1. トップ
  2. 恋愛
  3. MEGUMIさん「これからの素敵な自分のために、たくさんもがいて悩んで」

MEGUMIさん「これからの素敵な自分のために、たくさんもがいて悩んで」

  • 2024.6.4

“強い”“ブレない”イメージのあるMEGUMIさんですが、新刊「心に効く美容」(講談社)では、「決してそんなことはない」と、本来の自分の弱い姿をさらけ出しています。昨年、離婚という「人生で一番大きな別れ」を経験し、痛みと向き合ったからこそ、よりクリアになったという使命感。「全ての女性が幸せに生きられるように」という想いで活動するMEGUMIさんに、どんなつらさや痛みも糧にして生きるコツを伺いました。

自分軸を持つために、気持ちと向き合う癖を

――初々しさを求められる20代から、急に妻や母としての役割を求められ、気づけば職場ではベテラン扱いをされる……など、女性の「急展開な人生」に、戸惑いを抱えている人も多いのではと思います。周囲の期待の中で、どのように本来の自分とのバランスを保っていけば良いでしょうか?

MEGUMIさん(以下、MEGUMI): その激しい展開についていけず、疲れてしまう気持ち、よくわかります。でも、そんな自分を癒やせるのはやっぱり自分だけ。大事なのは、周囲に振り回されないための“自分軸”を持つということだと思うんですよね。

とはいえ、多くの人は、自分が今何を考えているのか、わかっていないと感じます。常にSNSをチェックしては、誰にどう思われているか、どう見られているか気にしていて、知らない誰かの食べたものまでよく知っているのに、自分のこととなるとわからない。そんな“他人軸”で生きていると、やっぱり本来持っているはずのパフォーマンスができないと思うんです。

朝日新聞telling,(テリング)

――どうしたら“自分軸”を持てるのか、そこがわからないという人も多いと思います。

MEGUMI: まずは、自分が今何を感じ、考えているのか、向き合う時間を作ること。今日私は何に傷ついただろうとか、あれが嫌だったな、これが嬉しかったなと、度々自分で自分を感じてあげる癖をつけることが大切です。社会の中にいれば「ん?」と感じることがあっても、サッと流して笑顔で対応しなきゃいけないことって、あると思うんですよね。でも、その「ん?」に目を向けてあげる。放っておかないことです。

これにはある種トレーニングが必要で、曜日や時間を決めて、自分と向き合うのもいいと思います。私の場合は、頭の中にあることをひたすらノートに書き出します。そうすると、気持ちがスッキリするし、視覚化することで、ごちゃごちゃしていると思っていたことも意外とシンプルだと気づくことも。お風呂に入りながら、1日の自分の気持ちを思い返すこともあります。最終的に「よく頑張ってるじゃん、私」という気持ちになって、癒やされるんです。

朝日新聞telling,(テリング)

――一人ひとりが、「女性であること」や「年齢」「立場」をネックにせず、行動するには、どんな意識が必要だと感じますか?

MEGUMI: 実際、「女だから」「歳だから」と、誰かに言われているのかというと、多分誰も言っていないんですよね。結局そういう「立場」を設定してしまって言い訳をしているのは、自分なんだということにまず気づく必要があると思うんです。

例えば、「まだ洗濯物を干していない」と思いながら、「どうしよう」と考え続けているなんて、気持ちが悪いじゃないですか。でも、いざ干してみたら2分で終わるし、終われば気持ちがいい。その自分の小さな行動一つが、今、気持ちいい状態の自分を作るんです。いい加減、自分を卑下する設定を変えてみませんか?

痛みによって、他者を理解する。そういう人が美しい

――「痛み」や「傷」は、ネガティブなものだと思いがちですが、MEGUMIさんは新刊の中で、決してそれだけではないと語っています。傷や痛みを糧にしていくにはどんなことを心がけていくといいでしょうか?

