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「屈辱と言えば屈辱」日本の独立リーグ投手に圧倒された韓国プロ打線 それでもチャンスと言えるワケ

  • 2024.6.4

独立リーグの日本人投手が、韓国プロ野球KBOリーグ初登板で強烈なインパクトを残した。

目立ったのは、日本人投手ならではの“フォーク”だ。ただ、KBO全体で見れば一種のチャンスと言える。“本場のフォーク”をこの目で体験できるからだ。

四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスからSSGランダースに期限付き移籍した白川恵翔(しらかわ・けいしょう/23)は、6月1日に敵地・高尺(コチョク)スカイドームで行われたキウム・ヒーローズ戦で移籍後初先発登板を果たした。

結果は5回を投げて3被安打、4四球、6奪三振、無失点の好投で、白川は勝利投手となった。

序盤は緊張からか四球も多かったが、それでも無失点で凌いだ。SSG打線も9得点と爆発し、新加入の白川を援護した。

白川恵翔
(写真提供=OSEN)白川恵翔

2009~2011年にKBOでプレーした門倉健氏以来、13年ぶりの日本人投手だ。

白川は左内腹斜筋損傷で6週間離脱となったロエニス・エリアス(35)の代替選手として、SSGに「6週間」の期限付きで加入した。契約金は総額180万円だ。

「代替外国人選手制度」とは、各球団でチームに所属する外国人選手が6週間以上の治療が必要な負傷をした場合、復帰まで一時的に投入できる代替選手を選べる制度だ。

白川は日本のプロ野球NPBではなく、独立リーグでプレーしていた選手だ。その投手に、プロのキウム打線が1点も取れなかった。屈辱と言えば屈辱だ。

ただ、現時点で日本の野球は明らかに韓国野球よりレベルが高い。独立リーグといっても、本格的にNPBを目指す選手は多い。

白川も同じだ。NPBドラフト申請に先立って、経験を積むために韓国にやって来た。一種の“ショーケース”になるかもしれない。

白川恵翔
(写真提供=OSEN)白川恵翔
KBO選手が苦戦する日本人投手の“フォーク”

注目すべき部分もある。それが“フォーク”だ。

白川は同日、計92球を投げたが、そのうちフォークボールが14球だった。15.2%の割合だ。

ストレート(49球)が最も多く、スライダー(18球)が後に続いたが、フォークが“決め球”の役割を果たした。奪三振も6つ記録したが、そのうち半分の3つがフォークだった。

フォークは日本人投手の主な武器だ。多くの投手が使いこなす球種である。

もちろん、韓国国内にもフォークボーラーは少なくないが、「すべての投手が投げる」球種ではない。むしろ、韓国ではチェンジアップの方が多い。

ただ、日本においてフォークはほぼ「基本装備」といっても過言ではない。当然、球質も良い。

日本ならではの変化球はMLBでも猛威を振るう。

かつての野茂英雄氏がそうだったし、佐々木主浩氏もそうだった。投手・大谷翔平(29、ロサンゼルス・ドジャース)のフォークは「魔球」とも呼ばれた。

相手打者は皆、「ボールが来る途中に消える」と舌を巻く。山本由伸(25)もフォークも強力だ。

白川恵翔
(写真提供=OSEN)試合後、チームメイトから水をかけられる白川恵翔

白川はNPB経験こそないものの、日本人投手であることは確かだ。これまで日本人投手のフォークを見る機会が少なかった韓国人打者にとってはチャンスといえる。

NPBのエース級投手と比べれば、「完成度が低い」という見方もあるかもしれない。ただ、「適応」の意味では戦わないより戦った方がマシだ。現に、キウムの打者たちは白川のフォークにかなり苦労していた。

エリアスが負傷から回復すれば、白川に別れを告げる可能性は高い。どうせ代替選手なだけに、元々短期間のみプレーする想定で獲得がなされた選手だ。

そのため、この期間に韓国打者は白川のフォークを多くチェックする必要がある。

今後も国際大会は続く。当然、日本の選手と顔を合わせる機会も多いだろう。少しでも見ておくことで、この先の攻略も容易となるはずだ。

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