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世界禁煙デーに考えたい!オーラルケアとタバコの関係についてみずた歯科医院理事長の楊先生にお話を伺いました。

  • 2024.5.31
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毎年5月31日は世界禁煙デーです。
喫煙が健康に悪影響となることは皆さんご存知だと思いますが、実は口腔環境にも大きな影響が。
今回はタバコと口腔環境の関係について、みずた歯科医院 理事長の楊義弘先生にお話を伺いました。

喫煙と口腔環境について

喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病にかかりやすく、悪化しやすいことが報告されています。
スウェーデンにおける研究結果によると20年という歳月で比較すると喫煙者は非喫煙者より6.5 倍も歯周病になりやすかったというデータがあります(出典:J Clin Periodontol.2011 Sep;38(9):809-16.)。
口は身体中で最初に喫煙の影響を受ける部分であり、タバコの煙や成分は口腔内に入ると粘膜や歯茎から吸収されます。
タバコに含まれる主な3つの有害な成分についてご説明します。

1)ニコチン
1つ目のニコチンはタバコに天然に含まれる成分のことで、タバコの依存性を高め、血管収縮性があり、血行が悪くなることが知られています。
その結果、歯茎が固くなり、喫煙者では歯茎の色が黒紫色になってしまうこともあります。
喫煙することにより歯茎の色が悪くなり、審美的にも大きな影響を与えてしまうのです。
2)タール
2つ目のタールは一酸化炭素やガス状の成分を除いた粒子状のものを集めた成分のことをいい、いわゆるヤニを指します。
タバコ臭さの原因で、発がん性があり、歯に着色します。
また唾液分泌量を減らし口腔乾燥を引き起こします。
3)一酸化炭素
3つ目の一酸化炭素はヘモグロビンと結合することで酸素の運搬能を下げ、細菌に対する抵抗力を下げることが知られています。
上記のようにタバコの成分には良い要素が含まれていないため、タバコは吸わないに越した事はないでしょう。

喫煙は摂取した栄養素も失わせてしまう?!

またタバコを吸う事で失う主な栄養素としてビタミンCが挙げられています。
ビタミンCはいうまでもなく体を健康に保つために必須な栄養素です。
喫煙により、腸壁からのビタミンC吸収率が低下し、更に体内でのビタミンCの代謝が早まります。
喫煙者に関しては、厚生労働省も日本人の食事摂取基準(2020年)において、「禁煙が基本的な対応であることを認識したうえで、同年代の推奨量以上にビタミンCを摂取することが推奨される」としています。
禁煙が望ましいとは思いますが、すぐには難しいという方も多いと思いますので、喫煙されている方はビタミンCの摂取を心がけましょう。

電子タバコや水タバコ・・・話題のタバコの体への影響は?

最近は電子タバコを吸う人も増えています。
これらと普通のタバコとの大きな違いはタバコの葉を使用しない事です。
タールが含まれないまたは少ないため、人体への影響は少ないと思われます。
しかし、まだわかっていない部分もあることから、絶対的に普通のタバコより安全とも言い切れないでしょう。
また水タバコ(シーシャ)は近年若者を中心に人気が広がり、吸えるお店が増えてきています。
水タバコとは水パイプという専用の喫煙具を使い、タバコの葉の煙を水にくぐらせて濾過したものを、長いホースから吸う嗜好品です。
フィルターのみの濾過である普通のタバコより害は少ないですが、有害物質は含まれます。
以上のことからやはり禁煙することは口腔内の健康、そして全身の健康を保つには重要であります。
またタバコの料金も年々上昇していますのでお金の面でも禁煙にはメリットがあると思います。
タバコには依存性があるためきっぱりと止めるには相当な覚悟がいると思います。
中々ご自身の力のみでの禁煙は難しい事が多いので、病院へ行き、禁煙外来を受診して止めるのが好ましいと思います。

[執筆者]


楊義弘先生
歯科医師
みずた歯科医院 理事長

略歴
日本歯科大学卒。
都内歯科医院勤務後、みずた歯科医院勤務開始。
2019年よりみずた歯科医院継承、理事長就任。
丁寧で正確な治療を心がけています。
患者さんのご希望に添い、必要な治療についてわかりやすくご説明いたします。
どうぞお気軽にご相談ください。

所属学会など
日本成人矯正歯科学会
日本メタルフリー歯科学会
日本小児歯科学会 所属

みずた歯科医院 ホームページ
https://www.mizuta-shika.com/

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