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相手で変わるお祝いとの距離感。大切な人のお祝いにはストーリーを

  • 2024.6.3
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私は「お祝い」というものと、少し距離感がある。誕生日や昇進に結婚など、お祝いのタイミングは色々ある。でも、私は昔から人の輪の中でお祝いされるというのがあまり好きではなかった。
家族や二十年来の友人や付き合っていた彼など、気の置けない人たちから祝福されるのは嬉しいが、職場仲間や出会ったばかりの人に誕生日などをお祝いされるのは、なぜかしっくりこない。

私は、あまり集団の輪の中にいたくないし、注目もされたくない人間なんだと思う。

◎ ◎

二十代後半になると、ぼちぼち結婚式に呼ばれることも増えてきた。初回こそ、結婚式見たさに、心を弾ませて友人の結婚式の日を楽しみにしていたものの、呼ばれるのが二回目以降になると、そこまでのワクワク感はなく、どちらかというと顔見知りとしての義務感に近い。正直、そこまで仲がいいわけではない職場の同期に結婚式に呼ばれると、表面上、私を呼ばないわけにはいかないので、声がけされたんだろうなといつもどこかで勘繰ってしまう。
そんな、人の結婚式に対しても一歩後ろから見ているような、お祝い事に対して、そんな距離感がいつもある。

以前、上司に「結婚式ってあんなにお金と工数をかけて、大々的に、やる意味あるんですか?」と聞いたことがある。その時、その男性の上司は、「結婚してから、一時的に離婚がふと頭によぎる関係性になった時、やっぱり結婚式当日を思い出すことがある。あんなに多くの人に二人の誓いを祝ってもらって、そんな簡単に別れられないな、と思い直すことがある」といわれた。

やっぱり、結婚式という儀式は、大々的に多くの人に囲まれながら祝ってもらう一日というのが、その後の長い日常のためにも大切なシーンなんだなと思った。

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一方、私は大切な少数の人とのお祝いの日は大切にしたい人間だ。一度仲良くなると、関係性が長く、尽くすタイプでもある。例えば幼稚園からの友人の誕生日は、社会人になっても二ヶ月前から、あれこれ考え準備する。
街中で、その子に合いそうなグッズがあれば、その場で買って、数ヶ月先の誕生日に渡すこともある。もちろん、渡す時もなぜそれを選んだのか、理由まで詳しく伝えたりする。付き合ってる彼の誕生日もそうだ。

一方、家族に対してはというと、あまり距離感が近いと小さいことで色々干渉されるのが嫌なので、ドーンと大きいホールケーキを買ったり、JALの機内販売のグッズを渡したりなど、オーダーメイドではない。

私は、気づけば、大切な人には、お祝いのプレゼントにストーリーを作っていた。

お祝い一つとっても、人間関係の紡ぎ方一つとっても、私はやはり社交性でなく親密性の人間なんだと思う。だから、初対面の、仮にすごくオープンマインドで明るい人と話していても、「この人は、きっと本当はプライベートパーソン。距離感が大事なんだな」とか会話の中で勘繰っていたりする。

そんな、人が気づくような気づかないような抽象的なことに目が向くので、お祝い事にも、どこか人とは少し違う接し方なんだと思う。

■満島のプロフィール
元大手企業の営業職OL。いまは隠居して営業職。旅行好き。

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