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【日本三大弁財天】安芸の宮島・近江の竹生島、もう1カ所は?それぞれの歴史や見どころを解説

  • 2024.6.4

七福神のひとりである「弁財天」は、貧困を救い、福徳や財宝を授ける女神として信仰されています。弁財天を祀る神社仏閣は全国各地にありますが、日本三大弁財天に数えられるのが、広島県「大願寺」、滋賀県「宝厳寺」、神奈川県「江島神社」の弁財天です。これらは、安芸の宮島、近江の竹生島、江の島の弁財天ともいいます。今回は、それぞれの歴史と見どころをご紹介します。

©️Xuefeng Nong / Shutterstock.com

1年に一度だけ開帳される、霊験あらたかな秘仏「大願寺の弁財天」(広島県廿日市市)

©️JoyCaym / Shutterstock.com

世界遺産である厳島神社の西廻廊を出て右手に位置する「大願寺」の正式名称は「亀居山放光院大願寺」。真言宗高野山派の寺院で、本尊は弘法大師空海の作と伝えられる厳島弁財天です。

この亀居山という名前は、千畳閣と五重塔がある一帯の海に突き出た場所にあり、空から見ると亀の形に似ていることから名付けられたといわれています。

大願寺が開かれた年は不明ですが、鎌倉時代の僧である了海(りょうかい)により再興されたと伝えられています。

本尊の弁財天は、明治時代の神仏習合を禁止する神仏分離令まで、厳島神社の本殿に祀られていたため、一般の方がその姿を見ることはできなかったそうです。しかし現在は毎年6月17日に開催される「厳島弁財天大祭」で年に1度だけ開帳され、一般の方も拝観することができます。

©️KoreaKHW / Shutterstock.com

また、境内中央には弁財天のお使いとされる宇賀神が祀られています。以前は本殿の弁財天の傍らに祀られていましたが、1987年より多くの方に参拝してもらえるように、現在の場所に安置されました。

さらに宮島に現存する仏像の中でもっとも古いとされる木造の薬師如来像のほか、千畳閣の本尊だった木造釈迦如来坐像、その両脇を守っていた阿難尊者像と迦葉尊者像などが収蔵されています。

護摩堂に安置されている白檀(びゃくだん)を使ってつくられた高さ約4mの不動明王像も見逃せません!

そのほか宮島には、海上に浮かんでいるように見える「厳島神社」をはじめ、豊臣秀吉の死により未完成のままになっている「千畳閣」、見事な「五重塔」、山頂から絶景を拝める「弥山」など見どころ盛りだくさんです。

宮島を訪れたら、じっくり時間をかけて島内を巡りたいですね。

大願寺

住所:広島県廿日市市宮島町3

電話:0829-40-2070

受付時間:8:30〜17:00

交通アクセス:宮島棧橋から徒歩約20分

天照皇大神が聖武天皇の夢枕に立ったことがはじまり「宝厳寺の弁財天」(滋賀県長浜市)

竹生島

周囲2kmの竹生島にある「宝厳寺」には、日本三大弁財天のなかで、もっとも古い弁財天が祀られています。

宝厳寺は、724年に聖武天皇の夢枕に立った天照皇大神から「江州の湖中にある小島は弁財天の聖地だから、寺院を建立せよ。そうすれば、国家泰平、五穀豊穣、万民豊楽となるだろう」というお告げを受けたことがはじまりです。

そのお告げの通り、724年に聖武天皇は、僧の行基(ぎょうき)を勅使として使い、弁財天像を宝厳寺本堂に安置しました。その翌年には、観音堂の建設を提案し、その遺志を継いだ浅井の大領が千手千眼観世音菩薩像を安置。

以来、天皇の訪問が続いたほか、伝教大師、弘法大師なども来島し、修行したと伝えられています。

宝厳寺は豊臣秀吉との関係も深く、1602年に秀吉の遺命により、豊臣秀頼が豊国廟から桃山時代の観音堂や唐門などを移築しました。

その後、明治時代の神仏分離令により、宝厳寺を廃寺して神社にするようにという命令があったものの、信者の強い要望によって本堂の建物のみを神社に引き渡すことに。

本堂を失った弁財天でしたが、1942年に現在の本堂が再建され現在に至ります。

宝厳寺の弁財天は秘仏のため、60年に1回しか開帳されません。次に開帳されるのは2037年です。

とはいえ、本堂の内陣の壁画は、仏画家の荒井寛方(あらいかんぽう)によって描かれたもので、一見の価値あり! 正面の壁画は「諸天神の図」、側面は「飛天の図」と呼ばれています。

