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超簡単【アクアパッツァ】白ワイン不要!お手頃な材料で“旨味たっぷり”な味に

  • 2024.5.31

「メシマズ」とは?

「作るメシがマズイ」の意。ネットの世界では「味が極端にマズイ」「見た目も味もひどい」など、激しいものを指すことが多いですが、この連載では「料理歴はそこそこあるのに味が微妙・たまに成功するけれど、だいたいおいしくない」といった意味で使用しています。

【登場人物】

教えてくれるのは……

料理研究家

小田真規子さん

著書やテレビ出演多数! 長年第一線で活躍しているプロ中のプロ。料理初心者にも寄り添ってくれる、手取り足取りなレシピに定評あり。

教わるのは……

エディター

オギ

料理歴は大学時代から一応10年以上の独身アラサーエディター。健康や美容に興味はあるが、基本ズボラ。

マンガでわかる「アクアパッツァ」の作り方

超簡単【アクアパッツァ】白ワイン不要!お手頃な材料で“旨味たっぷり”な味に
超簡単【アクアパッツァ】白ワイン不要!お手頃な材料で“旨味たっぷり”な味に

白ワインもアサリも不要! お手頃価格な食材でアクアパッツァは作れる!

オギ

前回のサバの味噌煮に続き、今回は魚料理の第二弾、洋風のアクアパッツァに挑戦したいと思います。ただ……。


小田先生

ん!? 何か心配事?


オギ

この料理、食材にお金がかかるイメージがありまして。尾頭付きの魚にたっぷりのアサリやトマト、白ワインもドバドバ投入して……と、これだけいい食材を煮込めば、いい出汁が出ておいしくなるのは当たり前だよな~なんて思ってしまいます。


小田先生

確かにそういうイメージがありますが、家で作るにはハードルが高いですよね。今回は、アサリも白ワインもナシ、魚もタラの切り身を使います。


オギ

それなら、気軽に家でも作れそうです!


小田先生

食材はごく普通でも、次の2つを実践して旨味を引き出せば、レストラン級の味に仕上げることができますよ。
1.トマトは横切りにして汁に旨味を出す
2.鍋蓋はせず、水と野菜で蒸し煮にして旨味を引き出す


*アクアパッツァ*

超簡単【アクアパッツァ】白ワイン不要!お手頃な材料で“旨味たっぷり”な味に

■材料(2人分)
生タラなど白身魚の切り身:2切れ(200g)
塩:小さじ1/4
コショウ:少々
タマネギ:50g
ミニトマト:10~12個(150g)
ニンニク:1/2かけ
オリーブオイル:大さじ1
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塩:小さじ1/2
水:1/4カップ
オリーブオイル:大さじ2
パセリのみじん切り:大さじ1

■作り方
タラはよく水気を拭き、塩・コショウを振る。
ニンニクはみじんに、タマネギは薄切りに、ミニトマトはヘタを取って横半分に切る。
直径20cmのフライパンにオリーブオイルを熱して、タラの片面を2~3分焼く。
返してタマネギ・トマト・ニンニクを全体に散らし、Aを振り入れる。
中火で煮立て、そのまま汁をかけながら6~7分煮る。
オリーブオイルを振り混ぜ、パセリを散らす。

「トマトは横切り!」これで旨味が倍増

小田先生

まず、タラの水気をキッチンペーパーで拭き取りましょう。


超簡単【アクアパッツァ】白ワイン不要!お手頃な材料で“旨味たっぷり”な味に
オギ

水気取りは、やったほうがいいですよね?


小田先生

この水気は臭みを含んでいるので、まず一番にやったほうがいいですね。水気を拭いたら、塩を振りましょう。塩タラを使う場合は塩ナシでOKです。


小田先生

コショウ少々を振って、味をなじませるために5分ほどおきます。すぐに焼かないことがポイントです。ここで味を入れることで身が締まり、旨味も引き出されます。


小田先生

野菜は、タマネギを薄切りに、ニンニクはみじん切りにしておきます。タマネギは、生で食べるなら辛みをとるために水にさらしますが、今回は煮込むのでそのままでOKです。


オギ

ミニトマトは横に切るんですよね。トマトサラダのときと一緒ですね!


