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庭のベンチに「だ、誰!?」【観光地に住む我が家】 → 知らぬ間に『休憩スポット』にされていて!?

  • 2024.6.2

有名な観光地では、あまりに観光客が多く来すぎると、近隣住人がゴミや騒音などに悩まされることがあるといいます。今回は観光地に住んでいたがゆえに、とんでもない迷惑を被ってしまった経験のある筆者の知人、Fさんから聞いたお話です。

画像: 庭のベンチに「だ、誰!?」【観光地に住む我が家】 → 知らぬ間に『休憩スポット』にされていて!?

有名な観光スポット

アニメや映画の舞台となった場所をめぐることを最近では「聖地巡礼」と呼ぶようですが、Fさんの家はまさにその聖地のすぐ近くにありました。

「今日もすごい人ね……」
大型連休や夏休み期間にはそのスポットに多くの人が訪れ、皆登場人物と同じポーズで写真を撮るなどしてはしゃぐ声がFさんの自宅にも聞こえていました。

聖地として有名になる前は観光客もまばらで、どちらかといえば年配の夫婦などが好んで来るようなスポットでしたが、今はうってかわって若い観光客や外国人ばかり。

町おこしのために、そのスポット付近には多くの飲食店や地元の名物を売る屋台がずらりと並んでいました。

庭に設置したベンチに……

Fさんは当時ガーデニングを趣味としており、ご主人も家庭菜園に興味があったために、広い庭がある現在の家を購入したのでした。

「ねえ、庭にベンチを置いてもいい?」
「ああ、いいよ」
Fさんは美しく仕上げた庭にぴったりの木製ベンチを購入し、庭に設置しました。

庭の手入れの合間にそのベンチに腰掛け、ゆったりとお茶を飲みながら庭を眺めるのもFさんの楽しみになりました。

そんなある日、いつものように庭の手入れをしようと準備をしていたFさんは、庭から何者かの声がするのに気づいて窓から外を覗きました。
「え、誰!?」
なんと、Fさんの大事なベンチに見知らぬ若いカップルが腰かけて、屋台で買ったらしい食べ物を頬張っているのです。

不法侵入者が続出

「あの、勝手に庭に入らないでください」
Fさんが窓から顔を出して声をかけると、そのカップルは慌てて立ち上がりました。
「す、すみません! 休憩スポットだと思ってました」
「私有地ですよ、気を付けてくださいね」

そのカップルはすぐに出て行ってくれましたが、それから週末になるたびに観光客が勝手に入ってくることが相次ぎました。

ベンチで休憩するだけならまだしも、許可なくFさんの庭の花を写真を撮ってSNSにアップしたり、ひどいときにはベンチで飲食をして、ゴミがそのまま残されていることもあります。

どうやら観光客の中には、Fさんの家の庭も聖地巡礼コースの一部だと思っている人がいるようでした。

また屋台などテイクアウトのお店は沢山あるのに、近くに座って食べられるところがないことも、Fさんの家のベンチが勝手に使われる原因になっているようです。

「もう我慢できない!」
Fさんは不本意ながらもベンチを撤去し、庭の入り口に「私有地なので勝手に入らないでください」と貼り紙をすることになってしまったのでした。

ベンチがあるからといって、勝手に座っていいことにはなりません。聖地巡礼は結構ですし、疲れて座りたい方がいるのもわかりますが、普段からその場所で暮らしている人のことも考えて行動すべきですよね。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子

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