1. トップ
  2. 恋愛
  3. 【経験者&専門家聞く】卵子凍結のメリット・デメリット│金銭面や出産率、不妊治療との関係など気になるあれこれを聞いてみた

【経験者&専門家聞く】卵子凍結のメリット・デメリット│金銭面や出産率、不妊治療との関係など気になるあれこれを聞いてみた

  • 2024.5.31
  • 975 views
andGIRL

andGIRL読者の中にも興味を持っている人の多い「卵子凍結」。子どもを持てる可能性を広げるものではあるものの、卵子凍結すれば確実に妊娠できるわけではありません。人生の選択肢として卵子凍結を考えているなら、まずは卵子凍結について知ることが大切です。何かと話題の卵子凍結ですが、いい面もあれば悪い面も。経験者や専門家が考えるメリットとデメリットを教えてもらいました。

実際やってみてどうですか?卵子凍結のメリットとデメリットを知る

教えてくれたのは・・・岡田有香先生

andGIRL

聖路加国際病院にて子宮内膜症や低用量ピルの診断、がん治療前の卵子凍結に携わった後、杉山婦人科で不妊治療を学ぶ。悩みを相談しやすく通いやすい雰囲気の婦人科を作るため、グレイス杉山クリニックSHIBUYAの院長に就任。

andGIRL

【グレイス杉山クリニックSHIBUYA】

電話番号:03-6427-5670
住所:東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocoti 5F
HP:

卵子凍結のメリット
いざというときのための安心材料になる

凍結した卵子があるからといって絶対に子どもができるわけではないけれど、何かがあって不妊治療になった場合、〝最後に使えるものがある〟という安心材料になっています。(サイバーエージェント勤務・M.Nさん 35歳)

将来的に子どもを持ちたい人の妊娠の可能性を上げることができる

子どもがほしいと思った時点での卵子では妊娠が難しい場合に、妊娠確率を少しでも上げるためのものだと思います。基本的に不妊治療を35歳までに始めれば、体外受精を含めて子どもを持てる確率は高いのですが、それ以降では難しいケースも。そんなとき、若いときに採卵して凍結した卵子があれば、少しでも出産にたどりつける可能性が上がります。(岡田有香先生)

andGIRL

出典:2013年米国CDC疾患予防管理センター

自分の卵子で体外受精した場合、35歳を境に出産率が減少傾向に。平均28歳の卵子で体外受精を行うと、母体年齢に関係なく妊娠率はほぼ同じ。母体年齢より卵子の年齢が重要なことがわかります。

あのときできることはやったという自分を肯定する要素になっている

自分が45歳や47歳になったときに、子どもを産まないことを自分で決めて納得したのならいいのですが、そうではなくて、何も知らず後回しにして子どもを産めない人生になったときに、過去の自分を責めないという保証がありませんでした。卵子凍結をしたことで、あのときの自分にできることは全部やったんだと思えることが、自分を肯定できる1つの要素になっていると思います。(山口真由さん)

年齢の呪縛から解放され、将来に対する焦りがなくなった

もちろん、卵子を戻す年齢にリミットがあるのは理解しつつも、40歳までに結婚して妊娠しなければいけないという女性特有の将来の焦りがなくなりました。(PR会社経営・M.Mさん 38歳)

卵子凍結のデメリット
肉体面と時間面、金銭面で負担がかかるのに100%妊娠できるわけではない

何度もクリニックに通って時間がかかるし、注射や採卵で痛みが伴うこともあります。さらに、採卵には何十万円とお金がかかり、毎年の保管料も必要なので、いろいろな面で負担が大きいのも事実。そのうえ、卵子凍結をしても、将来的に100%妊娠できるわけではありません。パートナーがいれば、早く妊活を始めるほうがいいでしょう。(岡田有香先生)

andGIRL

28歳時点で卵子を20個凍結しておけば94%の確率で出産ができますが、44歳時点だと40個凍結しても妊娠率は26%。卵子凍結は妊娠を確実にするものではありません。

金銭的な負担も大きい

採卵と初年度保管料が100万円弱、保管料はこれからもかかります。普通に結婚、出産していたら払わなくてもいいお金だったはず。独身であるがゆえの代償だと思っています。(PR会社経営・M.Mさん 38歳)

割り切ってやらないとモヤモヤした気持ちになることも・・・

診察では「多めに採卵できるかも」と言われていましたが、結果的に凍結できたのは7個のみ。体の中は見えないので正解はわからないけど、「違う周期だったら?」「他にできたことはあった?」とモヤモヤ。さまざまな可能性を考慮して臨むと気持ちがラクかも。(サイバーエージェント勤務・M.Nさん 35歳)

卵子凍結は不妊治療への一番の近道ではないと思う

卵子単体だと安定しないので使用する段階になって融解するときに一部死んでしまうし、通常の不妊治療に比べて凍結と融解の回数が1回ずつ多く、着床率の低下につながる気がします。それを考えると、卵子凍結が不妊治療への近道ではない気がします。また、卵子の生存率や着床率に関する明確なデータもなければ、ちゃんとした説明が受けられないところもデメリットに感じました。(山口真由さん)

文/水浦裕美

元記事で読む
の記事をもっとみる