その後、何回かLINEを繰り返しました。褒め続ける私に、でもね、ぽにさん、やっと、あの時辞めても良かったんだ。と最近思えるようになってきたんです。と返事をくれました。うん。そっかそっか。小1の壁を越えずに進んでも、当たり前に葛藤はあるよね。私は今の所、小1の壁を超えた側にいるけど、やっぱり日々葛藤だらけだよ。そして、こうも思いました。自分のやりたい事、もしも60歳くらいになって、「40代の時に戻れるなら、何する?」って言われたら、今の道を選ぶのだろうか?どうしたい?私。彼女とのやりとりで、もう一度見つめ直すべきだと気が付きました。40代オバちゃんだけど、今が1番若い自分の人生。やっぱりやりたいこと、やります。

ぽにさんのブログ「ともばたけ - 共働きに奮闘するお家ブログ」はコチラ

元記事で読む
の記事をもっとみる