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佳子さまバッシングを煽るかのような「週刊女性」の記事とは? 秋篠宮家の受難

  • 2024.5.29
佳子さまバッシングを煽るかのような「週刊女性」の記事とは? 秋篠宮家の受難の画像1
中尾彬さん(写真:サイゾーウーマン)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

目次

・今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
・中尾彬氏急死を「女性セブン」がスクープ
・佳子さまバッシングを煽るかのような「週刊女性」の記事
・尾上松也と大原櫻子の焼肉密会記事

先週「週刊女性」の“春ドラマアンケート企画”で、完全スルーされていた木村拓哉主演『Believe―君にかける橋―』(テレビ朝日系)だが、やはり視聴率も徐々に下がり、5月23日放送の5話では世帯平均視聴率が9.8%、個人視聴率5.7%に。ここまでくると、逆に応援したくなるほどの惨状だ。腐ってもキムタク、頑張れ!

今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3

第700回(5/23〜5/28発売号より)
1位「中尾彬さん急死『愛妻への後悔』探し続けた最期の言葉」(「女性セブン」6月6日号)
2位「佳子さま 結婚後に手に入れる12億円皇室マネー」(「週刊女性」6月11日号)
3位「尾上松也 レコ大女性アーティストと焼き肉密会」(「週刊女性」6月11日号)

中尾彬氏急死を「女性セブン」がスクープ

これも立派なスクープだろう。それが先週23日に発売された「女性セブン」の中尾彬氏急死に関する記事が、だ。というのも「セブン」記事で中尾の死が明らかになるまで、どのマスコミもその事実を掴んでいなかったと思われるから。

記事によれば、中尾氏が亡くなったのは今月16日、そして、その死は「ごく一部の限られた関係者にしか知らされていなかった」という。実際、「セブン」が中尾氏の死を報じるまで、どこのマスコミもこの事実を報じてはいない。

そして「セブン」発売前日の22日、中尾氏の妻で女優の池波志乃が所属事務所を通じコメントを出したことで、中尾氏の急死をワイドショーはじめマスコミが一斉に大きく取り上げることと相成った。池波のコメントは「セブン」で報じられるとわかったことで、取材殺到などの混乱を防ぐため事前に出されたものだろう。

そして今回の記事を見て思った。これって芸能スクープ記事にも通じる“有名人死亡スクープ”ではないかと。

よく知られているように近年、中尾氏夫妻は終活を進めていた。その中で中尾氏の“静かに送ってほしい”という遺志を尊重し、池波は中尾の死を長年の友人や関係者にも知らせなかったという。つまり、中尾氏は自分の死を大げさに周囲や世間に伝えてほしくなかったということだ。

しかし、それではあまりに寂しいと、ごく限られた人たちだけで葬儀が行われた。しかも中尾氏は有名芸能人だ。中尾氏や池波の意思とは別に中尾の死は“ごく限られた人”を通じてマスコミに伝わった。もちろんマスコミは中尾氏の死を報じるべく取材を開始する。そして報道されることがわかった妻が報道の直前にコメントを出す――。

誤解を恐れずに言えば、芸能人が隠そうとした事実(例えば熱愛)をリークする関係者、そして情報をキャッチして暴くマスコミと、それを事前に察知して自ら事実を認めてコメントを出して混乱を少しでも回避する芸能人サイド、という芸能スクープ記事の構図と似ていると思わない?

そう考えると、これは立派な芸能関連スクープだと思う。もちろん記事は、これまでの中尾氏の実績、おしどり夫婦といわれた池波との軌跡、そして終活についてなど、重層的なエピソードが記される力の入った特集ともなっている。

超高齢化時代となった現代日本、芸能マスコミによる同様の“スクープ”は今後も増えるのかもしれない。

佳子さまバッシングを煽るかのような「週刊女性」の記事

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2022年、楽天・ジャパン・オープン・テニス・チャンピオンシップスでの佳子さま(C)GettyImages

ここ数年来の秋篠宮家に対するバッシングは、いまだ衰えを知らないようだ。

小室圭さんと結婚した眞子さまの現状、紀子さまの厳しい要求に次々と去っていく職員たち、佳子さまの不自然な一人暮らしなど、マスコミを賑わす秋篠宮家。そして今週の「週刊女性」でも秋篠宮家をターゲットにした記事が掲載されている。

今回の主役は次女・佳子さまだ。そして内容は、“仮に佳子さまが結婚後も皇室に残ると、どれだけお金(税金)がかかるか”だ。そしてこの“お金”に関して、記事では現在大きな議論になっている“女性皇族と結婚した一般男性が皇族となる場合”を仮定して、さまざまに算出している。

たとえば佳子さまの皇族費年間1,525万円、夫には半額の762万5,000円、さらに住居も新たな宮家を造る場合には公費がかかる。そして仮に佳子夫妻が平均寿命の80歳までと仮定すると、総額が12億円になると指摘する。「一般の男性が皇族になれば、皇族費は莫大な金額になる」との注釈付きで、だ。

しかし問題は、その額ではない。「週女」記事はこうした巨額の皇族費の捻出が、まるで佳子さま特有の問題かのように錯覚させるトーンになっていることだ。記事サブタイトルには、こうある。

「夫も皇族入りで勃発する“税金問題”に『国民の非難は免れない』」
「国民からの大量の“血税”が捻出されるという――。」

佳子さまバッシングを煽るかのよう。加えて皇族女性と結婚した男性を“皇族にする”ことにも反対なようで――。だが、こうした事態は決して秋篠宮家や佳子さま個人の問題ではないことは言うまでもない。これまで自民党保守派は“女性宮家”や“女系天皇”問題に反対、また現在でも政府は安定的な皇位継承の確保に向け協議を行っているが、これまで同様、議論ばかりで話はまとまらないからだ。

さらに考えてみれば、これは佳子さまに限らず天皇の娘である愛子さまも同様の問題を抱えているが、しかし国民的人気の愛子さまに関しては、ほぼスルー。

記事中の愛子さま写真のキャプションに「皇位継承をめぐる法案は愛子さまも当事者となる」と申し訳程度に触れている程度なのだ。まさに佳子さまをターゲットにした意図的な作りとしかいいようがない。

秋篠宮家の受難は、まだまだ続きそうだ。

尾上松也と大原櫻子の焼肉密会記事

人気歌舞伎俳優・尾上松也と女優でアーティストの大原櫻子が、焼肉屋で密会していたと「週刊女性」が報じている。記事によれば2人はラフな服装で、大原はすっぴん、とても親密な様子で食事を終えると一緒にタクシーに乗って店を後にしたという。記事には焼肉を楽しむ2人のツーショット写真も。

しかし――。「週女」はそれ以上、2人の“関係について”取材はしなかったらしい。タクシーに乗った2人を追うこともしなかったらしい。もちろん直撃取材もなし。そして、こんな一文が。

「松也と大原の関係性や、焼き肉店での密会の内容について、双方の事務所に問い合わせたが、期日までに返答はなかった」

がっかり。

神林広恵(ライター)
伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」(噂の真相)の元デスク。著書に『噂の女』(幻冬舎)、共著に"『日本を脅かす! 原発の深い闇』、『木嶋佳苗法廷証言』(共に宝島SUGOI文庫)などがある。

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