ほかにも、大坂城の極楽門を移築した現存する唯一の大坂城遺構である国宝の「唐門」、地・水・火・風・空の五大をかたどったとされる「五重石塔」、千手千眼観世音菩薩像が安置されている「観音堂」など、見どころがいっぱいです。

都久夫須麻神社の竜神拝所

島内には優雅できらびやかな装飾が目を引く「都久夫須麻神社(竹生島神社)」の本殿や、かわらけに願い事を書き、湖面に突き出た宮崎鳥居へ投げて、投げたかわらけが鳥居をくぐれば願い事が叶うといわれている都久夫須麻神社の竜神拝所も! なんだか不思議なパワーを感じる島ですよね。

宝厳寺

住所:滋賀県長浜市早崎町1664-1

電話:0749-63-4410

拝観時間:9:30~16:30(観光船就航時間にもとづく)

宝物殿拝観料:大人300円、小人250円

交通アクセス:長浜・彦根・今津の各港より、汽船約25分~40分

江の島の玄関口にもあたる辺津宮に安置されている「江島神社の弁財天」(神奈川県藤沢市)

辺津宮の境内にある奉安殿 ©️Tang Yan Song / Shutterstock.com

鎌倉時代からの行楽地であり、連日多くの観光客が訪れる江の島。ここに鎮座する「江島神社」は、田寸津比賣命(たぎつひめのみこと)を祀る「辺津宮」、 市寸島比賣命(いちきしまひめのみこと)を祀る「中津宮」、多紀理比賣(たきりびめのみこと)を祀る「奥津宮」からなります。

この三女神は江島大神と称しており、古くは江島明神と呼ばれていました。

辺津宮の八角のお堂「奉安殿(ほうあんでん)」には、日本三大弁財天のひとつである八臂弁財天 (はっぴべんざいてん)のほか、妙音弁財天(みょうおんべんざいてん)が安置されています。

なお、八臂弁財天は裸弁財天とも呼ばれています。

江島神社は1206年に、源実朝(みなもとのさねとも)が鎌倉幕府の繁栄を祈って創建されました。現在の建物は1675年に再建され、1976年に改修されたものです。

江戸時代には、この江島弁財天への信仰が集まり、大変なにぎわいを見せたそうです。

また、本殿前には霊験や伝説がまとめられた絵巻物『江島縁起』にある「天女と五頭龍伝説」に由来した龍を祀る、龍の銭洗い「白龍銭洗池」も!

辺津宮から歩いて約5分の場所にある「中津宮」と、中津宮から歩いて約10分の「奥津宮」もあわせて訪れたいですね。上記3社すべてを参拝すれば、運気が高まる予感がするのは、筆者だけでしょうか!?

加えて江の島には、南洋の植物や四季の草花を楽しめる「江の島サムエル・コッキング苑」、江の島のシンボル「江の島シーキャンドル」、弘法大師や日蓮上人が修行したといわれる海食洞窟「江の島岩屋」、飲食店や土産物店が連なる「江の島弁財天仲見世通り」などがあり、退屈しません。

ぜひ半日〜1日かけてのんびりと江の島を散策してみてくださいね。

江島神社 辺津宮

住所:神奈川県藤沢市江の島2-3-8

電話:0466-22-4020(江島神社)

奉安殿拝観時間:8:30~16:30

奉安殿拝観料:大人200円、中高生100円、小学生50円、小学生未満無料

交通アクセス:小田急江ノ島線「片瀬江ノ島駅」・江ノ島電鉄「江ノ島駅」・湘南モノレール「湘南江の島駅」から徒歩約15〜23分

[参考]

一般社団法人 宮島観光協会

はつたび|廿日市市観光公式サイト

Dive! Hiroshima|ひろしま公式観光サイト

琵琶湖汽船

長浜・米原を楽しむ観光情報サイト

藤沢市・湘南江の島|藤沢市観光公式ホームページ

[All photos by Shutterstock.com]

 

 

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