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【漫画】中堅の立場だからこそ感じる会社員の悩み…リアルな現代劇に「まるで私」「めっちゃしみる」と共感の声続出

  • 2024.5.30
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『ご自愛ください』が話題! 画像提供/大町テラスさん
『ご自愛ください』が話題! 画像提供/大町テラスさん

【漫画】ホッと一息つくサウナとおいしいご飯…主人公のリアリティある心情の描写に「これは泣く」「まじリアル」と反響

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、大町テラスさんがX(旧Twitter)上に投稿した漫画「ご自愛ください」だ。5月21日時点で1.5万以上のいいねがつく反響が集まり、話題となっている。今回は作者の大町テラスさんに制作の背景を伺った。

読者からも共感の声続出のリアルなストーリー

『ご自愛ください』(1/24) 画像提供/大町テラスさん
『ご自愛ください』(1/24) 画像提供/大町テラスさん

主人公の東は広告制作会社で働く会社員。

残業も深夜の打ち合わせもなくなっていない現状で、ある案件により土日稼働も確定してしまう。

後輩の松島さんは土曜日に友人の結婚式が入っている。結婚式が終わってから稼働するという松島さんに、日曜から入ってくれたらいいと声をかける東。

さらには終電が早い松島さんを先に帰して、残業をしながら1人で仕事の不満をぶちまけた。

疲れ果てた帰り道。

ふと近所の銭湯が開いていることに気付き、立ち寄ることに。

ゆっくり銭湯に入り、サウナで汗を流しながら思い出すのは自分が仕事をはじめて2年目のこと。

楽しみにしていた週末のライブが金曜の夜にかかってきた1本の電話で行けなくなってしまった。「ライブはまた今度…」と思っていたが、そのバンドは半年後に解散し「また今度」は永久に失われてしまう。

その時のことを思い出しながら、あの時自分が行ったしなくてもよかった我慢を後輩にさせないようにするのが精いっぱいで、それすらもうまくできているのか…と悩む東。

今作は、リアルな描写で、思わず主人公の東に共感する人も多い現代劇である。

実際に漫画を読んだ人達からは「わかりみありすぎる漫画」「めっちゃしみる」「これは

泣く」「まじリアル」「まるで私」「沁みた…」と、いった共感の声が多くあがっている。

また、4月19日に発売された大町テラスさん作の単行本「子どもが欲しいかわかりません」にもぜひ注目してほしい。

今回は、作者・大町テラスさんに『ご自愛ください』の制作について話を伺った。

作者・大町テラスさんの創作背景とこだわり

『ご自愛ください』(9/24) 画像提供/大町テラスさん
『ご自愛ください』(9/24) 画像提供/大町テラスさん

――「ご自愛ください」を創作したきっかけや理由があればお教えください。

本作は2021年にチャンピオンRED(秋田書店)に描き下ろした読み切り作品です。

産後に開始した『ハラがへっては育児はできぬ』(秋田書店)の連載中に

ごはんとサウナの描写を入れて何か読み切りを描きませんか、とご依頼をいただきました。

時期的に2021年はまだまだ世間ではマスクをつけて出歩くのが当然というムードで、現代劇を描くのであればコロナのことを無視できない、と考えていた時期だったので編集さんのリクエストに応えつつ、コロナ禍の閉塞的なムードの中でそれでも働く主人公の話にしようと思いました。

――「ご自愛ください」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。

主人公と同じ広告制作の仕事をしていた経験があり、そのあたりの描写はかなりリアルだと思います。

登場する銭湯も実在の施設をモデルにしている部分もあるので、わかった方は「あそこかも〜!」と楽しんでいただけたらと思います。

――今作は多くの読者から反響があったと思いますが、特に印象に残っているコメントなどありますか?

「自分が受けた理不尽をどう還元するのか?」…がテーマなのですが、しっかりとその主題に反応してくださっている方が多く、うれしかったです。

テーマを具体的に噛み砕いていうと、例えばパワハラ上司に受けたパワハラを、自分は後輩にも同じようにするパワハラ上司になるのか、もしくはパワハラは自分の世代で断ち切って優しい先輩になるのか…みたいなことです。

自分の時代は徹夜しても頑張るのが当たり前だったけれど、いざ自分が上司になったときにはそれは許されない。

そうなると後輩に無理をさせないために結局は自分が頑張るしかない。

パワハラを断ち切るために頑張る美学を描いていることに気づいてくださっている読者の方が多くいたことに励まされました。

一方で、主人公の行動が過度に自己犠牲的で不快だ、という批判的なコメントもありました。

こちらは続編にあたる『私ごとで恐縮ですが』でアンサーを描いていますので、ぜひそちらも読んでいただきたいです。

――普段、ストーリー設定やキャラクター設定はどのようなところから着想を得ることが多いでしょうか?

実際に人間が生きて体験してきたことから得られるストーリーが一番面白いと思っているので完全に頭の中で想像したことだけで話をつくることはほぼありません。

私が今まで飲んできた泥水を何かしらの美しい形に変換して読者さんにお裾分けするぞ、という気持ちで漫画を描いています。

――大町テラスさんの今後の展望や目標をお教えください。

現在は次の連載に向けて、原稿を執筆中です。

これまでは1巻完結の作品が多かったのですが、初めて終わりを明確に決めていない長期連載を始める予定です。

夏頃には詳しいお知らせができると思いますので、ぜひ期待してお待ちいただけたらと思います。

――最後に大町テラスさんの作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

私の漫画を楽しみにしてくれているなんてなんて素敵な人なんでしょう…!?

本当にありがとうございます。読者のあなたがいるから私も頑張って漫画を描こうと思えます。

漫画を描くのは精神面でも体力面でもきついこともたくさんありますが、そんなときには読んでくれるあなたの存在を思い出すことにしますね。

そしてあなたが何か辛いときに、私の漫画のことを思い出して頑張れる…そんな存在になりたいです。

頑張りすぎるタイプの人は、どうかご自愛してくださいね。

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