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【たるみ解消】「顔の脂肪ケア」老け顔にならない対策法を医師が解説!

  • 2024.5.30
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教えてくれたのは……

ノエル銀座クリニック副院長

藤井香綸先生

形成外科専門医。昔から美容が大好きで形成外科を学び、その技術と知識を活かして美容医療の道へ。美容医療や美肌に関する豊富な知識を持ち、インスタグラムでは、ほっこりイラスト付きで最新情報を紹介する「みるくもち先生」としても活躍。VOCE WEBにもたびたび登場し、わかりやすい解説が大好評!
【Instagram】dr.milkmochi

【顔脂肪と加齢変化】20代から減り始め、10年間でヒアル5本分の脂肪が失われる!?

【顔脂肪と加齢変化】20代から減り始め、10年間でヒアル5本分の脂肪が失われる!?

初期エイジング対策(https://i-voce.jp/feed/2713008/)より

藤井香綸先生

ドクターによって見解が異なるとは思いますが、私としては、顔の脂肪は“大切にしたい派”。というのも、顔の脂肪は加齢とともに減りながら下垂していきます。研究でも10年間で平均5cc減るとされていて、これはヒアルロン酸注射5本分に相当するといわれています。脂肪が減って落ち始めるのは20代後半からで、徐々に進行していき、目に見えて顔に現れてくるのが30代前半。特に日本人は下あごの骨が小さく、落ちてくる脂肪を支えきれない人が多い。頬骨も、横には張っているのですが、年齢とともに前面の頬骨がやせて急勾配になり、どかっと脂肪が垂れてしまうことも。口まわりやフェイスライン、顔の中心などにお肉が“モチャッ”と溜まりやすいブルドッグ顔は、日本人をはじめアジア人に多く見られる傾向です。


あらゆる脂肪がたるんで“顔の下半身”に押し寄せる!

顔の脂肪の中で大きなものは、頬骨周辺にある「メーラーファット」、口角の横から下にかけて存在する「ジョールファット」、そして深部脂肪の「バッカルファット」のおもに3つ。加齢で減るのはどの脂肪?

藤井香綸先生

『バッカルファット』と呼ばれる深部脂肪はあまり減らないとされていますが、加齢とともに、“本来、存在してはいけないエリア”にはみ出して、垂れ下がることも。CT画像で見ても、若いときのほうが上部に位置していることがわかっています。バッカルファット以外の脂肪はほぼすべて減っていき、たるみと重力で顔の下半分に押し寄せて溜まっていきます。実際に脂肪の体積自体は少なくなっているはずなのに、溜まることで脂肪が増えた印象に見えてしまうこともあるんです。


若い世代ほど、“顔の脂肪を大切にしたい派”が増えている!

藤井香綸先生

来院する方たちの中で、20代後半の方は美容意識が特に高く、老いることに対して何かしら先手を打ちたいと考えている。そういう人たちは、『脂肪は大事にしたほうがいいですよね』という感覚の人が多いです。また、50代60代は、たるみが進行して輪郭が四角くなってきた結果、原因が脂肪だと認識しているわけではないけれど、『この落ちてきている“何か”を今すぐなんとかしたい!』と考える傾向が。昔は、脂肪がたくさんあると『取る』一択だったかもしれませんが、今はSNSなどでもさまざまな議論が行われ、選択肢も増えました。取ってしまうとなかなか戻せないし、数年後どうなるかわからないということも意識の中にあるのかなと思います。患者さんの知識が、ここ数年でグンと高まったなと感じます。


“脂肪=余分なモノ”というだけではなく、先を見据えた脂肪対策が、たるみや老け顔を防ぐために大きなカギを握りそう!

脂肪のつき方にはどんなタイプがある?

藤井香綸先生

脂肪が多めで顔がパンッとしているタイプと、もとの脂肪が少なくすっきりした顔立ちタイプと、大きく2つに分けられます。そして、脂肪のつき方は、骨格も大きく関わっています。中学生のときから顔全体がシュッとして大人びているとか、大人になっても可愛らしいとか、そういった印象が脂肪のつき方ともリンクしている気がしますね。この2タイプは加齢で現われる悩みも異なるので、ケア方法やクリニックでの治療方針も変わってきます。たとえば、パンッとした脂肪多めさんは、脂肪が垂れて顔のフォルムがぼやけやすいので、フェイスラインや顎下だけ脂肪吸引するとすごくキレイになります。すっきり顔の脂肪少なめさんは、頬がやせこけていく分、ヒアルロン酸注入などで整えてあげるのがおすすめです。


たるみ・老け顔防止! 【顔脂肪】との正しい付き合い方

たるみや老け顔を引き起こさないために、顔の脂肪とどううまく付き合っていくべきか。意識するべきポイントを解説していきます!

