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就活とは段違いの余裕で乗り切れた転職。就活はスタートラインだ

  • 2024.5.30
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1つに括ってきっちり固めた髪。買ったばかりのスーツとヒールで、上から下まで黒コーデ。そんな武装をしながら臨む就活。緊張もあってか、自然と背筋が伸びていた記憶がある。帰宅するたびにドッと疲れが出るし、1日でも早く解放されたいと思っていた。

もうずっと前のことだけれど、あの頃には戻りたくない。

私が特に苦手だったのは面接。グループディスカッションも含め、いつも声が震えていたし、なるべく簡潔に答えて乗り切っていた。質問の内容を予想して回答を用意したり、大学の就活センターで面接練習をしてもらったりと、対策はしっかりしていた。

しかし、どんなに頑張っていても、本番ではなかなか力を発揮できなかった。

自分以外の就活生がいることで、比較されているのを意識してしまう。回答を用意していても答える順番が後だと、他の就活生に答えを言われてしまってパニックになる。その結果、全力を出せずに惨敗。運良く2次面接まで進めたときもあったけれど、また前の人と好きな商品が被ってしまい撃沈。

「書類選考と筆記試験だけだったら……」と、面接という選考方法を心底恨んだ。

◎ ◎

その後は、何とか内定をもらって前職の企業へ就職した。まったく興味のない業界と業種。1年目が終わる頃には、同期が1/3ほど辞めていた。それでも、私はコツコツと頑張りながら勤め続けた。

転職となると、また面接を受けなければならない。もう就活のときのような思いはしたくなかった。

それから数年が経ち、同期が残り数人になった頃だった。パワハラなど色んなことが重なって、私の心身に限界が来てしまった。転職経験のある友人たちに相談したり、心療内科に通ったりする中で、働く環境を変えることを本気で考えるようになった。

私は、意を決して転活を始めた。

すぐに複数の転職サイトに登録し、気になる企業を見つけたら隅から隅まで調べた。時間があまりない中で、履歴書や職務経歴書を丁寧に仕上げて送付した。そして、連絡が来た企業から面接を組んだ。

何だかまた就活をしているような感覚だった。でも、不思議とあの頃のような緊張や不安はなかった。それには、いくつか理由があった。

◎ ◎

まず、コロナ禍のこともあり、ほとんどの企業がweb面接だったこと。そのため、自分の履歴書や職務経歴書、回答のカンペを見ながら受けることができた。質問に対して丁寧に分かりやすく答えることができ、面接官と雑談して笑う余裕さえあった。

あと、グループディスカッションはなく、1回の面接のみだったこと。複数回面接を設ける企業もあるけれど、何度も面接をするのはつらいので、なるべく1回で済む企業を選んだというのもあった。他の企業と並行していても、落ち着いて臨むことができた。

それから、前職と同じ業界と業種であったこと。未経験で応募した人と一緒に面接を受けたことがあるけれど、今までの知識や経験が自信に繋がって思う存分アピールすることができた。いまだにIT業界には苦手意識をもっているけれど、結果として良かったのかなと思う。

こんな感じで、就活のときとは比べ物にならないくらい、面接を余裕で乗り切ることができた。無事に転職先も決まり、2年経った今も充実した毎日を送れている。自分の努力もあるけれど、就活があったからこそ、転活では冷静になれたのかもしれない。

◎ ◎

私たちは社会に出て、たくさんのことを知っていく。就活で失敗したと思っていても、働く中で「自分に合っているかも」と気づいて、やりがいに変わっていくこともある。はたまた私のように「転職して良かった」という風になることもある。

就活はあくまでスタートライン。確かにしんどいこともある。すぐには結果として出なくても、いつかきっと「あのとき頑張って良かった」と思える日がくる。一生懸命にやり切れば、いつか必ず努力は実を結ぶから大丈夫。

■犬屋敷みちるのプロフィール
食べることと、犬をもふもふするのが大好きなアラサーOL。HSP。 趣味で読書をしたり、小説を書いたりしている。 好きな季節は冬。こたつで雪見だいふくを食べるのが毎年の楽しみ。

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