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「明日は我が身」命を守るため“半日の猶予”にすべきこと/気象予報士が解説「線状降水帯」

  • 2024.6.1

これから台風など、大雨シーズンに入ります。
命を守るため、注目したい天気予報のワードがあります。

線状降水帯」です。
線状降水帯とは何か?発生するとどんな被害につながるのか?

HBCウェザーセンターの児玉晃(こだま・あきら)気象予報士が解説します。

Sitakke
児玉気象予報士とHBC堀啓知アナウンサー

74人もの犠牲が…

甚大な被害をもたらす「線状降水帯」。
5月27日から、予測の運用が新しくなりました。

まずは、発生すると何が起きるかから振り返ります。

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10年前、2014年8月の広島。
住宅街で大規模な土砂災害が発生し、74人もの方が犠牲になりました。

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その翌月の9月には、札幌でも大雨が発生し、望月寒川が氾濫。
北海道で初めて、大雨の特別警報が発表されました。

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そして、2015年9月には茨城県で鬼怒川が決壊し、町全体が水没。甚大な被害が出ました。## 「線状降水帯」とは?

そのときの雨雲の様子です。

Sitakke
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活発な雨雲が、線状に連なって、同じところに流れ込み続ける様子がわかります。

線状降水帯発生のメカニズムを、CGを使って立体的に見ていきます。

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暖かく湿った空気が流れ込んで、雨雲が発達し、それが上空の風に流されます。

風向きが変わらないと、同じところで次々に雨雲が発達し、線状に列ができます。
これが「線状降水帯」と言われ、集中豪雨が発生するんです。

予測の精度が向上

線状降水帯が発生する半日前から、予測情報が出ます。

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これまでは北海道地方という区分=北海道のどこかで発生するという発表の仕方でしたが、予測精度が向上したため、「石狩・空知・後志地方」など、道内7地方に分けて発表できるようになりました。

この情報が出たら、何をしたらいいのか。

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「半日の猶予」があるので、まずは非常食など防災グッズ、そして避難所の確認もしておきましょう。

そして、雨が強まりだしたら、自分から積極的に情報を入手してください。

「キキクル」と検索すれば、スマホの位置情報と連動して、今いる場所に危険が迫っていないか、すぐに確認できます。

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万が一、避難に間に合わなかった場合は、垂直避難です。
なるべく高いところで、崖などから離れた部屋で待機しましょう。

大雨には5段階の警戒レベルがあります。

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線状降水帯の半日前の予測は、「レベル2」相当ですが、「レベル3」になると警報、「レベル4」は土砂災害警戒情報などが出るほど危険が迫ります。

「レベル5」は災害が発生している可能性が高いため、「レベル4」までに避難を完了しましょう。

2016年には、北海道に台風が5つも接近、または上陸しました。
地球温暖化で海水温が高くなれば、雨雲も発達しやすく、台風も勢力を維持したまま北海道に近づきます。

つまり、「線状降水帯」は本州に限った話ではありません。

明日は我が身と思って、対策をしましょう。

Sitakke

文: HBCウェザーセンター 気象予報士 児玉晃
HBCテレビ「今日ドキッ!」の番組内でも独特(?)なイラストを使って天気をお伝えしています。
HBCウェザーセンターのインスタグラムも開設!予報士のゆる~い日常も見られますよ。

連載「お天気コラム」
天気予報のほか、天気に合わせた服装の選び方のヒントなど、HBCウェザーセンターの気象予報士が暮らしに役立つ記事をお届けしています。

編集:Sitakke編集部IKU

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