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野趣溢れる"セメント系煮干しラーメン"|須永辰緒のMUSIC&RAMEN⑪

  • 2024.6.1

自他ともに認めるラーメンマニアかつ、レコード番長の異名を持つ人気DJ須永辰緒さんが、ラーメンレシピとともに、そこに込めたテーマや思いをもとに組んだ音楽のプレイリストをご紹介する連載「須永辰緒のMUSIC&RAMEN」。第11回はスープに粉砕攪拌した煮干しも加えるといういわゆる「セメント系」ラーメンです。そんなワイルドな一杯に添えるのは、大人向けな楽曲集です。

野趣溢れる"セメント系煮干しラーメン"|須永辰緒のMUSIC&RAMEN⑪

■「大人の味。セメント系煮干しラーメン」

今回作るのは主に煮干しがメインです。旨味の相乗効果を狙うよりもその鰹節、野趣溢れる煮干しが持つイノシン酸を極めてみようという作戦です。単調にならないように補正程度に昆布(グルタミン酸)や貝柱(コハク酸)なども加えますがあくまでイノシン酸推し。味の輪郭をまとめるのはリンゴ酢に任せます。
セメント系とはニボニボしい香りを更に追求すべく、スープに粉砕攪拌した煮干しも加えるというワイルドなスタイルです。都内各所にも名店がありますね。

輪郭を担うという意味ではうま味調味料で代用は効きますが、ここはひとつ「男の料理」ということで手間を掛け無化調に拘ってみたいと思います。丁寧に頭とわたを取った‘安い煮干し’(野趣を強調したいので、あえて)を調理用ネットに入れて煮出した後、ミキサーに投入し出汁と豆乳を加えペースト状になるまで攪拌します。豆乳を入れる事で色味がセメントのような色合いになりますし、味もまろやかになりスープに馴染みます。ペーストを加えて強調することによって煮干しの風味が好きな方には堪らないと思います。アクセントの苦味や過剰な風味を演出しつつも、大ぶりにカットしたネギや玉ねぎの薬味をぶつけることで調和させます。大人にならないと分からない味、特に酒の肴などに顕著かと思いますが、このラーメンもそういった類いかも知れません。

そういうわけで今回の選曲のテーマは「R40指定」とし、SSWやブルージーなジャズなど幅広くピックアップしました。
オトナの皆さんにお楽しみ頂けたら幸いです。

※プレイリストの再生にはSpotifyのアカウントが必要です。

□“セメント系煮干しラーメン”のつくり方


◇材料 (2人分)

中華麺:280g
★ 煮干しだし:
・ 水:2L
・ 鰹厚削り節:一掴み
・ 干し貝柱:10g
・ 利尻昆布:1枚
・ 干し椎茸:5g
・ 煮干し:200g
・ 片口鰯の煮干し:50g
・ 桜エビ:適量
・ 玉ねぎ:1個
・ 生姜:50g
豆乳:50cc
★ 煮干し油:
・ 白絞油:100cc
・ 片口鰯の煮干し:20g
★ 醤油だれ:
・ 醤油:500cc
・ みりん:100cc
・ ザラメ:30g
・ 昆布:5g
・ リンゴ酢:20cc
★ トッピング:
・ 白ネギ:適量
・ 玉ねぎ:適量
・ アスパラガス:4本
・ 味玉:2個
・ メンマ:適量


(1)煮干しだしをつくる
煮干しは頭とハラワタを取り、調理用ネットに入れて煮干しだしのほかの材料とともに鍋に入れ、一晩置いておく。鍋を火にかけ、沸騰しない程度の温度を保ちながら1時間煮る。だしが充分に出たら濾す。

煮干しだしをつくる
煮干しだしをつくる

(2)煮干し油をつくる
白絞油と片口鰯の煮干しを鍋に入れ、弱火にかける。10分ほどたったら香りを確認し、充分に香りが立っていたら完成。

煮干し油をつくる
煮干し油をつくる

(3)醤油だれをつくる
醤油だれの材料を鍋にいれ火にかける。一分ほど煮立たせたら冷ます。

(4)トッピングの下ごしらえ
トッピングの白ねぎと玉ねぎを角切りにする。アスパラガスはゆでて、火が十分に通ったら氷水でしめる。

トッピングの下ごしらえ
トッピングの下ごしらえ

(5)煮干しペーストをつくる
①で煮だした煮干しと豆乳、①のだしを50ccミキサーに入れて撹拌する。

煮干しペーストをつくる
煮干しペーストをつくる

(6)麺をゆでる
麺を表示通りの時間でゆでる。

(7)スープをつくる
鍋に①を400ccと⑤のペーストを適量入れ、加熱する。

スープをつくる
スープをつくる

(8)麺を入れる
丼に③を40cc入れ、②を大さじ3程度加える。スープが温まったら丼に加える。⑥がゆであがったら器に麺を入れる。

(9)仕上げ
トッピングをのせて完成。

完成
完成

文:須永辰緒 写真:竹之内祐幸

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