MEGUMI: 人生には嬉しいこと、楽しいこともたくさんあるけれど、自分が大きく変われるのは、やっぱりつらいときだと思うんです。それをきっかけに、今までの自分のやり方を振り返ったり、次に行くための軌道修正をしたりできる。それはすごく大切な学びの時間だと言えると思います。

朝日新聞telling,(テリング)

特に、大人になると自分が正しいと思い込んでいることも多いですが、痛みや傷によって「そうじゃないんだ」と気づけると、人としてひと回り大きくもなれますし、他者への優しさや理解も深まると思います。私は、他者を理解しようと接することのできる人は、美しいと思います。そんな大人になるためなら、つらい経験だって、そう悪くないことなのかもしれません。

「若い子に負けたくない!」と思うより大切なこと

――新刊の中の「35歳を過ぎたあたりから、心の状態は必ず顔に透け出てきます。」という言葉にドキリとしてしまいました。 そう気づいたのは何かきっかけがあったのでしょうか?

MEGUMI: 35歳を過ぎれば、仕事の場での影響力も注目度も大きくなってきます。これは実体験なのですが、20代の頃のように「ムカつくー!」なんて、所構わず感情を出していたら、いつの間にか誰も近寄ってこなくなってしまったことがあります。表情も同じで、これまでは、どんなに心の中が不機嫌であってもニコニコしていれば気づかれなかったのに、肌のハリも口角も下がった今、その不機嫌さはどうしたって隠せないんです。自分が20代の頃、「きれいだけど怖い」「きれいだけど不健康そう」という女性の先輩を見てきましたが、そういうことだったのではないかなと思います。

朝日新聞telling,(テリング)

――未だ「若さがいい」とされがちな社会の風潮の中で、見た目の変化に不安や焦りを感じてしまう人は多いのではと思います。どうしたら年齢を重ねることに前向きになれるでしょうか?

MEGUMI: 自分が50歳、60歳になったとき、どんな姿でありたいか、理想のマイヒーローを持つとすごく楽になれますよ。私の場合は、見た目がモニカ・ベルッチ、中身が安藤忠雄さん(笑)。「こういう人になりたい!」というビジョンを明確にしておくと、何か揺らぐようなことがあってもまた立ち返れるんですよね。ただただ、「若い子に負けたくない!」と手当たり次第にやっていても、どんどん自分がなくなってしまうだけ。気づいたら自分が自分ではなくなってしまいます。今の時代、人それぞれですから、自分が一番しっくりくる、心地よさを大切にするのがいいと思います。

世の中よりも、自分の声を聞いて選択する

――最後に、「telling,」の主な読者である30~40代の女性は、人生のさまざまな選択を前に痛みを抱えている人も多いと感じます。そんな読者へ向けて、MEGUMIさんからメッセージをお願いします!

30代は私も一番大変だったなと思います。結婚するのか、仕事を続けるのか、子どもを産むのか。大きな選択をいきなり迫られて、その割に自分の中身も形成しきっていないから、わからないのに決めなきゃいけない、実に苦しい時期ではないでしょうか。ただ、そのとき一生懸命自分と向き合ったことが今に生きていると感じます。

朝日新聞telling,(テリング)

伝えたいのは、「世の中は一旦こうしろと言っているけど、自分はどうしたい?」と、自分の声に耳を澄ましてほしいということ。その答えは1日、2日で出てくるものではないと思うのですが、考え続けているとある日ふっと聞こえてくるんです。私は、「役者を頑張りたい」という答えがバン!と出てきて、その先にすべきことがどんどん見えてきました。

焦らないで大丈夫。失敗してもその学びが全部40代に結果として出てくるはずです。むしろ何もない30代のほうが怖いくらい。もがいて悩んでいた方が、後々、素敵な40代が待っていると思いますよ。

スタイリスト/斉藤くみ
ヘアメイク/KIKKU

アクセサリー/blanciris
シューズ/GIABORGHINI

■秦 レンナのプロフィール
ライターやエディターとして活動。女性の様々な生き方に関心を持ち、日常の中のセルフケアや美容、ウェルネスをテーマに取材・執筆を続ける。また、ファッションやコスメブランドのコピーライティングなども手がけている。

■品田裕美のプロフィール
1983年生まれ。出版社勤務を経て、2008年 フリーランスフォトグラファーに。「温度が伝わる写真」を目指し、主に雑誌・書籍・web媒体での撮影を行う。

元記事で読む
の記事をもっとみる