小田先生

ここがアクアパッツァのおいしさをアップする大事なポイントです。今回のようにソースにするときは、ミニトマトを横半分に切ると水分が出やすく、種の周りのトロッとした部分の旨味もより感じられるようになります。


水・野菜・オイルの「蒸し煮」でさらに旨味がアップ

小田先生

塩・コショウがタラになじんだら、余分な水分を再び拭き取ります。


小田先生

次は、タラを焼いていきましょう。20cmのフライパンに大さじ1のオリーブオイルを入れて熱します。


小田先生

アクアパッツァは、オイルと食材の水分から出た旨味がたっぷりの出汁を楽しむ料理なんです。フライパンが温まったら、皮目を下にして油に浸すようにタラを投入。2分ほどこのまま焼きます。


オギ

香ばしい香りがしてきました~。自分で作るときは、ササっと火を通すくらいで2分も焼いていない気がします。


小田先生

タラはすごく旨味の濃い魚。皮と身の間には脂があるので、香ばしく焼くと旨味のある出汁のベースになるんです。2分焼いたらひっくり返して、タマネギを投入します。


小田先生

さらに、ミニトマト、ニンニクを投入して……。


小田先生

水が(アクア)が暴れる(パッツァ)料理なので、水を入れます。


オギ

アクアパッツァ=白ワインが必須、と思っていたのですが、水だけでいいとは意外です!


小田先生

もちろんあるに越したことはないのですが、水だけでも食材の旨味をしっかり引き出せば、ちゃんとおいしくなりますよ。水に続いて塩も投入しましょう。


オギ

塩が残っていますが、全部入れないんですか?


小田先生

魚の味にもよるので塩は全部入れず、あとで調整できるよう少し残します。


オギ

細やか! プロのワザですね。


小田先生

いやいや普通だと思うけど(笑)。ここから6~7分煮て、ミニトマトから水分が出てくるのを待ちましょう。ここで蓋をするとタラに火が通り過ぎてしまうので、蓋はせず、トマトとタラの味をなじませていきます。


オギ

そういえば、自分で作ると魚の身が縮んでいるような。蓋をしてグツグツ煮込んでいたから、火が通り過ぎたんですね。野菜炒めのときの蒸し焼きみたいです。


小田先生

考え方自体は同じで、アクアパッツァの場合は、少量の水・野菜の水分・油で煮ていきます。そろそろトマトから水分が出てきましたね。蓋をしないので、トマトの水分が少しずつ蒸発して、旨味も凝縮されていきます。


小田先生

トマトが煮崩れたら、煮汁を回しかけ旨味を行き渡らせましょう。


オギ

そろそろ完成が見えてきました! 本当に簡単で、切り身でOKなのもうれしいです。


小田先生

尾頭つきの魚のほうが、確かに出汁が出ます。アクアパッツァはもともと、おろすのに値しないような魚を丸ごとおいしく食べるための料理だと言われています。深海魚みたいな、ちょっとグロテスクな見た目の魚を使うこともあります。


オギ

おしゃれ料理ってイメージがありましたが、もっと気軽に考えていいんですね。


小田先生

香りづけとして、オリーブオイルを大さじ2加えます。


小田先生

最後にパセリを加えて完成です。


オギ

彩りが美しい~。


小田先生

色も味のうちです。


完成!

小田先生

仕上げに粉チーズをプラスしてもいいし、カルディで売っているようなバジルソース、ケッパーなどを加えてもおいしいです。


オギ

スモークサーモン用に買っていつも持て余すケッパーの活路が、こんなところに!


小田先生

今回は使いませんでしたが、食材にアサリを加えたら、より旨味がアップしますよ。


【今回の学び】トマトは単なる彩りでなく味のカナメでした

実際に食べてみると……旨味が濃い! どうしてアサリや尾頭付きの魚、白ワインも使った私のアクアパッツァよりおいしいのか……。ミニトマトの切り方や、火の通し方一つで、こんなに味が変わってくるなんて、毎度のことながら驚きです。なかでも、いつも彩りくらいにしか考えてなかったトマトの偉大さに気づかされました。後日、絶対にこのレシピで作ってリベンジします!

次回予告:「レシピを見ない」が料理上手の証拠?

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撮影/国井美奈子 監修/小田真規子 イラスト/大窪史乃 取材・文/伊藤彩子

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