1. トップ
  2. スキンケア
  3. 【熟睡できるお風呂の入り方】疲れている日こそしっかり睡眠! 質のいい眠りを確保する入浴の秘訣、教えます

【熟睡できるお風呂の入り方】疲れている日こそしっかり睡眠! 質のいい眠りを確保する入浴の秘訣、教えます

  • 2024.5.30
  • 3882 views

年を重ねて熟睡感が減った、朝起きても疲れている……そんな悩みのある人はきっと多いはず。実はよく眠るには「お風呂」が味方になるそう。正しいお風呂の入り方を知って、ぐっすり睡眠を叶えましょう。

教えてくれたのは……

眠りとお風呂の専門家 小林麻利子さん

最新研究を元に4000人に指導。日本睡眠環境学会奨励賞受賞。JCSP主宰。著書に『入浴の質が睡眠を決める』(カンゼン)など。

入浴法に気をつければ年齢に関係なく、ぐっすり眠れる体に!

よく眠って元気に過ごすためには、お風呂が大切。深部体温を上げて一気に下げられるお風呂が、入眠や深い睡眠を得るために効果的だといいます。
「バスタブにつかるのは日本独特の習慣ですが、日本人は完璧主義の方も多く忙しく、適切に深部体温が下がらない方もいらっしゃいます。シャワーでは温まりきらず、サウナも入眠に関してのエビデンスは、多くありません。リラックスもできて、深部体温をしっかり上げられるお風呂が、ストレスフルな日本人の睡眠改善にぴったりなのです」

でも、お風呂はただつかればいいわけではなさそう。
「40度のお風呂に15分つかりましょう。温度計を湯船に浮かべて40度を確認するのがポイント。そして15分間温まって深部体温をしっかり上げること。それ以上でも以下でもなく15分が◎」

そして、お風呂の後は湯冷めしないように手短に保湿などを行い、冬なら30分〜1時間、夏でも1、2時間のうちにベッドに入ることが大切。
「お風呂後にお掃除をする方もいますが、体が冷えて交感神経が刺激されてしまいます。インバスケアなどで時短し、寝る前までほかほかをキープしましょう」

お風呂で試したい快眠を叶える3STEP

【STEP01 環境整備】 お風呂に入る前に、浴室の環境を整えましょう

服を脱ぐ前に、シャワーから洗面器に水を出して、水からお湯に代わり、洗面器の水がお湯に変わってから、服を脱いで、浴室へ入りましょう。脱衣室との気温差は自律神経を乱し、リラックスとは程遠くなります。10度以上の浴室では、湿度が高い方が体感温度が上がります。
浴室に入った瞬間から「あ~気持ちいい」と感じる状態がベストです。入浴前のかけ湯、シャワーも忘れずに。

【STEP02 髪・体を洗う】 足湯をしながら&洗髪後は時短のためタオルを

浴室に入ったら髪と体を洗います。5分以上かかってしまう場合は、足湯をしながら行うとベター。あらかじめ用意していた洗面器に足をつけながら先髪を。夏やお風呂の時間が短縮されがちなときも、温熱効果を高めるために足湯をしながらがおすすめ。
ただ、暑すぎると感じる場合は無理にしなくてOK。洗髪後は吸水性の高いタオルで頭を包んでおき、入浴後の時間短縮を図ります。

【STEP03 本番入浴】 いざ、40度に15分浸かって深部体温を上げて

髪や体を洗ったら、いざ本番入浴へ。深部体温をしっかり上げて副交感神経が優位になる「40度」「15分」が最も効果的です。
暑すぎると感じたら、数日は39度から試してみて。
本番入浴では、心臓に疾患のない人には首の付け根まで浸かる「完全浴」を15分の入浴時間の後半に数分でも行って。全身のリンパが集まる鎖骨も温められます。首の裏にホットタオルを当てるのもおすすめです。

【コレも大切】フラット入浴 “自宅寝湯”でもっとリラックス

人は体を横にしたほうが血圧が低下し、物理的に交感神経も低下するためリラックス効果を得られます。
お尻を浮かせて上半身を持ち上げ、体が出ない範囲でフラットに。15分の入浴の最初でも後半でも構いません。力を緩めにくい上半身の脱力が叶い、鎮静効果が高いおすすめの方法です。
ただ血圧が下がるため、湯船でうたた寝をしがちな人は危険なので行わないようにしましょう。

陥りがちなお風呂でのNG

長湯
半身浴などで何時間もされる方がいますが、実は長湯はリスクしかありません。肌が乾燥してしまったり、高齢者の場合長湯によって入浴時の事故リスクが高まることも報告されています。長くても20分以内にとどめて。

汗=デトックス
長湯やサウナなどで汗をかく=デトックスと思っている方がいますが、発汗による毒素の排泄症はごくごくわずか。 深部体温を上げることが入浴の最も大切なポイントで、発汗は不可欠ですがそれを目的にするのは危険。

一番風呂
水道水には塩素のほか、マンガンや銅などの金属が含まれており、敏感肌やアトピーの場合は注 意が必要。 誰かが先に入ることで汚れやミネラル、保湿因子が流れ塩素を中和して、肌あたりがまろやかなお湯になります。

ゴシゴシ洗い
湯船につかったりお湯で流すだけで日常的な体の汚れは取れるので、ゴシゴシ洗う必 要はありません。長く湯船につかる前にゴシゴシ洗うとかえって肌が荒れたり、肌の炎症を広げてしまう可能性があるので注意して。

text:Miho Arima illustration:Toshinori Yonemura

リンネル2024年5月号より
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください

元記事で読む
の記事をもっとみる