極端な体重の増減を防ぐ/健康的なBMIにする

藤井香綸先生

脂肪細胞は、ある程度成長したら数量が固定され、そこから先は機械などであえて壊したりしない限りは、細胞そのものが増えたり減ったりすることはありません。しかし、太ると脂肪細胞の一つひとつが大きくなります。さらに脂肪細胞には、スペースがあるとそれに合わせてアジャスト(調整)しようと膨張する性質が。太ったり痩せたりするとそれに合わせて皮膚も伸び縮みするので、太って皮膚が伸びると脂肪細胞が皮膚との隙間を埋めようとして膨らんでしまいます。急激な体重の増減などは避けて、変わらない体型を維持することが大切。


つまりは、太るのはよくない! 健康的なBMIをキープすることが必要不可欠!ってこと。BMIは肥満度をはかる指標の一つで、[体重(kg)]÷[身長(m)2]で出される数値。22.0が標準、25.0以上が肥満と定義づけられているけれど……。

藤井香綸先生

根本的なところでいうと、全身の脂肪を減らせば、顔の脂肪も必ず減ります。長い目で見ても、BMI 18〜20以下くらいをキープしていれば、脂肪がどかっと落ちてくるような顕著なたるみが出る可能性は低い。ただ、やせるときに顔まわりからやせていくのか、顔まわりだけなかなかやせないのかということは、体質によります。

※こちらは指針の1つであり、過剰なダイエットを推奨するものではありません。


デバイス治療をちまちま取り入れる

・高周波治療:サーマクール、サーマジェン、モフィウス、フォーマやミニFX(インモード)など
・超音波治療(ハイフ):ウルセラ、ダブロゴールド、ウルトラフォーマー3(シュリンク)など

藤井香綸先生

自然に脂肪を減らしたいのなら、クリニックの治療も有効です。たとえば、ハイフのように超音波を一点に集めて引き締める施術でも脂肪のボリューム感は多少ダウンしますし、高周波のミニFXでは脂肪細胞を減らすことができる。アラサーぐらいであれば、しっかりとした高周波治療を年に1回、ハイフを年に1~2回ぐらいのペースで受ければ十分だと思います。


さらに、藤井先生によると肌のハリ感も脂肪に影響を与えるとのこと!

藤井香綸先生

前述の通り、脂肪細胞は隙間に応じて膨らむので、皮膚がたるんで余剰スペースがあると、どんどん膨張していきます。逆に、肌がパーンとしていれば、脂肪細胞もふとん圧縮袋のようにギュッと納まってくれるので、日常的にもハリケアを意識することはとても大事。あとは、脂肪にアプローチするという点では難しいですが、ホームケアでLEDや高周波の美容機器を取り入れるのも◎。肌を“分厚く”して隙間を作らないようにすることができます。


藤井先生のセルフケア『NEWAリフトプラス』

Beautelligence NEWAリフト プラス
Beautelligence NEWAリフト プラス

¥75680

藤井香綸先生

LEDや高周波は、コラーゲンを生み出す線維芽細胞を刺激してくれるので、ハリ感もアップ。週2ペースでおうちケアに取り入れています。


肌を引き締めるRF(サブマイクロ波)トリートメントが手軽に叶う、コードレスタイプのホーム用美顔器。ほうれい線まわり、フェイスライン、あご下の3エリアを集中ケアしてキュッと小顔に!

脂肪溶解注射・脂肪吸引・フェイスリフトは対策として有効?

脂肪を減らすという話題において、真っ先に登場するのが脂肪吸引。

藤井香綸先生

脂肪細胞そのものを取り除く脂肪吸引は、結果もわかりやすく効果的な手段です。ただ、拘縮(コウシュク)といわれる引きつれ感が起きたり、肌表面がデコボコしたり、さらには神経障害によって感覚が少し鈍くなったりすることも。何事もなくキレイになった人ももちろんいますが、結構リスクが大きいので、ドクターとしっかりと相談してよく考えるべき。『顔がキュッと見えればいい』という人はいいかもしれませんが、『至近距離で見られたとき絶対に気づかれたくない』という人には向いていません。あご下ぐらいなら、光が当たらない部分なので目立ちにくいとは思います。


最近は、吸引以外にも脂肪にアプローチできるさまざまな選択肢があるとのこと。脂肪溶解注射やフェイスリフトもいいって聞くけれど、その真相は?

藤井香綸先生

薬剤を注射する脂肪溶解でも、脂肪を減らすことができます。吸引ほど見た目の変化があらわれるわけではないので“金ドブ”といわれることもありますが(笑)、脂肪はちょっとずつでも確実に減りますし、リスクも少ない。デコボコになることは、まずありません。今すぐ脂肪を落としたい!という気持ちもわかるけれど、こちらから始めてみてもいいでしょう。
また、脂肪はいったん減らしてしまうと、太らない限りはなかなか増やせません。個人的には、将来たるんで脂肪が落ちてきたとしても、カッティングして引き上げるフェイスリフトなどを取り入れるのがいいのかなと思っています。脂肪を減らすことなく移動することができるので、糸リフトも効果的です。


顔トレや表情筋トレーニングは有効?

藤井香綸先生

表情筋を鍛えるのは、たるみケアという観点でいうと多少は効果アリ。また、顔を動かすと水分が流れてむくみが取れるので、すっきり見えるというメリットもあります。ですが、マッサージやセルフトレーニングで、顔の脂肪を減らすのは難しいのが実情。脂肪がつかないように予防するという意味ではいいかもしれません。


写真協力/shutterstock 取材・文/橋場鈴里

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